
ポータブル電源というカテゴリーが大きくなってきて、大手日本企業も少しずつ参入してきました。
今回ご紹介するのはアイリスオーヤマですが、JVCケンウッドや山善といった馴染みの深いメーカーも市場参入を果たしています。
よくわからない中華ブランドが多い中で、知っているブランドが販売している製品は気になりますね。
ポータブル電源を選ぶ際に製品自体の安全性も重要が重要なのはもちろんなのですが、販売メーカーの対応・信頼度もとても大事な要素です。
「ポータブル電源の火災事件・爆発・危険事象のニュースをまとめています」という記事でポータブル電源の事故をまとめています。発火・爆発している製品の取り扱いメーカーの一部が消滅していて行政処分なしになっています。いわば売り逃げですね。
「アイリスプラザ Heart Electrical Service ポータブル電源 HPPS1200-R」は、アイリスオーヤマ公式通販サイトや各モール公式ショップ(アマゾン・楽天・PayPay)で販売されています。メーカー保証期間は2年です。
製品スペックとして特に秀でているのは、リン酸鉄リチウム電池を使っていることです。特徴を以下にまとめます。
- 安全性が高く高寿命のリン酸鉄リチウム電池を搭載
- 容量1,228Wh・出力1,000W(100V)とある程度の家電が使えるパワーあり
- Type-C PD65Wが入出力可能
- 両サイドにあるLEDライトが災害時に有用
- アイリスオーヤマが取り扱っている安心感
この製品はアイリスオーヤマが開発しているわけではなく「EXHEART ポータブルパワーステーション ESPL-1200G(ハート電機サービス株式会社)」のカラーバリエーションだけ変えたものです。
メーカー保証(2年)もハート電機サービス株式会社が行います。
アイリスオーヤマのオリジナル製品ではないとはいえ、信頼できるメーカーから購入できるのは安心!
アイリスプラザ ポータブル電源 HPPS1200-Rのスペック
型番 | HPPS1200-R |
メーカー | アイリスプラザ |
価格 | 145,370円 |
容量 | 1,228Wh |
出力 | 1,000W(サージ1,200W) |
サイズ | 横350×高さ252×奥行き185mm 約11.8kg |
電池種別 | リン酸鉄リチウム電池 |
費用対容量(1Whあたり単価) | 118.4円 |
出力(AC出力・DC出力・USB) | AC:2口 DC/シガーソケット:3口 USB:2口 Type-C:3口 |




競合製品との比較
価格や性能が近く評価の高い製品と比較して「アイリスプラザ ポータブル電源 HPPS1200-R」のポジションを見てみたいと思います。
比較対象は以下の3モデル。
- JVCケンウッド ポータブル電源 BN-RB10-C
- EcoFlow ポータブル電源 DELTA1000
- Anker 757 Portable Power Station
アイテム | 価格 | 容量 | 出力 | 電池 | 重量 |
---|---|---|---|---|---|
アイリス | 145,370円 | 1,228Wh | 1,000W(100V) | リン酸鉄 | 11.8kg |
JVC | 148,500円 | 1,002Wh | 1,000W(100V) | 三元系 | 10.9kg |
EcoFlow | 129,800円 | 1,008Wh | 1,600W(100V) | 三元系 | 14.0kg |
Anker | 169,900円 | 1,229Wh | 1,500W(110V) | リン酸鉄 | 19.9kg |
パッと見てもアイリスのポータブル電源は競争力のあるバランスのいい製品なのがわかりますね。
リン酸鉄リチウム電池を使った比較対象には「Anker 757 Portable Power Station」を選びました。Ankerはバッテリー業界では大手で信頼もトップクラスのメーカーです。
メジャーブランドJVCケンウッドも容量・出力が近い製品がありましたので選びました。この製品は、「Jackery ポータブル電源 1000」「SmartTap PowerArq Pro」と同等製品と考えられています。元は「Jackery ポータブル電源 1000」で他社がOEMという位置付け。
EcoFlowはポータブル電源をはじめとするエコシステムを開発している会社です。この価格帯では売れ筋商品なので選出。
リン酸鉄リチウム電池がいいならば Ankerと比較

まず、リン酸鉄リチウムを使ったポータブル電源を選びたい場合はアイリスプラザかAnkerになります。
この2製品は容量はほぼ同じ。出力はAnkerが1,500Wなのでほぼ全ての家電が使えます。アイリスプラザは1,000W(サージ1,200W)なので家電を選びますね。
Ankerは、6000系アルミニウム合金でメインフレームを構築し優れた耐衝撃性能を持ちます。UPS(無停電電源装置)を備えており、本格的な用途に向いた製品です。
その分、価格も15%ほど高く、重量も40%ほど重くなっています。ACコンセントが110Vなのも大きなデメリット。
ひとまず災害時の備えならばアイリスプラザで必要十分な性能だと思います。
リン酸鉄リチウム電池を使ったポータブル電源は多数のメーカーから販売されています。気になる方は以下のリンクからどうぞ!
参考記事:リン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブル電源を紹介します
よく知っている日本メーカーから選びたいならば JVCケンウッドと比較

家電量販店で取り扱われている有名なメーカーから選びたいという方もいらっしゃると思います(注:一応、AnkerもEcoFlowも家電量販店で販売されています)。
やっぱり知っているブランドの方が安心ですよね。
JVCケンウッドのポータブル電源はケーズデンキなど家電量販店でも現物を見ることができます。
品質はポータブル電源最大手のJackeryとの共同開発なので文句ない出来。一番のメリットは24ヶ月保証に加え、国内メーカー『JVC』ならではの手厚いアフターサポート。国内のサポートセンターを窓口に対応してくれます。
この辺りのカスタマーサービスは大手日本企業の強みだと思います。ポータブル電源業界だと日本人が日本語で対応してくれるところ自体が少ないです。
アイリスプラザとの大きな差は搭載している電池種別。
アイリスプラザはリン酸鉄リチウム電池、JVCは三元系。
以下の表は電池種別による特性の違いです。NMCが三元系、LFPがリン酸鉄。

安全性や充放電サイクルに優先度を置くならばリン酸鉄を使っているアイリスプラザの方が良いです。
信頼やカスタマーサービスが大きなメリットに感じるならばJVCケンウッド。
コストパフォーマンスで選ぶなら EcoFlowと比較

ポータブル電源業界の中では知名度・販売力ともにトップクラスのEcoFlow(エコフロー)。
最近ではポータブルクーラーやホームキットを発表し、エコシステム構築へ邁進中。
EcoFlow製品はヨドバシカメラやビックカメラ、コストコなどでも取り扱っています。
EcoFlowの中で価格帯が近いのがDELTA1000です。
アイリスより10%ほど安く、容量も10%ほど少ない。
その代わり出力は1,600Wとほぼ全ての家電が普通に使えます。
アイリスプラザとの大きな差は搭載している電池種別。
アイリスプラザはリン酸鉄リチウム電池、EcoFlowは三元系。
コストをできるだけ抑えて家電を使いたい方はEcoFlow。
安全性のためにリン酸鉄リチウムが良い方はアイリスプラザ。
参考記事:EcoFlow DELTA1000 実機レビュー 1,000Whクラスの大本命!
まとめ:災害用に備えるならちょうどいい製品
アイリスオーヤマ株式会社は、宮城県仙台市青葉区に本社があります。
東日本大震災の経験から防災への取り組みが充実しています。
ポータブル電源は非常用電源として重要な位置付けをしているようです。
これからポータブル電源の品揃えが増えていくかもしれませんね。
アイリスオーヤマらしく価格的に割高感はありません。
性能も選べばたいていの家電が使える出力と容量。
安全性の高さはリン酸鉄リチウム電池なので市場に出ている中ではベストに近い。
充放電サイクルは一般的な三元系リチウムイオン電池に比べ、2倍以上寿命が長くなります。
他社ライバル製品と比べても特に劣るところはなく、機能に派手さはありませんが使い勝手の良いものになっていますね。
日本製のポータブル電源はほとんどないので、「せめて日本メーカーの安全性が高い製品が欲しい!」という方には良い選択になります。