
この記事はAC出力の低いポータブル電源でも車内でお湯が沸かせることを検証しています。
水からお湯に沸かすにはかなりの電力が必要となります。基本的にはガスバーナーなど火力の方が効率が良いです。とはいえ、車内など火を使えない環境で安全にお湯を沸かしたいことがありますよね。
一般的な家庭用電気ケトルですとAC出力1,200W程度必要になります。その出力を扱えるポータブル電源は価格も高額になりますし、重量・サイズが大きくなります。
参考記事:ティファール等の電気ケトルを使えるポータブル電源ってありませんか?1000W以上の出力が必要!
「もっとコンパクトに、気軽に車内で温かい飲食を取れないものか?」
そこで小型ポータブル電源とシガーソケットから電力を取るタイプの車載電気ケトルでお湯を沸かしてみることにしました。
外回りのお仕事をしている方(管理人も外回りの仕事をしています)やトラック運転手さんの日々のお昼ご飯・休憩時間にも便利。また、大雪での立ち往生対策にも有効だと感じました。
外出先で温かい飲食物を取れるオプションの一つとして低コストなのでおすすめしたい方法です。
「ポータブル電源と車載用電気ケトルを使用するメリット」「使用する機器の説明」「実際にポータブル電源でお湯を沸かす」の三項目から構成される記事となります。
ポータブル電源と車載用電気ケトルを使用するメリット
車載用電気ケトルを車内で使用するメリットは以下の通りです。
結論として、ポータブル電源+電気ケトルを車内で使用するのは、外出先で温かい飲み物を楽しむことができる便利で効率的かつ安全な方法です。
使用する機器の説明

今回使用するのは、ポータブル電源「エコフロー リバー 2」、車載電気ケトル「Focustar 車載電気ケトル 350ML 12V」、水、コップ(DINEX)です。
車載電気ケトル「Focustar 車載電気ケトル 350ML」には12V用と24V用があり、一般的な乗用車は12V用を選びます。
電気ケトルの電源はポータブル電源のシガーソケット(DC)から供給します。
当然、車のシガーソケットからも給電できます。電流が8Aなので分岐ソケットで他の機器を繋いでいるときはやめた方が良いと思います。シガーソケット直接なら大丈夫。
350mlまでお湯を沸かすことができて、消費電力は80W。内部は304ステンレス鋼。
一般的な電気ケトルは消費電力1,200Wなので80Wはとても少ない出力で済みます。
その代わりお湯を沸かすために必要な時間が多くなります、何事もトレードオフなので許容できれば、とても便利な製品です。個人的には使い方の工夫でなんとでもなると感じました。




ちょっと惜しいのが電気ケトル側のジャックが最下部にあること。このことで車のドリンクホルダーに置くことができません。走行中も安定するような箱を作るのも手ですね。100均商品で作ってみようと思ってます。
ポータブル電源のシガーソケットはわりと使い道がないのですが、こういったDCで動く家電だと有効活用できます。
シガーソケットで使える家電は、この電気ケトルの他には「直流炊飯器 タケルくん」シリーズや「ポータブル冷蔵庫」などがあります。


実際にポータブル電源でお湯を沸かす 何分かかるかな?
今回は小さいチキンラーメンを食べるので150mlの水をお湯に沸かします。
結果としては150mlの水が15分で沸きました。別の機会に250mlを沸かしてみたら25分かかりました。1mlあたり1分くらい必要のようです。
流石に家庭用電気ケトルと比べるとかなり時間がかかります。
- 車載電気ケトル(80W)・・・15分
- 家庭用電気ケトル(1,200W)・・・1分25秒
- キャンプ用ガスバーナー(SOTO ST-310)・・・1分10秒
しかし、必要電力が10分の1以下なので、スピードと消費電力のトレードオフと考えれば許容範囲ではないでしょうか。
お湯は人間の最も基本的なニーズの一つであり、災害時や旅行中は特に重要です。キャンプやドライブ旅行、あるいは駐車場で車を停めているときなど、手元にお湯があるとないとでは、得られるものに大きな違いが生まれます。
一例としてお湯の重要性がわかる事例を掲載します。大雪の立ち往生での出来事。雪に限らず、大雨での冠水で通行止めや地震など、いつどのタイミングで立ち往生するかは予測ができません。

項目 | 車載電気ケトル | 家庭用電気ケトル |
---|---|---|
150mlのお湯を1時間で沸かせる回数 | 4回 | 42回 |
1時間使い続けた場合の消費電力 | 80Wh | 1,200Wh |
一回あたりの消費電力量 | 20Wh | 28Wh |
ポータブル電源に求められる定格出力 | 100W程度 | 1.300W程度 |
必要出力を満たすポータブル電源の価格帯 | 20,000円から | 100,000円程度から |
外出先で温かい飲食物を取れるオプションの一つとして非常に低コスト!

さいごに

車載用電気ケトルとポータブル電源を使用する利便性。シガーライターソケットでいつでも、どこでも、車の中でもお湯が使えると言ったらどうでしょう?それを可能にするのが、ポータブル電源とシガーソケットから給電できる電気ケトルです。
結論として、ポータブル電源+電気ケトルを車内で使用するのは、外出先で温かい飲み物を楽しむことができる便利で効率的かつ安全な方法です。シガーソケットポートを使用すれば、わずか数分でお湯を手に入れることができ、従来の方法は必要なくなります。ただし、事故なく楽しむためには、必要な安全対策を行うことが大切です。