
2022年4月13日のAnkerの新製品発表会「Anker Power Conference - '22 Spring」にて、電子レンジなどの高出力家電が使える大容量ポータブル電源が発表されました。
「Anker 757 Portable Power Station」という名称で、Anker521・Anker535に連なるリン酸鉄リチウム電池搭載モデルとなります。
パッとみた瞬間に「これは売れるだろうなぁ」と思わざるを得ない完成度でした。
びっくりしたのが「最大5年保証」を謳っていること。ポータブル電源選びで一番の懸案って「安全性と保証」だと思っているので、この点Ankerはダントツですね。
リン酸鉄リチウム製品は製品寿命が長いことがメリット。保証期間が長いということはとてつもないストロングポイントだと思います。
- 最大5年保証
- 容量1,229Wh・出力 電子レンジを動かせる1,500W
- 急速わずか1時間で80%まで充電
- 6000系アルミニウム合金で支柱やプレートなどメインフレームを構築(優れた耐衝撃性能)
- リン酸鉄リチウムイオン電池の中でも高品質なセルを使用
- 無停電電源装置 (UPS) 機能を搭載(20ミリ秒)
- 価格が比較的抑えられている(169,800円)
後ほどJackeryやEcoFlowなどと比較を記述しようと思っています。
他社製品との比較
この項では購入時に迷ってしまいそうな他社製品との比較を行います。
売れ筋かつ信頼度の高いものを選んでますので、どれを購入したとしても失敗は少ないと思います。
用途やライフスタイルによって最適なモデルは異なります。ご自身の使い方にマッチしそうな製品選びの一助になれば。
比較対象は以下の3製品。
- Jackery ポータブル電源 1500
- EcoFlow EFDELTA
- MaxPower MP1300
製品名 | 価格(円) | 出力(W) | 容量(Wh) | 円/1Wh | 重量 | 充電時間 | 充電サイクル |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Anker | 169,800 | 1,500 | 1,229 | 138.2 | 19.9kg | 1.5時間 | 3,000回 |
Jackery | 179,800 | 1,800 | 1,534 | 117.2 | 16kg | 7.5時間 | 800回 |
EcoFlow | 139,500 | 1,600 | 1,260 | 110.1 | 14kg | 1.6時間 | 800回 |
MaxPower | 128,000 | 1,300 | 1,160 | 110.3 | 9.3kg | 4時間 | 質問中 |
「円/1Wh」は容量1Whあたりの価格になります。容量以外の機能もありますので比較対象としては不十分ですが簡単な目安に。
基本スペックの違い
このクラスで最も売れている「Jackery 1500」はおそらく全体的なスペックでは最も不利です。しかし一回り出力・容量が上で価格差を多少正当化できています。Jackery 1000とJackery 1500の間にAnker757がある感じ。
1番の違いは充電時間です。フル充電までJackeryは5倍近く時間がかかります。
また、Ankerは充電ケーブルにACアダプターがありませんがJackeryにはあります。アダプターの発熱が気になる方にはデメリットとなります。
「EcoFlow EFDELTA」はスペック的には同等。価格は少し安いですね。
価格をとるか安全性・高寿命をとるか。極端に安全性が異なるわけではありません。
充電時間も同じくらい。使っているバッテリーの違いでEcoFlowの方が少し軽量です。
「MaxPower MP1300」は、性能はほぼ同じですが価格が30%安い。価格をとるか安全性・高寿命をとるか。
MaxPowerはあまり知られていないですが、日本にサポートオフィスがありカスタマーサービスに定評があります。
バッテリーの違い
Anker 757以外はリチウムイオン電池・三元系リチウム電池の製品です。
リン酸鉄リチウム電池より比較的安価・軽量になります。
その分、充放電サイクルが少ないので、価格だけでお得度は測れません。
簡単にリン酸鉄リチウム電池とリチウムイオン電池の違いをみてみましょう。
世界的には安全性・ライフサイクルの長さではリン酸鉄リチウム、単位あたりの電力容量や電力効率ではリチウムイオンと考えられています。
発熱量が少ないと考えられているのはリチウムイオンです。リン酸鉄リチウムは発熱があっても熱暴走が少ないので安全と言われています。
「Wood Mackenzie」にリチウムイオン電池や鉛蓄電池との比較がありましたので転載いたします。
LFPがリン酸鉄リチウムです。

やたらめったらリチウムイオン電池が爆発・発火(発火事件リスト)しているわけではありませんので、コストと安全性などを総合的に考えて選ぶといいと思います。
リン酸鉄リチウム電池を使ったポータブル電源については「リン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブル電源を紹介します」でまとめています。
停電対策に向いているのはAnker 757 Portable Power Station
キャンプ用途であれば、どれを選んでも満足できると思います。ドライヤーやIH調理器、電気ケトルなど高出力の家電もしっかり使えます。
最近、地震や大雨などによる停電が多いため、災害対策として購入を考える方も増えました。
ここまで比較してきた4製品で最も停電対策に向いているのは「Anker 757 Portable Power Station」です。
LEDライトを搭載、UPS(20ミリ秒)、優れた耐衝撃性能、人間工学に基づいた可搬性。
まとめ:5年保証が最大のセールスポイント
基本スペックはJackery、EcoFlowと比べても遜色がありません。
とにかく5年保証というのがとても大きい。
17万円もするポータブル電源をできるだけ長く使いたいのであれば、これは大きなセールスポイントになるはずです。
本体への充電速度も速いですし、充電ポートも充実しています。
リン酸鉄リチウム電池の安全性の高さ、寿命の長さ(3,000回以上の充電サイクル)もさらにAnker757を魅力的に見せていると思います。
Anker社も何年も安定供給するポータブル電源開発のために1から開発したと言っています。
The Anker 757 PowerHouse represents a new class of portable battery generators far beyond basic wattage metrics. From its high-power output and multiple connections to Anker’s proprietary fast charging technology and long-lasting battery materials, this is a product that’s been designed from the ground up to deliver consistent power for years and years. Steven Yang, CEO of Anker Innovations
https://9to5toys.com/2022/04/12/anker-powerhouse-757-launch/
かなりしっかりと作り込まれた製品なので購入しても失敗が少ないのではないでしょうか。
Anker 757 Portable Power Stationは家族を守るためにポータブル電源を探している方にはお勧めしたい骨太な製品です。