
注目のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載のポータブル電源。その高い安全性と長い寿命から、多くの人々がその利点を活用し始めています。
しかし、ポータブル電源は基本的に危険物という性質上、より安全で信頼性の高いものを選ぶことが求められます。
数ある製品の中から、安全で信頼性の高いものを見つけるのは一筋縄ではいかないもの。
家電量販店では選択肢が限られてしまうことが多く、一方、アマゾンや楽天では多種多様な製品が並んでいます。そして、その全てが一概に良いわけではないのが現状です。
パワーバンクスでは、これまでに50台以上のポータブル電源を実際に検証してきた結果をもとに、2023年最新のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源のランキングをお届けします。
選んだ製品は、企業の信頼性、製品の特徴とデメリット、製品の作り込み度、メーカーのカスタマーサポート、そして日本でのメーカー定着度などを考慮して選ばれました。
データだけでなく、私自身の経験に基づいた情報をもとに選んだ製品ばかりです。
このランキングが、あなたが最適なポータブル電源を見つける一助となることを願っています。
適当に作られたランキングに辟易しているあなたにとって、私が提供する情報が新鮮な風となり、選択の助けとなることを願っています。
ぜひ、記事を最後までお読みいただき、自身に最適なポータブル電源を見つけてください!
安全性の高いポータブル電源選びに重要!メーカーの企業存続可能性

企業の存続可能性は、ポータブル電源の選び方において非常に重要です。
なぜなら、安定した経営基盤を持つメーカーは、製品の品質にも力を入れており、信頼性が高いためです。
また、企業が長期的に安定して存在することで、購入後のアフターサービスや継続的なサポートが受けられることが期待できます。
日本市場だけでなく、世界的な立ち位置を確認することも重要です。
なぜなら、残念ながら日本市場はとても小さいため、重要度が低くなってしまうため。
購入後に問題が発生した場合や、製品のアップデートが必要になった際に、メーカーが対応できる体制を持っていることは、安心して製品を使用し続けるためには欠かせません。
そのため、企業の財務状況やブランド評価、市場での実績を調べることで、メーカーの存続可能性を判断することが重要です。
結論として、企業の存続可能性を考慮することで、品質の高いポータブル電源を選び、長期的に安心して使用できる製品を手に入れることができます。
この点を念頭において、製品選びを行うことが望ましいでしょう。
おすすめブランド エコフロー・アンカー・ブルーティ
日本では、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源としては、エコフローやアンカーが最も売れていると思われます。しかし、ヨーロッパ・北米では、BLUETTIがトップランナーです。
BLUETTIは先進的かつ高性能であり、安全性も高く評価されています。
世界的に見て、日本市場は非常に小さいため、日本だけでの評判だけでなく、北米・ヨーロッパでの実績も加味する必要があります。財務基盤の弱い企業は小さい市場から撤退していきます。
つまり、世界的に見てメジャーなメーカーである企業が存続可能性が高いと言えます。
2023年現在、日本最大手のJackeryからはリン酸鉄リチウム電池を使ったポータブル電源は発売されていません。今後も出す予定はないようです。
メーカーに対して、特にこだわりがなければ以下の3社から選ぶことをおすすめします。
EcoFlow
Anker
BLUETTI
この3社は世界的に見て、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使用したポータブル電源の分野で高い評価を受けており、競争力のある製品を提供しています。
また、日本市場の開拓にも積極的で日本支社を設立し、カスタマーサービスにも力を入れています。
この3社を追いかけるのがALLPOWERS、Zendure、Pecron、Growattと言われています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源の選び方と注意点
用途にぴったりのポータブル電源を選ぶ際には、まず出力が重要です。
出力が小さいと使用できる家電が制限されるため、特に出力の大きな家電を考慮する必要があります。
例えば、エアコンは900W、電気ケトルは1,200W、電子レンジは1,200W以上必要です。
家電の使用を考慮しない場合は、小型ポータブル電源でも十分です。
出力を選んだら、使用継続時間を考えて容量を選びましょう。
小型ポータブル電源は、エアコン・電子レンジ・電気ケトルなどの大出力家電を使用しない予定の方に向いています。
中型ポータブル電源は、出力の大きな家電(エアコン・電子レンジ・電気ケトル)の中でも特にエアコンを使用したい方に適しております。
大型ポータブル電源は、長時間あらゆる家電を使用したい方に向いています。
このように見ると、中型ポータブル電源(1,000W〜1,500W以下)は、やや中途半端なカテゴリーです。
そのため、目的を明確にして、小型または大型の電源を選ぶ方が良いでしょう。
その上で、家電の使用継続時間から必要な容量を考えましょう。
例えば、家庭用エアコンの最大出力が900W、平均出力が400Wの場合、一晩(8時間)使用する場合を考えてみましょう。
前提条件として、出力1,000W以上のポータブル電源が必要です。
エネルギーロス率が20%の場合、「400W×8時間×1.2」の式で計算すると、3,840Whの容量が必要になります。
つまり、1,000W以上の出力を持ち、容量が3,840Wh程度のポータブル電源を使用すれば、8時間以上エアコンを安心して使用できます。

また、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載していることは最低限の条件として、以下の項目において優秀な製品だけを紹介しています。
おすすめポータブル電源の紹介
製品 | 評価 | 容量 | 出力 | 重量 | 価格 |
エコフロー リバー2 | 256Wh | 300W | 3.5kg | 29,900円 | |
ALLPOWERS R600 | 299Wh | 600W | 5.8kg | 31,800円 | |
BLUETTI EB3A | 268Wh | 600W | 4.6kg | 39,800円 | |
エコフロー デルタ 2 | 1,024Wh | 1,500W | 12kg | 143,000円 | |
BougeRV Fort 1000 | 1,120Wh | 1,200W | 15kg | 135,000円 | |
ASAGAO AS2000-JP | 1,920Wh | 2,000W | 20.5kg | 249,800円 | |
ALLPOWERS R3500 | 3,168Wh | 3,200W | 40kg | 247,800円 |
エコフロー リバー 2

容量 | 出力 | 重量 | サイズ | 価格 |
---|---|---|---|---|
256Wh | 300W(450W) | 3.5kg | 24.5 x 21.5 x 14.5cm | 29,900円 |
リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したRIVER 2シリーズで最も安価な製品です。
セールを利用すれば2.5万円程度で素晴らしい性能のポータブル電源を得ることができます。
持ち手の部分が後ろに飛び出ているため、少し収納時は邪魔です。
しかし、持ち運びの際はこれほど便利な持ち手もありません。
結果、普段から持ち運んで有効活用できています。
充電時間が早く、充放電レベルもスピードもアプリで設定できるためバッテリーを労った使い方ができるのもメリット。
RIVER 2シリーズには、RIVER 2MaxとRIVER 2Proがありますが、この無印のRIVER 2が最もおすすめ。
価格も抑えられていて、とにかく頑丈。普段から使い倒すのにちょうどいいです。
ALLPOWERS R600

容量 | 出力 | 重量 | サイズ | 価格 |
---|---|---|---|---|
299Wh | 600W | 5.8kg | 28.5 x 19.5 x 19.0cm | 31,800円 |
ALLPOWERS R600は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー、600W出力、1時間の高速充電、最大60Vまでの300Wソーラー入力、そしてアプリ制御を含む素晴らしい機能を誇っています。
そのモダンなデザインには、ハイコントラストで鮮明なディスプレイが備わっており、軽量で持ち運びに便利です。
小型ポータブル電源で最高クラスの性能。
特筆すべきは、瞬断スピード10msという高性能なUPS(無停電電源装置)機能です。
このスピードを持つポータブル電源は、現状ほとんど存在しません。
ライバルは、エコフロー リバー2、BLUETTI EB3Aとなるでしょう。
それぞれ良い製品ですが、基本スペックはALLPOWERS R600が上回っています。

BLUETTI EB3A

容量 | 出力 | 重量 | サイズ | 価格 |
---|---|---|---|---|
268Wh | 600W | 4.6kg | 25.5 x 18.0 x 18.3cm | 39,800円 |
管理人も購入し、デスクの上で使っています。
iPadの充電やIHクッキングヒーターでお茶を淹れたり。
200Wのソーラーパネルだと1.5時間ほどでフル充電になります。
そのため、コンセントからの充電を行わずに再生エネルギーのみで使い続けています。
定価3万円台でリン酸鉄リチウムイオン電池搭載、出力600W、PD100W、アプリでも操作可能と抜群の能力です。
エントリークラス市場がガラッと変わってしまうほどのインパクト。
「何を買えばいいかわからないなぁ」という方にもおすすめできる、質実剛健かつ先進性もある製品♪
2023年に「BLUETTI B80」という追加バッテリーが発売されるため、このクラスでは破格の拡張性を持つことになりました。
エコフロー デルタ 2

容量 | 出力 | 重量 | サイズ | 価格 |
---|---|---|---|---|
1,024Wh | 1,500W | 12kg | 40 x 21.1 x 28.1cm | 143,000円 |
EcoFlow社待望のリン酸鉄リチウムイオン電池搭載普及モデルです。
出力は1,500Wあるので電子レンジ等ほぼ全ての家電を動かせます。容量が心許ない感じもしますが問題なし。
デルタ 2専用エクストラバッテリー・DELTA Max専用エクストラバッテリーを増設することで最大3,040Whまで拡張可能。
3,000回の充放電サイクル+高寿命、バッテリーの拡張性と長年使っても時代遅れになりにくい製品です。
メーカー保証も5年間ありますので安心して購入できるおすすめポータブル電源!
BougeRV Fort 1000

容量 | 出力 | 重量 | サイズ | 価格 |
---|---|---|---|---|
1,120Wh | 1,200W | 15kg | 32 x 22.9 x 28cm | 135,000円 |
BougeRV Fort 1000は、非常にコストパフォーマンスが高く、頑丈な構造と使いやすさが魅力的なポータブル電源です。
高さがないため、狭い場所や車内での使用に向いています。
電子レンジやドライヤー、IHクッキングヒーターもしっかり使えます。
また、BougeRVの高性能ソーラーパネルと組み合わせることで、電気料金の節約効果も期待できます。
軽量さやアプリ対応を重視する場合は、他のオプションも検討することが望ましいでしょう。
BougeRVの社是である「世界中を移動してアウトドアを楽しもうぜ!」を考慮すると、アクティブなキャンプや旅行に持ち運んでタフに使用することが最も相応しい使い方かもしれません。
BougeRV Fort 1000は、実売価格が8〜9万円とコストパフォーマンスに優れており、多くのユーザーにおすすめできる製品です。

ASAGAO AS2000-JP

ASAGAO AS2000-JPは、レビューを書いていても書き切れないほど、多くの優れた特長と機能を持つポータブル電源です。
最大出力2000W、αBOOSTモードでさらに2800Wまで対応し、約20kgという圧倒的な軽さを実現しています。
これらの特徴により、あらゆる家電を長時間にわたり確実に稼働させます。
さらに、日本製クオリティという信頼性と高い安全性、5年間の長期保証といった細部まで配慮された設計が評価を高めています。
独自の特徴、例えばAC出力定格電圧(100V/110V/120V)の切り替え機能や、全高調波歪(THD)が1.2%という驚きのクリーンさなどは、他社製品にはない魅力をもたらしています。
長時間の使用、複数の家電への対応、そして信頼性と安全性。
日本製に近いポータブル電源を探しているなら、ASAGAO AS2000-JPはあなたが探し求めていた製品と言えるでしょう。

BLUETTI × アイリスオーヤマ PS2000AA

宮城県仙台市青葉区に本社を置くアイリスオーヤマ株式会社の製品です。
新興企業が多いポータブル電源業界のなかで、アイリスオーヤマのような有名な日本企業が販売していること自体に価値があります。
日本製のポータブル電源が欲しい、それが無理ならばちゃんとした日本企業のポータブル電源が欲しい、という方は多いと思います。
ポータブル電源自体はBLUETTI製です。
おそらく「BLUETTI ポータブル電源 AC200P」だと思います。
「PowerArQ Max」も「BLUETTI × アイリスオーヤマ PS2000AA」と色違いのOEMでしょうね。
定格2,000Wなのでご家庭にある家電はほぼ全て使えます。
アイリスオーヤマの信頼度も重なり、かなりコストパフォーマンスの高い製品になっていると思います。
↓小型バージョンもあります。
Zendure SuperBase Pro1500

Zendure社はカリフォルニアのシリコンバレーと中国のグレーターベイエリアに拠点を置いています。日本を含め、世界100か国以上で販売され、何百万人もの人々に使用されています。日本におけるカスタマーサービスも全て日本人が行なっていますので安心!
充電時間は最速レベルであり、AC出力もほぼ全ての家電が使えるハイパワー。デザインは高級感があり、美しく、所有欲が満たされます。SuperBase Proは、ホームグレードのUPS機能(20ms)を備えています。停電時に家庭の電源を維持するもの。
高品質の素材で作られたスーツケースのようなポータブル電源は、強力な伸縮式アルミニウムハンドル、頑丈なホイールが備わっているため、あらゆる場所に移動できます。また、炭素削減を追跡し、世界中に本物の木を植えるため使用できるクレジットを獲得できる最初のIoTデバイスとなります。
Zendure社は、アウトドアブランド PATAGONIAのような製品性能だけでなく、世界を良くするための行動にも積極的な企業という印象。
「ZENDURE SuperBase Pro」には2000と1500の2モデルがあり、「ZENDURE SuperBase Pro1500」がリン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルです。

ALLPOWERS R3500

ALLPOWERS R3500は、大容量と高性能、使いやすさ、手ごろな価格、そして電力費節約機能を備えた魅力的なポータブル電源です。
メンテナンスコストは低く、充実したサポートが提供されているため、長期的な利用にも安心です。ただし、重さがややあるため、移動時の注意が必要です。
この製品は、エネルギー効率と使いやすさを両立した持続可能なエネルギーソリューションを提供します。電気料金の上昇傾向を考えると、R3500は長期的な視点で見ると高いコストパフォーマンスを誇ります。コンパクトでスタイリッシュなデザインはどんな家庭にも適応し、スマートホームやオフグリッド生活に最適です。
コストパフォーマンスと環境に優しいエネルギー供給を兼ね備えたR3500は、長期的に電力費を削減したい方に理想的な選択となります。

EcoFlow DELTA Pro

本格的に、個別発電テクノロジーを駆使したあたらしいライフスタイルの構築ができる製品です。
DELTA Proと400Wのソーラーパネル3枚連結すると1,200Wの発電が可能。
「ポータブルクーラーWave2」や「世界初の製氷機能付きポータブル冷蔵庫 EcoFlow Glacier」、電力システムを統治する「エコフロー パワーシステム」などエコシステムを構築する製品が次々と発表されています。
販売から2年ほど経ち、若干性能と価格にバランスが取れていませんが、メーカーの安全度、拡張性や周辺機器も含めて、電力バックアップの第一歩に相応しいかと思います。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとリチウムイオンバッテリーの比較
項目 | リン酸鉄 | リチウム |
安全性 | ||
寿命 | ||
性能 | ||
価格 | ||
用途・適用範囲 |
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安全性が高く、環境に優しく、長寿命ですが、エネルギー密度が低い欠点があります。
一方、リチウムイオンバッテリーは高いエネルギー密度が特徴で、小型でありながら大きな電力を蓄積できますが、熱に対する耐性が低く、安全性が低いとされています。
それぞれの特性に応じた用途で選択されるべきです。
安全性
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは熱に強く、過充電や過放電時の発熱や発火リスクが低いです。
これに対し、リチウムイオンバッテリーは熱に対する耐性が弱く、過充電や過放電時に発熱や発火するリスクがあります。
寿命
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはサイクル寿命が長く、通常2000~3000回の充放電サイクルが可能です。
一方、リチウムイオンバッテリーの寿命は通常500~1000回の充放電サイクルとなります。
性能
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が低く、同等の重さやサイズではエネルギー蓄積量が少ないです。
対して、リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高く、同じ重さやサイズでも多くの電力を蓄積できます。
価格
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは製造コストが高いため、価格がリチウムイオンバッテリーよりも高い傾向があります。
しかし、その長寿命を考慮に入れると、長期的なコストパフォーマンスは魅力的です。
用途と適用範囲
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはその安全性と長寿命から、ポータブル電源、太陽光発電システム、電動自転車、エネルギーストレージシステム等に好まれます。寒冷地や屋外での長期使用にも適しています。
一方、リチウムイオンバッテリーは高いエネルギー密度を活かして、スマートフォン、ノートパソコン、カメラ、ドローン、電動工具などの軽量で高電力デバイスに広く使用されています。
要約すると、安全性や寿命を重視する場合はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが、エネルギー密度や軽量性が求められる場合はリチウムイオンバッテリーが適しています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 安全性のエビデンス
科学ジャーナル「Nature」に掲載された論文[1]によると、LFPバッテリーは低電圧でも安全に運用することが可能で、安定した性能を維持することが示されています。
この研究では、バッテリーのエネルギーの99.1%を取り除いた状態でのテストが行われ、バッテリーの容量に影響はなく、抵抗の上昇もほとんど見られませんでした。
また、ショートサーキットテストを行ったところ、2.3Vまで放電したセルは表面温度が6°Cしか上昇しなかったのに対し、より高い電圧で放電したセルでは火花、煙、火災が発生しました。
これらの結果は、LFPバッテリーが低電圧状態でも安全に運用できることを示しています
世界的な考え方と新技術
世界的には安全性・ライフサイクルの長さではリン酸鉄リチウムイオン電池、単位あたりの電力容量や電力効率では三元系リチウムイオン電池と考えられています。発熱量が少ないと考えられているのはリチウムイオンです。
リン酸鉄リチウムイオン電池は発熱があっても熱暴走が少ないので安全と言われています。
リン酸鉄リチウムイオン電池は、結晶中のリンと酸素の結び付きが非常に強いため、過充電や高温での結晶構造崩壊による酸素放出が起こりにくいことから、異常発熱や発火に対する安全性が高いと考えられています。
「Wood Mackenzie」にリチウムイオン電池や鉛蓄電池との比較がありましたので転載いたします[2]。
LFPがリン酸鉄リチウムイオン電池です。

相対的な関係なので「リチウムイオン電池がとても危険」とは言い難いと思います。
参考記事:「ポータブル電源の火災事件・爆発・危険事象のニュースをまとめています」
上記の記事を見ていただくとわかるのですが、発火・爆発するには理由があります。使い方が悪かったり、製品自体の作り(BMSや部品の組み付け、ファン性能など)が悪かったり。問題はバッテリー種別だけではありません。
しかし発火・爆発した場合の被害はリチウムイオン電池の方が甚大になるのは確かです。
バッテリー種別ごとの特性比較

さらに次世代バッテリーとして、「ナトリウムイオン電池搭載ポータブル電源」や「半固体電池搭載ポータブル電源」「全固体電池搭載ポータブル電源」の販売も開始、または予定されています。
日本では2023年現在、手に入れることができません。
参考記事:Bluettiが世界初のナトリウムイオン電池使用のポータブル電源を発表!ナトリウムイオン電池とは?
参考記事:業界初の半固体電池ポータブル電源 ZENDURE SuperBase V(北米では販売開始ずみ)
技術の進化とともに安価で安全なポータブル電源が手に入りやすくなってきましたね。
まとめ:現状はエコフローが最適。日本製リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源の登場が待たれる
この記事では、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載したポータブル電源の選び方と、2023年最新のトップランキングをご紹介しました。また、各メーカーの信頼性や企業存続可能性についても深掘りしました。
全ての情報は私自身が50台以上のポータブル電源を実際に手に取り、検証した結果をもとに作成しています。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの安全性と新技術についても触れました。
現状ではエコフローの製品が最適であることが多い一方、日本製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源の登場が待たれています。
この情報が皆様のポータブル電源選びの一助となることを願っています。
「この製品はどうなの?」など、質問がおありでしたらコメント欄からお気軽にどうぞ。完璧な回答はできませんが、一緒に考えたり、調べたりはできますので。安くない買い物なので後悔のない選択を!
よくある質問・脚注・更新履歴
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットは?
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リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4バッテリー)は安全性や環境に優しい特性がありますが、いくつかのデメリットも存在します。主なデメリットは以下の通りです。
- エネルギー密度が低い: LiFePO4バッテリーは、一般的なリチウムイオンバッテリーに比べてエネルギー密度が低いです。これは、同じ重さや容積のバッテリーで、他のリチウムイオンバッテリーよりも低いエネルギーを蓄えることができることを意味します。そのため、軽量化や小型化が重要な用途では、LiFePO4バッテリーは適していない場合があります。
- 価格が高い: LiFePO4バッテリーは、製造コストが高く、一般的なリチウムイオンバッテリーに比べて価格が高い傾向があります。このため、予算が限られている場合やコストを重視する場合、他のリチウムイオンバッテリーが適していることがあります。
- 性能低下が起こりやすい低温環境: LiFePO4バッテリーは、低温環境下での性能低下が顕著になることがあります。特に、-20℃以下のような極寒の環境では、放電能力が大幅に低下することがあります。寒冷地での使用を前提とする場合、他のリチウムイオンバッテリーや対策が施されたバッテリーが適していることがあります。
- 充電速度が遅い: 一般的なリチウムイオンバッテリーに比べて、LiFePO4バッテリーの充電速度が遅い場合があります。これは、用途によっては不便さを感じることがあるでしょう。
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが発火することはありますか?それはどういった場合ですか?
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リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4バッテリー)は、他のリチウムイオンバッテリーに比べて熱安定性が高く、発火リスクは非常に低いとされています。ただし、絶対的に発火のリスクがゼロではないため、まれに発火することがあります。以下は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが発火する可能性のある状況です。
- 過充電または過放電: 電池管理システム(BMS)が機能していない場合や、適切な充電器を使用していない場合、バッテリーが過充電または過放電される可能性があります。これにより、内部の化学反応が不安定になり、発火のリスクが増加します。
- 内部ショート: バッテリーの内部構造が損傷されることで、電極間にショート回路が発生することがあります。これは、衝撃や過剰な圧力、経年劣化などが原因で起こることがあります。内部ショートが発生すると、局所的な熱が発生し、発火のリスクが増加します。
- 高温環境: バッテリーが長時間、高温環境にさらされると、内部の化学反応が不安定になることがあります。極端な高温環境下では、発火のリスクが増加することがあります。
これらの状況を避けることで、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの安全性を維持し、発火のリスクを最小限に抑えることができます。
脚注
↑1 Transportation Safety of Lithium Iron Phosphate Batteries – A Feasibility Study of Storing at Very Low States of Charge
更新履歴
- 2023/05/21 ALLPOWERS R3500をランキングに追加しました
- 2023/06/03 ASAGAO AS2000-JPをランキングに追加しました