
キャンプや車中泊、または災害時にティファールなどの電気ケトルでお湯を沸かしたい。
家電が使えるポータブル電源も手に入れやすくなってきました。
この記事ではEcoFlow社の2製品、デルタ 2とRIVER Proを用いて電気ケトルでお湯を沸かしてみました。
結果は500mlの水を沸かすのに、デルタ 2は2分36秒、RIVER Proは5分45秒かかりました。
この時間の差は単純に出力の差によるものです。
とはいえ、価格差も2倍近くあるため出力の低いRIVER Proを選択肢にするのもあり。
想定している使い方に照らし合わせて最適な方を選んでくださいね。
管理人の所有物がRIVER Proのため検証に使っていますが、無印RIVERやRIVER MaxなどRIVERシリーズ全てで同じ結果になります。
追記:2022年10月25日にリン酸鉄リチウムイオン電池搭載のRIVER 2が発売されましたので、現行のRIVER Proは買わない方がいいかもしれません。
RIVER MAX、RIVERHAX-Boost機能が新しい製品より優れているので一考の価値あり。
参考記事:エコフロー リバー 2シリーズ登場!リン酸鉄リチウムイオン電池搭載
- EcoFlow RIVERシリーズでティファールなどの電気ケトルは動かせますか?
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X-Boostテクノロジーで1,200Wまでの電気ケトルは動かせます。1.8倍ほど時間はかかりますが電気ケトルでお湯を沸かすことが可能。
- エコフロー デルタ 2とRIVER Proはお湯を沸かす用途ならばどちらがおすすめ?
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ご家庭と同じように家電を使いたいならデルタ 2。予算を抑えて、ガジェット充電での運用をメインとして、たまに電気ケトルを使いたいならRIVER Pro。
ティファールでの湯沸かしスピード検証動画

まず、デルタ 2とRIVER Proの簡単な説明をします。
エコフロー デルタ 2は2022年8月発売のリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載した安全性が高く寿命の長いポータブル電源です。
元サッカー選手 中田英寿さんが広告宣伝しているため「この製品でポータブル電源というものを知った」なんてことが起きています。著名人をPRに起用するのは効果的なんですね。
性能的には、出力が1,500W・容量が1,024Whとご家庭のコンセントと同じように家電を使うことができます。
重量12kgと軽くはありませんが、女性でも持ち運びができるコンパクトなモデル。
容量が足りない場合はエクストラバッテリーを追加して増量できる拡張性を持ちます。
参考記事:エコフロー DELTA2 実機レビュー 家電使用、パススルー、充電スピードを実証実験
参考記事:リン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブル電源を紹介します
一方、EcoFlow RIVER Proは持ち運びが楽なサイズ、比較的安価ながら、X-Boostテクノロジーで80%の家電が使えることから人気があります。クラウドファンディングで5億円以上集めたため、ガジェットや家電が好きな方にはよく知られた製品です。
性能は定格出力600W、容量720Whとなっています。基本的には600Wまでの家電しか使えないため電気ケトルも動きません。
しかし、X-Boostテクノロジーという「家電側の電圧を600Wまで下げる」ことにより「1,200Wまでの家電を使える」ようにする機能が搭載されています。
この機能を使うと電気ケトルや電子レンジ(相性による)、ドライヤーが少しパワーを弱めながらも動かすことができます。
デルタ 2と同じように、容量が足りない場合はエクストラバッテリーを追加して増量できる拡張性を持ちます。
参考記事:EcoFlow RIVERシリーズどれを選べばいいのかな? | 他ブランドとの比較・使える家電の紹介
以下の動画は、コンセントと同じ1,500W出力のポータブル電源とX-Boostテクノロジー搭載の600W出力のポータブル電源にどのくらい差があるのか?を検証したものになります。
以下は動画の書き起こしです。リンクをクリックするとYouTubeに移動します。
動画の内容
エコフロー デルタ 2とRIVER Proでお湯を沸かしてみましょう!
それぞれ出力が異なるのでどのくらい時間がかかるのか検証します。使用する電気ケトルはお馴染みのティファールです。消費電力は1250W程度と表記されています。
500mlの水を沸かしますね。
まずはRIVER Proから始めます。RIVER Proは出力600W。これでは電気ケトルが使えません。
しかしX-Boostテクノロジーという家電側の電力を下げる機能により最大1200Wまでの家電を使用することができます。
出力を絞ることにより電気ケトルの性能が落ちます。そのため、お湯が沸く時間が伸びることが予想されます。どのくらい伸びるのか?実用的なのかな?といったところを見ていきましょう!1分ほどでファンが回り始めました。気になるほどの音量ではないかな。
ここからは10倍速で。壁のコンセントだと1250W出力している電気ケトルですが、ここではぴったり600Wで動いています。
壁のコンセントだと500mlのお湯を沸かすのに2分40秒でした。
RIVER Proは5分40秒。3分程度余計に時間がかかりました。
しっかり沸いてますね!時間を気にしない場合はRIVER Proでも十分実用的だと思います。
500mlのお湯を沸かすのに使用した電力は45Whくらい、バッテリー容量の8%でした。
こちらは出力が1500Wなので壁のコンセント同様に家電が使えます。
電気ケトルの電源を入れた直後からファンが回り始めました。音量は50デジベル程度。少し気になるかな。
ファン音に関しては別動画で検証しています。概要欄からご覧ください。
2分36秒で500mlのお湯が沸きました。壁のコンセントとほぼ同じ。バッテリー容量の7%、約55Wh使用しました。
次は本体を充電しながら電気ケトルを動かします。デルタ 2のパススルー充電の様子をご紹介します。
200Wで充電します。そこに1200Wの電気ケトルを動作させると1400Wでの充電になりました。エコフローさんに問い合わせたところ、パススルー充電時はバッテリーを介さずにコンセントからの電力を家電に供給するとのこと。
使用した電気ケトル

今回使用した電気ケトルは「ティファール パフォーマ ブラック 電気ケトル1.5L KO1548JP」です。
消費電力は1,250Wとなっています。
エコフロー デルタ 2のパススルー充電について

動画内でも行っていますが、デルタ 2はAC充電しながら、AC出力の状態で電化製品に給電することが可能です(パススルー)。
EPS(非常用電源)機能を備えているので当然ですね。
パススルーの仕組みをエコフローさんに聞いてみました。
- パススルー状態では、家電への電力は全てAC電源側(壁コンセント)から供給される
- 前提条件として壁コンセントからデルタ 2への入力電力よりデルタ 2から接続機器への出力電力が小さくなくてはなりません
- 長期的パススルー状態で利用すると、多少バッテリーのサイクル劣化や寿命短命化に繋がります
- アプリで充電レベルを20%〜80%にしてパススルーすると最も電池性能を発揮する
パススルー時にバッテリーを介さず家電に供給してくれるので、バッテリー寿命の損耗が起きにくく安心ですね。
まとめ
DELTA2とRIVER Proで500mlのお湯を沸かし時間を測ってみました。
また、パススルー充電の様子も記録しました。
DELTA2は1,500W出力とパワーがあるため、コンセントと同じようにしっかりと沸騰。
RIVER Proは定格出力600WながらX-Boost機能で1,250Wの電気ケトルを使えました。
沸騰までの時間はその分増加しましたが、このサイズ、価格帯の製品で電気ケトルのような高出力家電が使えることが素晴らしいです。
RIVERシリーズで最も安価な無印の「RIVER(39,600円)」でも同じように電気ケトルを使うことができます。
結論としては、予算をあまりかけず、たまに家電を使いたい方はRIVER Pro、電気ケトルだけでなく電子レンジやエアコンも使いたい方はデルタ 2がおすすめです。
バッテリーがリン酸鉄リチウムイオン電池のため寿命も長く使い道が多いので長い目で見るとデルタ 2の方がお得だと思います。