
安全性が高いということでリン酸鉄リチウム電池を使ったポータブル電源をお探しの方が多いです。
ポータブル電源というのは基本的にはバッテリーを積んだ危険物なので、より安全性が高いものを選ぶのは当たり前ですよね。
とはいえ、アマゾンや楽天で探すのも大変ですし、見つけても良いものなのか悪いものなのか判断がつきにくいと思います。
そこで、リン酸鉄リチウム電池搭載ポータブル電源を特徴やデメリットも含めてご紹介します。
リン酸鉄リチウム電池のメリット・デメリットに関しては記事の最後に掲載します。
リン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブル電源
容量順にご紹介していきます。
メーカー的には、BLUETTI、ANKER(アンカー)、EcoFlowが中心となります。
最大手のJackeryからはリン酸鉄リチウム電池を使ったポータブル電源は発売されていません。
GOLABS R150
- リン酸鉄にしては価格が安い
- LEDライトが便利・PD60Wで入出力できる
- 修正正弦波なのでACコンセントは使いにくい
最大のメリットは価格です。よくクーポンが出ていて実売13,000円程度で購入できます。
そのかわりACは修正正弦波なのであまり期待しない方が良いです。
USBやPDを使用したガジェット充電をメインに考えるのがいいですね。
LEDライトも停電時には地味に便利だと思います。LEDは2Wなので100時間近く使うことができます。
EcoFlow RIVER 2

- 定格出力300W、場合によっては450Wまでの家電が使えます
- 軽くてコンパクト、持ち手の使いやすさも相まってどこにでも持っていきたくなる
- EPS(非常用電源機能)付き
- 60分の急速充電
- 何をやっても壊れない(TUV認証を取得した 世界初のポータブル電源)
- シガーソケット充電が快適・便利
- AC充電の際は次世代パススルー充電に対応。DC充電は不可。
リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したRIVER 2シリーズで最も安価な製品です。
セールなどを利用すれば2.5万円程度で素晴らしい性能のポータブル電源を得ることができます。
持ち手の部分が後ろに飛び出ているため、少し収納時は邪魔です。
しかし、持ち運びの際はこれほど便利な持ち手もありません。
結果、普段から持ち運んで有効活用できています。
充電時間が早く、充放電レベルもスピードもアプリで設定できるためバッテリーを労った使い方ができるのもメリット。
RIVER 2シリーズには、RIVER 2MaxとRIVER 2Proがありますが、この無印のRIVER 2が最もおすすめ。
価格も抑えられていて、とにかく頑丈。普段から使い倒すのにちょうどいいです。
レビューはこちらから→ EcoFlow RIVER 2を車内で充電 シガーソケット充電を検証
用途やスペックが似ているBLUETTI EB3Aとの比較記事もあります→ 【実機比較】EcoFlow RIVER 2とBLUETTI EB3Aの違い
Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)
- 高い耐衝撃性能・熱に強い耐火ラバーシェル
- USB-Cポートからの充電に対応・ACとの同時充電で2.5時間で満タン
- 最大30ヶ月の保証期間とカスタマーサービスの質の高さ
最大のメリットはAnker社の信頼感です。リン酸鉄リチウム電池を使ったポータブル電源をお探しということは、安全性が高い製品を求めていると思います。その点、Anker社はポータブル電源業界でトップクラスの製品品質、カスタマーサービスを有しています。
また、電池だけでなく本体の安全性にも力が注がれています。高さ50cmからコンクリート床への落下テストもクリアしています。製品表面は難燃性の高い素材が使われています。
PDで充電できるのもとても便利です。ACアダプターの付いたケーブルを使わずに充電ができます。前面についているLEDライトも停電時やキャンプ時に重宝すると思いますよ!
BLUETTI EB3A

- 定格出力600W、場合によっては1,200Wまでの家電が使えます
- UPS(無停電電源装置)付き
- PD100W・LEDライト付き・ワイヤレス充電あり・アプリ操作可能
管理人も購入し、デスクの上で使っています。iPadの充電やIHクッキングヒーターでお茶を淹れたり。
100Wのソーラーパネルだと3時間ほどでフル充電になるため、コンセントからの充電を行わずに使い続けています。
定価3万円台でリン酸鉄リチウム電池搭載、出力600W、PD100W、アプリでも操作可能と破格の能力です。
エントリークラス市場がガラッと変わってしまうほどのインパクト。
「何を買えばいいかわからないなぁ」という方にもおすすめできる、質実剛健かつ先進性もある製品♪
レビューはこちらから→ BLUETTI EB3A 実機レビュー ポータブル電源入門の定番に!
SmartTap PowerArQ mini 2
- 停電対策ブック・LEDランタンが付属し災害対策に向いている
- スマートタップには修理部があるのでアフターフォローが他社より秀でている
- 15Wのワイヤレス充電付き
停電対策ブックとLEDライトが付属する災害対策に特化したポータブル電源。
性能自体は価格相応ですが、カスタマーサービス・アフタフォローの質は抜群です。
ちゃんとした日本語で対応してくれる数少ないメーカー。
不具合があったときに話が通じないのは本当に大変です。
スマートタップ社は修理部を創設して、しっかりとメンテナンスも行なっています。
売って終わりではないので信頼できるブランドと言えるでしょう。
レビューはこちらから 「SmartTap PowerArQmini2 Anker・EcoFlow・BLUETTIとの比較あり」
Anker 535 Portable Power Station (PowerHouse 512Wh)
- AC4口、定格500Wなので電気毛布を2枚使うなど家族の防災用に
- パススルー充電時にバッテリーを介さず直接家電製品に電力を供給できる
- 最大30ヶ月の保証期間とカスタマーサービスの質の高さ
上記でご紹介した「Anker 521」が容量・出力・価格が2倍くらいになったもの。
家族4人くらいで災害時にガジェットを充電するのに適しています。
BLUETTI EB70S
- この価格帯(Jackery708の対抗)で唯一の選択肢
- PD100Wが2ポート
- カラーリングが鮮やか
大容量ポータブル電源の入口700Whクラスでは唯一の選択肢です。
このクラスは激戦区で、Jackery708やAnker PowerHouse II 800、EcoFlow RIVER Proなど売れ筋商品が多数あります。それらはリチウムイオン電池を使っています。
リン酸鉄リチウム電池を選ぼうとするとBLUETTI EB70Sしかありません。
機能的には基本的なものは揃っています。出力が800WなのでIHクッキングヒーターであれば、調理や湯沸かしに十分実用可能なレベルで動きます。
EcoFlow DELTA2

- 容量1,024Wh・出力1,500Wで90%の家電が使える
- 一般的なポータブル電源は80%までの充電に約5~9時間必要なのに対し、DELTA 2はその約7倍速のわずか50分で充電可能
- DELTA 2専用エクストラバッテリーおよびDELTA Max専用エクストラバッテリーで拡張できる
- リン酸鉄リチウムイオン電池が搭載、充放電サイクルが3,000回以上で10年間は使用できる
- 容量1,000Wクラスでは最強スペック、さらにエクストラバッテリーを増設することで2,000Wクラスでもトップレベル
- 容量を最大3,040Whまで増設可能
- 次世代パススルー充電に対応。ACコンセントに繋いでいるときはバッテリーを介さず家電に直接給電します
- スマホアプリで操作ができる
- 5年間のメーカー保証
EcoFlow社待望のリン酸鉄リチウムイオン電池搭載普及モデルです。
出力は1,500Wあるので電子レンジ等ほぼ全ての家電を動かせます。容量が心許ない感じもしますが問題なし。
DELTA 2専用エクストラバッテリー・DELTA Max専用エクストラバッテリーを増設することで最大3,040Whまで拡張可能。
3,000回の充放電サイクル+高寿命、バッテリーの拡張性と長年使っても時代遅れになりにくい製品です。
メーカー保証も5年間ありますので安心して購入できるおすすめポータブル電源!
レビューはこちらから「EcoFlow DELTA 2 実機レビュー 家電使用、パススルー、充電スピードを実証実験」
アイリスプラザ ポータブル電源 HPPS1200-R
- 容量1,228Wh・出力1,000W(100V)とある程度の家電が使えるパワーあり
- 防災・減災に力を入れているアイリスオーヤマが取り扱っている安心感
- 両サイドにあるLEDライトが災害時に有用
宮城県仙台市青葉区に本社を置くアイリスオーヤマ株式会社の製品です。
新興企業が多いポータブル電源業界のなかで、アイリスオーヤマのような有名な日本企業が販売していること自体に価値があります。日本製、それが無理ならばちゃんとした日本企業のポータブル電源が欲しい、という方は多いと思います。
定格1,000Wなので使える家電は限られます。アイリスオーヤマのIHクッキングヒーターなどと組み合わせれば料理は可能ですね。
地味にPD65Wは入出力できますし、両脇についているLEDライトは片面ずつの使用もできます。
基本的な性能は抑えつつ、価格も控えめ。アイリスオーヤマの信頼度も重なり、かなりコストパフォーマンスの高い製品になっていると思います。
レビューはこちらから 「日本企業アイリスオーヤマのポータブル電源をご紹介 リン酸鉄リチウム電池」
LACITA ENERBOX1300
- 定格1,300Wなのでほぼ全ての家電が使える
- デザインがキャンプに向いている(見栄え・積み込みやすさ・持ちやすさ)
- 修理部を持つなどカスタマーサービスに力を入れている
- ACコンセントが100V
LACITAは2018年ごろからポータブル電源を販売している比較的老舗のブランドです。
ひときわ目を惹くのはその無骨なデザイン。
キャンプサイトで使用してもカッコ良さそうですね。
性能面的にも特に尖ったところはありませんが価格相応。家電はだいたい使えます。
レビューはこちらから「LACITA ENERBOX1300(リン酸鉄リチウム電池) 比較レビュー」
Anker 757 Portable Power Station
- 最大5年保証
- 容量1,229Wh・出力 電子レンジを動かせる1,500W
- 急速わずか1時間で80%まで充電
- 6000系アルミニウム合金で支柱やプレートなどメインフレームを構築(優れた耐衝撃性能)
- 無停電電源装置 (UPS) 機能を搭載(20ミリ秒)
- 価格が比較的抑えられている(169,800円)
「Anker 757 Portable Power Station」という名称で、上記でご紹介したAnker521・Anker535に連なるシリーズとなります。
びっくりしたのが「最大5年保証」を謳っていること。ポータブル電源選びで一番の懸案って「安全性と保証」だと思っているので、この点Ankerはダントツです。
排熱の仕組みや本体の頑丈さ、トリクル充電対応など細かい部分までしっかり考えられています。
リン酸鉄リチウム製品は製品寿命の長さがメリットなので、保証期間が長いということはとてつもないストロングポイントだと思います。
比較レビューはこちらから→ Anker 757 Portable Power Stationの比較レビュー(Jackery・EcoFlow)
ZENDURE SuperBasePro1500

- Apple製品のようなシンプルで美しいデザイン、スーツケースのような頑丈で可搬性の高い設計
- 最速レベルのAC充電スピードと最大1,800W充電可能なソーラーパネルの充電オプションを持つ
- 組み込み4G IoT接続を用いて、Co2削減チェック・GPS・アップデート・盗難防止の操作をアプリで行える
Zendure社はカリフォルニアのシリコンバレーと中国のグレーターベイエリアに拠点を置いています。日本を含め、世界100か国以上で販売され、何百万人もの人々に使用されています。
日本におけるカスタマーサービスも全て日本人が行なっていますので安心!
充電時間は最速レベルであり、AC出力もほぼ全ての家電が使えるハイパワー。デザインは高級感があり、美しく、所有欲が満たされます。SuperBase Proは、ホームグレードのUPS機能を備えています。停電時に家庭の電源を維持するもの。
高品質の素材で作られたスーツケースのようなポータブル電源は、強力な伸縮式アルミニウムハンドル、頑丈なホイールが備わっているため公道もキャンプ場も、あらゆる地形を簡単に誰でも移動できます。
また、炭素削減を追跡し、世界中に本物の木を植えるため使用できるクレジットを獲得できる最初のIoTデバイスとなります。
Zendure社は、アウトドアブランド PATAGONIAのような製品性能だけでなく、世界を良くするための行動にも積極的な企業という印象。
「ZENDURE SuperBase Pro」には2000と1500の2モデルがあり、「ZENDURE SuperBase Pro1500」がリン酸鉄リチウム電池搭載モデルです。
実機レビューはこちらから→ ZENDURE SuperBase Pro実機レビュー 無駄を削ぎ落とした禅を感じさせる美しいデザイン
EENOUR ポータブル電源 P2001
- カラーリングがアウトドアっぽい
- 出力2,000Wなのでほぼ全ての家電が使える
- セール時には18万円くらいで買えるので比較的割安
おそらくオリジナル製品ではないです。ASAGAO AS2K-JP、OUKITEL P2001が同スペック。どれを選んでもカスタマーサービスの差だけが違いでしょう。
製品自体は特色のないスタンダードなモデル。
容量2,000Wh、出力2,000Wとほぼ全ての家電が使えます。
UPSも備えるためPCや防犯装置、動物のための装置を停電時にも使い続けることが可能。
LEOCH LC-9820
- 2,048Whと大容量だが2.3時間でフル充電
- LEOCH社は電池メーカーなので安全性が高いと考えられる(公式サイト)
- ゲーミングPCのようなデザイン
海外のクラウドファンディングサイトindiegogoでは1億円以上集め話題になりました。
デザインが男性に好まれそうな感じですね。
充電ケーブルにACアダプターがないため、アダプターの発熱がありません。コンパクトなのも良いです。
比較的価格が抑えられています。
EcoFlow DELTA Pro

- 最大容量21,600Wh・最大パワー6,000W(ほぼ全ての家電が長時間使える)
- 3,600Whという大容量をわずか「2.4時間で80%、3.1時間でフル充電」で可能な超高速充電
- 全国のEVステーションで充電できる機能を搭載
本格的に、個別発電テクノロジーを駆使したあたらしいライフスタイルの構築ができる製品です。
DELTA Proと400Wのソーラーパネル3枚連結すると1,200Wの発電が可能。
ガリソンで発電してDELTA Proに電力を供給できる「スマート発電機」も発売されました。
「ポータブルクーラーWave」や電力システムを統治する「エコフロー パワーシステム」などエコシステムを構築する製品が次々と発表されています。
拡張性や周辺機器も含めて、超大容量ポータブル電源では一番おすすめできる製品です。
レビューはこちらから→ EcoFlow DELTA Pro 実機レビュー あなたの暮らしを守り、生活を変えるポータブル電源
まとめ
まとめということで、リン酸鉄リチウム電池について少し触れておきます。
世界的には安全性・ライフサイクルの長さではリン酸鉄リチウム電池、単位あたりの電力容量や電力効率では三元系リチウムイオン電池と考えられています。
発熱量が少ないと考えられているのはリチウムイオンです。リン酸鉄リチウムは発熱があっても熱暴走が少ないので安全と言われています。
リン酸鉄リチウムは、結晶中のリンと酸素の結び付きが非常に強いため、過充電や高温での結晶構造崩壊による酸素放出が起こりにくいことから、異常発熱や発火に対する安全性が高いと考えられています。
「Wood Mackenzie」にリチウムイオン電池や鉛蓄電池との比較がありましたので転載いたします。
LFPがリン酸鉄リチウムです。

相対的な関係なので「リチウムイオン電池がとても危険」とは言い難いと思います。
参考記事:「ポータブル電源の火災事件・爆発・危険事象のニュースをまとめています」
上記の記事を見ていただくとわかるのですが、発火・爆発するには理由があります。
使い方が悪かったり、製品自体の作り(BMSや部品の組み付け、ファン性能など)が悪かったり。問題はバッテリー種別だけではありません。
発火・爆発した場合の被害はリチウムイオン電池の方が甚大になるのは確かです。
さらに次世代バッテリーとして、「ナトリウムイオン電池搭載ポータブル電源」や「半固体電池搭載ポータブル電源」の販売も予定されています。
参考記事:Bluettiが世界初のナトリウムイオン電池使用のポータブル電源を発表!ナトリウムイオン電池とは?
参考記事:業界初の半固体電池ポータブル電源 ZENDURE SuperBase V
技術の進化とともに安価で安全なポータブル電源が手に入りやすくなってきましたね。
ここまで、自信を持ってお勧めできるリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源を15製品ご紹介しました。
予算や用途、ライフスタイルがそれぞれ異なりますのでランキング形式で「これが一番おすすめ!」と推していません。
日本製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源が登場すれば、全面的に推せるのですが技術的にもコスト的にもなかなか難しそうです。
しかし、誰もがこの中から選べるようなラインナップになっていると思います。
随時、新しい製品が発売されたら追加していきます。
「この製品はどうなの?」など質問がおありでしたらコメント欄からお気軽にどうぞ。
完璧な回答はできませんが、一緒に考えたり、調べたりはできますので!
以上、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源を紹介しますという話題でした♪