EcoFlow DELTA1000は廃番製品となりました

この記事の内容は既に古く、紹介されているEcoFlow DELTA 1000は現在、廃番となっています。

その代わりに、現行のモデルである「エコフロー デルタ 2」についての詳細なレビューを新たに作成しました。最新の情報と実際の性能について知りたい方は、ぜひこちらのリンクからご覧ください。

エコフロー デルタ 2 レビュー ソーラーパネル、次世代パススルー、充電スピードを検証

EcoFlow社の 「DELTA 1000」をご紹介します。

名称の通り、2020年に一般発売された「EFDELTA」の別バージョンといえそうです。

2021年7月にはクラウドファンディングでDELTA Proが、8月にはDELTA miniが一般発売され、家電がしっかり使えるDELTAシリーズのラインナップもほぼ完成。この中から選べば間違いなし!と言える製品構成になっています。

DELTA miniとスペックが似ていて「EcoFlow製品で需要を食い合ってしまうのではないか?」というのが最初に思いついたことです。

しかし、ポータブル電源全体で俯瞰すると、DELTA1000は戦略的に発売された自信作だと思います。

Jackery ポータブル電源 1000との比較」の項で説明しています。

どれにしようか迷ってしまう購入希望の方にわかりやすく、用途に適した製品をご紹介していきますね。

エコフロー デルタ1000の特徴

EcoFlow DELTA 1000の特徴

まずはDELTA 1000の特徴から見ていきます。

家族(4人くらい)でのキャンプや災害時の停電対策に向いている製品といえます。

家庭にある家電のほとんどを扱える1,600Wの出力。

ACコンセントも6口、USBもさまざまな出力形態のものが6口とあるので家族みんなで仲良く使うことができますね。

  1. 容量1,008Wh・定格出力1,600Wと家電もしっかり長時間使える
  2. ACポート・USBポートが6口ずつあり、大人数で活用できる
  3. X-Stream急速充電で最速1.6時間でフル充電(最大1,000W)

容量1,008Wh・定格出力1,600Wと家電もしっかり長時間使える

出力が1,600Wあるとほぼ全ての家電を使うことができます。

とはいえ「一体どんな家電が使えるの?」をお思いでしょうから一例を記載します。

同じ家電でも出力の大きさには幅がありますので一般的な製品を思い浮かべていただきたいです。

  • 電気ケトル 1,350W
  • 食洗機 1,200W
  • ホットプレ-ト 1,200W
  • ドライヤ- 1,200W
  • 電子レンジ 1,200W
  • デスクトップ型パソコン 800W
  • 布団乾燥機 540W
  • 衣類乾燥除湿機 460W
  • 55型4K有機ELテレビ 393W
  • 洗濯機(9㎏洗い用) 350W
  • 7.1ch サラウンドアンプ 235W
  • 小型冷蔵庫 120W
  • ハンドミキサ- 72W
  • 24型液晶テレビ 43W
  • 加湿空気清浄機 28W
  • 扇風機 20W

上記の家電は全て使用可能。

容量1,008Whを使用したい家電の出力(W)で割ると、使用可能時間が導き出せます。

しかし、容量の100%を効率的に使えるわけではないので少し短めの時間で見てくださいね。

DELTA1000はACコンセントポートが6口ありますので、合計で1,600Wまで家電を使うことができます。

DELTA 1000で使える家電(実演レビュー)」の項でドライヤーや電気ケトル、電子レンジといった高出力家電を実証実験していきます。

ACポート・USBポートが6口ずつあり、大人数で活用できる

EcoFlow DELTA1000のPDについて

ACコンセント6口、Type-A(12W)2口、QC3.0(28W)2口、Type-C(60W)2口、プラスしてシガーソケットポートが1口の13ポートで同時充電ができます。

1人では使いきれないと思いますが、家族や友人と使う際にはこれくらいは必要ですよね。

同じ価格帯の製品だと「Jackery1000」が8ポート、「Smart Tap PowerArQ Pro」が8ポート、「MaxPower MP1300」が9ポートとなっています。

こうしてみるとDELTA 1000は出力の利便性に力を入れていることがわかります。

X-Stream急速充電で最速1.6時間でフル充電(最大1,000W)

ポータブル電源は空っぽだとただの箱です。

使いたい時にしっかりと電力が入っていることが大事。

そういった観点から考えると充電スピードは購入選択の際にとても重要な要素となります。

いざ使おうとして「フル充電まで7時間」の製品では使い物になりません。

予定が立っている場合は先回りして準備すればいいのですが、地震など予測できないことに対処できない。

充電スピードは頻繁に使う方には重要視していただきたい項目です。

DELTA 1000は「X-Streamテクノロジー(特許申請中)」により、0-80%の充電が1時間以内に完了します。1.6時間でフル充電!

入力電力が最大1000Wなので、ご家庭によっては少し注意が必要。

同じ価格帯の製品だとフル充電まで「Jackery1000」が7.5時間、「Smart Tap PowerArQ Pro」が7.5時間、「MaxPower MP1300」が4時間。

これだけ充電スピードが早いと音がうるさくなりそうなものですが、比較的静音です。

下の画像は充電時にファンから60cm離して計測した騒音レベルになります。

「40dB:図書館」と「50dB:割と静かな事務所」の中間くらいかな。
参照:dB(デシベル)って何?(島村楽器ホームページ)

EcoFlow DELTA1000の充電時の騒音
充電時のファン音は平均45.4dB

外観と同梱物・説明書

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
写真を使いまして、外観と機能説明を行います。

サイズは奥行き400×幅210x高さ270mm、約14kgとなっています。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
正面から見て左側面はファンが2つあります。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
背面はACコンセント6つとシガーソケット。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
正面から見て右側面は上部にファンが2つ、その下に入力ポートがあります。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
左側がソーラーパネルからの入電ポート(XT60)、真ん中がコンセントからの充電用ポート。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
上部は平になっています。製造過程での環境負荷を抑える塗装をしているそうです。

そのため、その個体独自の模様(パターン)ができています。

「塗装が変だぞ」みたいなクレームがあったのでしょう。木目のようで面白いなぁ、と思っていただけると嬉しいですね。

DELTA1000実機レビュー
天板は2種類の素材で成り立っています。

赤線(横20cm×たて15cm)の部分はプラスチックのような硬い素材。ものを置くことが可能です。

その外枠には2.5cm幅のゴム素材がバスタブのようについています。

ちょっとした軽食を取ったり、メモを取るときに便利なスペースになります。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
液晶ディスプレイ。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
ディスプレイ下部に、Type-A(12W)2口、QC3.0(28W)2口、Type-C(60W)2口のUSBポートが集まっています。

横幅がしっかりとられているのでUSB端子が干渉せずに使いやすいです。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
Apple製品を開封するときのようなウキウキ感のある外箱。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー

同梱物。一つずつ説明していきます。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
XT60変換ソーラー充電ケーブル(MC4からXT60へ入力 )

DELTA1000とソーラーパネルを接続するケーブルです。

MC4部分をソーラーパネルに、XT60部分(黄色い方)をDELTA1000に繋ぎ、ソーラーパネル充電ができます。

MC4を採用するソーラーパネルは多いので汎用性が高い。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
こちらがMC4ポート。ソーラーパネルから出ている同じMC4と接続します。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
DELTA 1000専用車載シガーソケット 充電ケーブル(入力1.5m)

シガーソケット部分を車に、XT60部分をDELTA1000に繋ぎ、走行充電することができます。

EcoFlow DELTA1000実機レビュー
DELTA 1000専用ACケーブル (入力1.5m)

見ていただくとわかるのですがAC充電ケーブルに箱のような部分がありません。

みなさんが懸念する「充電アダプターが熱を持って怖い」という問題が起こらない仕様になっています。

そのかわり、本体内でACをDCに変換して充電するので、本体内部は熱を持ちます。そのため充電中はファンが回ります。

ACアダプターが熱を持つこととファンが回り音がすることのトレードオフということですね。

EcoFlow DELTA1000説明書
DELTA1000説明書

EcoFlow DELTA1000説明書
説明書はわかりやすい日本語になっています。

機械がまるでだめな50歳代の母もこの説明書だけで使いこなせましたので、大体の方には必要十分な説明になっていると思います。

EcoFlow DELTA1000専用ケース
DELTA1000には専用の収納袋が同梱されています。

独特な形状をしているのでぴったりサイズは嬉しいですね。

EcoFlow DELTA1000専用ケース

EcoFlow DELTA1000専用ケース
素材的に完全防水機能はなさそうです。

防塵、簡易防水くらいかな。ほこりが入らないだけでも電気製品にはかなり効果的だと思います。

デルタ1000で使える家電の実機レビュー

EcoFlow DELTA1000は、「ほとんどの家電製品が使える」ことを標榜しています。

そこで、キャンプや車中泊、災害時に使えるとうれしい家電を実際に動かしてみます。

電気ケトル・電子レンジ・ドライヤーといった高出力家電、炊飯器・車載冷凍冷蔵庫などの車中泊グッズで実証実験です。

電気ケトル(ティファール)

DELTA1000で電気ケトル(ティファール)を使う

「車中泊で熱々のコーヒーを淹れたい、停電時に温かいラーメンが食べたい」

そんなシチュエーションで電気ケトルが使えるポータブル電源は本領を発揮します。

検証のため、「DELTA1000」で電気ケトルを動かしてお湯を沸かしてみました。

使用した電気ケトルは、ティファール 電気ケトル 「ティファール パフォーマ 電気ケトル1.5L KO1548JP」です。4,000円以下で購入できる一般的な電気ケトル。消費電力は1250Wです。

なかなかこの出力をまかなえるポータブル電源はありません。「DELTA1000」は家庭用コンセントと同じように電気ケトルを使えます!

以下の動画が実際にDELTA1000で電気ケトル(ティファール)を使った様子です。

「EcoFlow DELTA1000で電気ケトルを使う」をYoutubeで見る

DELTA1000で電気ケトル(ティファール)を使う
電気ケトルを使い始めたのはバッテリー残量85%から
DELTA1000で電気ケトル(ティファール)を使う
500mlのお湯を沸かした時点でバッテリー残量は82%でした

500mlのお湯を沸かすのにバッテリーの3%を使ったことになるので消費電力は約30Wh。

なかなか使い続ける場面はありませんが、時間でいうと1250Wの電気ケトルが約45分間使用可能。

「DELTA1000」で500mlの水が30回くらい沸かすことができます!

Jackery ポータブル電源 1000とエコフロー デルタ1000の比較

このレビューのメインコンテンツとなります「Jackery ポータブル電源 1000」との比較。

「Jackery ポータブル電源 1000」はミドルクラスで最も知名度があり、売れている製品です。

ポータブル電源を選ぶ際のクラス分けには大まかに、200Wh・500Wh・700Wh・1,000Wh・1,500Wh・2,000Whがあります。

売れ筋は700Whと1,000Wh。どちらも現在はJackeryが最も売れていると思います。

今回ご紹介している「EcoFlow DELTA1000」は「Jackery ポータブル電源 1000」にガッチリぶつけてきた製品なのではないかと考えています。

EcoFlow社に聞いてないのであくまで推測ですが。

そう考えると性能の近い「EcoFlow DELTA mini」とも需要を食い合いませんし、既存の「EcoFlow EFDELTA」とも棲み分けができます。

序章で「ポータブル電源全体で俯瞰すると、戦略的に発売された自信作だと思います」と書いたのはそういった意味からでした。

では、早速「Jackery ポータブル電源 1000」と比較をしていきましょう!

まずは性能比較表からご覧ください。

 JackeryEcoFlow
価格139,800円129,800円
容量1,002Wh1,008Wh
出力1,000W1,600W
重量10.6kg約14kg
AC数3口6口
USBType-A 1口(5V/2.4A)
QC3.0(18W)
Type-C 2口(18W)
Type-A 2口(12W)
QC3.0(28W)
Type-C 2口(60W)
充電時間7.5時間1.6時間

スペック上はEcoFlow DELTA 1000がほぼ全ての項目で上回っています。

重量がJackery1000は10.6kg、DELTA1000は約14kg。

DELTA1000の方がだいぶ重くなっています。この点はデメリットですね。

製品保証は以下の通り。

  • EcoFlow公式サイト・・・購入日より30日間の交換保証+24ヶ月の保証
  • Jackery公式サイト・・・24ヶ月の保証

性能差が大きなところをチェックしていきます。

ACポートからの出力量

まず、ACポートからの出力量です。

Jackery1000は1,000W、DELTA1000は1,600W。

使用できる家電が異なってくる大きな600Wの差です。

1,000Wだとドライヤーや電子レンジ、電気ケトルといった高出力家電を安定的に運用することは難しい。

DELTA1000のように1,600Wあれば、壁のコンセントと同じように高出力家電を使えます。

ACポートの数もJackery1000が3つ、DELTA1000が6つとなっています。

後から増設できないので、「災害時や野外でどんな家電をいくつ使いたいのか?」という観点から必要なAC口数を考えてみてくださいね!

例えば管理人の場合だと、電気毛布か扇風機で1口、PCで1口、車載用冷蔵庫で1口、電気ケトルかドライヤーで1口なので4口以上ある製品を選んでいます。

DCポート(USB)からの出力量

タイプJackeryEcoFlow
Type-A1口(12W)2口(12W)
QC3.01口(18W)2口(28W)
Type-C2口(18W)2口(60W)

質量ともにDELTA1000の方が優れています。

特にType-Cポートの性能差はガジェットを多用する現在では無視できない点だと思います。

充電対象がスマホの場合は充電時間に差がありません。

なぜなら、ほとんどのスマホの充電規格は18W以下なので、ポータブル電源側が18Wでも60Wでも充電速度は同じ。

モバイルバッテリーにPD18Wの製品が多いのもスマホの充電を主としてるためです。

差が出るのはノートPCに充電するときです。

iPad Pro 30W、MacBook Air 30W、MacBook Pro 13 61W、Surface Pro 45Wなど。

JackeryのType-C18Wは明らかに力不足。

DELTA1000の60WもPD100W搭載製品が増えた現在ではハイパワーというわけではありません。

最速充電時間の差

X-Stream急速充電で最速2時間でフル充電(最大1,000W)」の項でも記述しましたが、本体への充電スピードはとても大事な性能です。

電力が入っていなければ、ポータブル電源はただの箱。

使いたい時にしっかりと電力が入っていることが大事。

突発的に使いたくなった時、ささっと充電をして使える状態にできる製品が優れています。

フル充電まで、Jackery1000が7.5時間、DELTA1000が1.6時間となっています。

また、Jackery1000は充電ケーブルにACアダプターがあるため熱くなります。

DELTA1000は本体でACをDCに変換するためケーブルが熱を持つことはありません。

わりと充電中にケーブルが熱くなることを懸念する方が多いので記載しました。

災害時の備蓄にポータブル電源を選ぶならば、どちらの製品でも良いと思います。

しかし、日常から機動的に使うのであればDELTA1000を選んだ方がストレスが少ないでしょう。

まとめ

EcoFlow DELTA1000は1,000Whクラスのポータブル電源では最も使いやすい!

開発元のEcoFlow Technologyは、ドローンのトップメーカーDJI出身の技術者によるポータブル電源のスタートアップ。

ポータブル電源に限らず、クリーンエネルギーのリーディングカンパニーといえるでしょう。

EcoFlow社の開発の想いは「大容量のポータブル電源を開発して人の生活を支えたい」というのが根本にあります。

実際、コロナウイルスによる切迫する医療の現場に1004台、総額22,400,000円のポータブル電源を寄付してくれました。

マーケティング、販売、アフターセールスの支店が日本にもあり、日本人スタッフによるアフターサービス体制も万全。

メーカー保証期間は2年間。

詳しい方はもちろん、初めてポータブル電源を購入する方にも安心してご紹介できるメーカーです!

ポータブル電源の容量はどんどん増えていき、どれを選んだらいいのかわからなくなっていませんか?

管理人は700Whから1,000Whクラスをおすすめしています。

さらにドライヤーや電子レンジなどの高出力家電が使えるものを選ぶとより汎用性は高まります。

停電時やアウトドアなどで電気ケトルやドライヤー、電子レンジが使える可能性を持つというのは思っている以上に心強いものです。

お手頃な価格で、大きな安心を与えてくれる「DELTA1000」は最初の一台にもおすすめできるコストパフォーマンスの高いプロダクト。

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