Ankerは2021年2月24日に700Whクラスのポータブル電源「Anker PowerHouse II 800」を発売しました。
4ヶ月ほど前に発売された「Anker PowerHouse II 400」の電池容量が2倍になったものです。
結論としては、「Anker PowerHouse Ⅱ 800」は、4人くらいまでの家族・ひとり暮らしの方向けの災害対策に最適化させたモデルであると言えるでしょう。
1000Whを超える大容量ポータブル電源やドライヤーも使えるような出力を持つポータブル電源が続々発売されています。
しかし、アンカーはもっとも売れ筋の700Whクラスに完成度の高い製品を投入しましたね。
2021年6月22日〜23日に行われたAmazonプライムデーで「Anker PowerHouse II 800」を購入したので実機レビュー致します。
定価74,800円とポータブル電源の中でも高額の部類。そのため購入までだいぶ悩みました。
高速充電ができること、Ankerブランドに対する信頼感が決め手でした。
災害時に必要な機能をしっかりとコンパクトに詰め込んだ質実剛健な製品と言えます。

この記事では、「Anker PowerHouse II 800の写真レビュー」「購入時に悩んだことをQ&A形式にしました」「他社ライバル製品との比較」「Anker既存モデルとの比較」の4つのコンテンツで成り立っています。
「Anker PowerHouse II 800とソーラーパネルの組み合わせ」「Anker PowerHouse II 800で使える家電と使用時間」などは別記事でご紹介する予定です。
この記事の中に知りたい情報がなかった場合はコメント欄でお知らせください。実機で検証することができますので!
目次をクリックすると各項目に移動できます
Anker PowerHouse II 800の写真レビュー
外装、入出力部分、説明書・付属品、充電方法と充電スピードに分けてご紹介します。
外装
700Whクラスのポータブル電源なので流石に大きいです。
横幅30cm、高さ18.5cm、奥行き20.4cm、重量8.3kg。
管理人(女性)にとってはかなりの重さですね。
向かって左側面。排熱されるようになっています。
向かって右側面。LEDライトです。
アンビエントライト
Anker PowerHouse Ⅱ 800のLEDライトは以下の動画のように明るく、使い勝手の良いものです。
(Anker PowerHouse Ⅱ 400となっていますが、LEDライト部分のスペックは800と同じです)
8つの角と底面を強化して耐久性をあげてあるとのこと。アウトドアはもちろん災害時にも安心ですね。
持ち手です。この部分は賛否両論がありますね。「折りたたみの方が邪魔ではない」という意見が多いかな。
管理人としてはこの形状で正解だと思っています。
かなり重いので折りたたみのプラスチック製持ち手だと手が痛くなりますよね。
災害時に持ち運ぶことを考えると最適な作りではないでしょうか。
まず壊れなそうなしっかりした造り。
入出力部分
- 1.:5V=6A (各ポート最大12W / 4ポート合計最大30W)
- 2.USB-C入出力:5V=3A / 9V=3A /15V=3A / 20V=3A (各ポート最大60W / 2ポート合計最大120W)
- 3.DC入力(DC7909):11-28V=10A (合計最大120W)
- 4.アンダーソン入力ポート:12V-28V(最大120W)
5.シガーソケット + 5.5mm DC:12V=10A (合計最大120W)
シガーソケット上部の2ヶ所もDC出力(DC5525)です。
ACコンセントは2つ。2ポート合計で500W(サージ1000W)です。
メーカー記載通り出力電圧は110V。
説明書・付属品
付属品一覧:ACアダプタ (120W出力)、USB-A & USB-C ケーブル、USB-C & USB-C ケーブル、ケーブル内蔵カーチャージャー、取扱説明書
ACアダプタコネクタのサイズはDC7909です。ソーラーパネルでDC入力するときもDC7909になります。

説明書
説明書は基本的な使い方だけを記述したシンプルなもの。日本語はちゃんとしています。
Amazonのカスタマーレビューでも「説明書が不充分」という意見が多々あったので、初めてポータブル電源を購入する方にはシンプルすぎて不便かもしれません。
Ankerカスタマーサービスは連絡すると24時間以内にしっかりした回答をくれますので、わからないことがあっても大丈夫!
以下のリンクから説明書を見ることができます(PDFです)。
→ Anker PowerHouse II 800 Manual
充電方法と充電スピード
Anker PowerHouse Ⅱ 800を充電する方法は3つ。
- 付属のACアダプタ
- USB-Cポート
- ソーラーパネル(DC入力・アンダーソン)
「カーチャージャー(PD)を使用した車での充電」「ソーラーパネルでの充電」については別記事で取り上げます(梅雨時なのでなかなかソーラーパネルが実験できません)。
付属のACアダプタと2つのUSB-Cポートからの同時本体充電に対応し5時間で満充電にできます。
では、一つ一つの入力量を見てみます。
ACアダプタを用いて壁のコンセントから充電。最大120Wで充電できます。
我が家の場合は115W前後でした。
コンセントにPD 充電器 USB-Cを差し、付属のUSB-C & USB-C ケーブルでポータブル電源と繋ぎます。最大60Wで充電できます。
我が家の場合は52W前後でした。
参考:Anker PowerPort III 65W Pod()
USB-C & USB-C ケーブルを1本追加し、2ヶ所で充電してみました。
100WのPD充電器を使っています。80W前後の入力量でした。
ACアダプタと2つのUSB-Cポートからの同時本体充電です。
だいたい200Wくらいでした。
付属のUSB-C & USB-C ケーブル(長さ1m)で充電している様子。
購入時に悩んだことをQ&A形式にしました
「Anker PowerHouse II 800 Anker PowerHouse II 400 比較」みたいなキーワードでいらっしゃる方が多いので、少しでも悩みが解消できれば!
Anker PowerPort Solar 60でのソーラー充電はできますか?
Anker PowerPort Solar 60でのソーラー充電はできますか?
できません。DC INPUTが最大120Wなので120W以上のソーラーパネルをおすすめします。
「Anker PowerPort Solar 60でのソーラー充電には対応していません。」とAnker公式サイトに書かれています。
Jackery SolarSaga 100 ソーラーパネル 100WがDC7909サイズなので形状的には接続できますね。アンダーソンコネクタを使ってELECAENTA 120W ソーラーパネルを接続することもできそう。
パススルー充電には対応していますか?
パススルー充電には対応していますか?
パススルー充電に対応しています。
カスタマーサービスに問い合わせをしました。
「パススルー充電は製品の電池の寿命に影響を与えておりません」という回答を得ています。

他社ライバル製品との比較
「Anker PowerHouse Ⅱ 800」の基本性能は、容量788Wh、AC出力500W、USB-Cポート60W、価格74,800円。
→ Anker PowerHouse II 800(スペック表)
性能や価格が近い製品、Jackery708、BLUETTI EB70、EcoFlow RIVER PROの3モデルが比較対象です。
どの製品も安心しておすすめできるもの。
高額な買い物ですので納得して購入したいですよね。
製品ごとにメリットデメリットがありますので、用途にぴったりなものを選ぶ一助になればうれしいです。
Jackery708はもっとも売れている定番製品。機能はバランス型。
BLUETTI EB70はリン酸鉄リチウムイオン電池を使っていて、最も安全性が高いと考えられます。BLUETTIは大容量ポータブル電源を得意としているブランドです。
EcoFlow RIVER PROの特徴は、1200Wまでの家電を制限付きですが使えるということ。また、エクストラバッテリーを接続して容量を倍にすることができる拡張性が強み。
価格 | 容量 | 定格AC出力 | PD出力 | 重量 | |
Anker | 74,800円 | 788Wh | 500W(最大1,000W) | 60W×2 | 8.3kg |
Jackery | 79,800円 | 708Wh | 500W(最大1,000W) | 60W | 6.3kg |
BLUETTI | 78,800円 | 716Wh | 700W(最大1,400W) | 100W×2 | 9.7kg |
EcoFlow | 79,800円 | 720Wh | 600W(最大1200W) | 100W | 9kg |
こうして比べてみると基本的な性能は他社製品と大差ない感じですね。
もっとも人気なのはJackery708でしょう。アマゾンだけで月間1,000台以上は売れています。
ここから少し違いを見ていきます。
Jackery以外はLEDライトがついているので停電時も安心。
災害対策としてLEDライトは準備しているとは思いますが、大容量のバッテリーにライトがついている安心感はかなり大きいです。
出力はACコンセントとPD(Type-C)を見てみます。
AC出力は、どのモデルも定格500Wくらいですね。
EcoFlow RIVER PROを除いて、基本的に500Wまでの家電しか使えません。
「EcoFlow RIVER PRO」だけは定格出力600Wですが、EcoFlowのX-Boostテクノロジーにより、最大1200Wのデバイスに電力を供給できます。
→ 【EcoFlow】RIVERシリーズどれを選べばいいのかな?【他ブランドとの比較・使える家電の紹介】
モデルにもよりますが、電子レンジや電気ケトル、ドライヤーを使うことができます。
→ 車中泊・キャンプでドライヤーを使いたい!1000W以上のポータブル電源(Jackery・EcoFlow)
次にPD(Type-C)。出力の大きさ、ポート数に差があります。
MacBookを使用していて充電のためにPD100Wが必要な方は、「EcoFlow RIVER PRO」または「BLUETTI EB70」が向いていますね。とはいえ、60Wでも十分なスピード。
「Anker PowerHouse Ⅱ 800」と「BLUETTI EB70」はポートが2口あるのがとても便利ですね。
エコフロー公式サイトで、RIVER Pro単体、160Wソーラーパネルセットが25%オフになっています(1/31まで)
Anker既存モデルとの比較
既存モデルは「Anker PowerHouse」、「Anker PowerHouse200」、「Anker PowerHouse II 400」です。
管理人は全モデルを購入し日々使っています。
「Anker PowerHouse」は発売から5年近く経っていてますので比較から除外します。
価格 | 容量 | AC出力 | PD出力 | 重量 | |
200 | 29,800円 | 213Wh | 100W | 30W | 2.7kg |
Ⅱ 400 | 39,800円 | 389Wh | 300W(最大600W) | 60W | 4.6kg |
Ⅱ 800 | 79,800円 | 787Wh | 500W(最大1000W) | 60W×2口 | 8.3kg |
「Anker PowerHouse Ⅱ 800」は、「Anker PowerHouse Ⅱ 400」の容量倍増モデルです。
「Anker PowerHouse Ⅱ 400」が1〜2人用だとすると、「Anker PowerHouse Ⅱ 800」は3〜4人用。
700Whに関しては後発だけあって、2021年現在で必要十分なものをコンパクトに詰め込んだちょうどいいポータブル電源です。
「Anker PowerHouse Ⅱ 400」からの変更点は、入出力の利便性向上(TYPE-Cを2口搭載)、同時接続時の最大出力が向上、容量の倍増(価格も)といった点。
今からアンカーのポータブル電源を購入するならば、「Anker PowerHouse Ⅱ 400」か「Anker PowerHouse Ⅱ 800」でしょう。
容量も欲しいし、例えば「ハック ちょこっと家電 贅沢鍋&グリル」のようなちょっとした家電を車中泊で使いたい、という方は「Anker PowerHouse Ⅱ 800」をおすすめします。
「Anker PowerHouse Ⅱ 800」の容量が787Wh、「ハック ちょこっと家電 贅沢鍋&グリル」の出力が260Wなので、最大電力で3時間弱使えます。
熱を発生させる家電はなんだかんだ容量を食うので、容量の多いポータブル電源を選んでおいた方が無難です。
まとめ:ガジェットを中心とした使い方ならNo.1
「Anker PowerHouse Ⅱ 800」は、Anker社が災害対策も見据えて発売した、必要な機能がコンパクトに詰まったポータブル電源です。
他社メーカーの容量700Wh、価格7万円台のポータブル電源と比較しても遜色ない性能。
既存のアンカー社ポータブル電源と比べても、しっかりと現在主流の技術を取り込み確実にパワーアップ。
「最大2000Wの出力!」「最強のポータブル電源」といった派手な性能ではありませんが、誰が購入しても後悔のないベーシックなポータブル電源だと思います。
3人〜4人くらいでスマホ等のガジェット充電をメインに考えている方にぴったりな製品です。
キャンプや車中泊でも有益ですが、災害時にもっとも力を発揮するのがAnker PowerHouse II 800。
Anker PowerHouse II 800は防災分野において有益な活用が可能で安全性、機能性、利便性に寄与する製品として認証されています。
Anker社は、陸前高田市と「災害時における物資供給に関する協定」を締結しているように災害対策に力を入れています。
自治体が選考するくらいなので、ブランドとしての安心感はAnker社がトップクラスですね。
トータルで見ると、「Anker PowerHouse Ⅱ 800」は派手さはないのですが、肝心な時に役立つ質実剛健なポータブル電源と言えます。
リンクをタップでそれぞれの項目↑に飛びます
以上、Anker PowerHouse II 800をセールで購入!実機レビューとQ&Aという話題でした♪