
TwitterとPeingというQ&Aサイトを使って、ポータブル電源やソーラーパネルの質問に答えていました。
2022年5月10日、突然Twitterアカウントが凍結してしまいました。
ですので、回答をブログ記事にいたします。
参考: POWERBANKSのpeing
質問:充放電サイクルを売りにしたリン酸鉄リチウム電池のポータブル電源を購入する価値はあるのか?

BLUETTIやAnkerなどメジャーブランドからリン酸鉄リチウム電池搭載ポータブル電源が次々と発売されています。
充放電サイクルが多い、安全性が高いなどわかりやすいメリットが提示されているので、従来の三元系リチウム電池よりとてもよく見えますよね。
回答:必ずしもリン酸鉄リチウムでなくてもいいと思います
質問ありがとうございます♪ 災害用で頻繁に使わない中で充放電サイクルは重要なのか?という趣旨の質問と理解しました。
充放電サイクルの観点から見てみます。例えばEcoFlow RIVER Pro(三元素リチウム)は充電回数800サイクルでリン酸鉄より少ないです。しかし1サイクル/週として10年以上持つ計算になります。
三元素リチウム電池のメリットとして、エネルギー密度が高い(リン酸鉄の1.8倍)、つまり容量の割にコンパクトになります。またリン酸鉄より35%程度軽くなります。
エネルギー密度が高いことのデメリットとして安全性が低くなることが挙げられます。リン酸鉄に比べると安全性は低いですが、コバルト・マンガン・ニッケルなどに比べると高いです。
発熱量が少ないと考えられているのはリチウムイオンです。リン酸鉄リチウムは発熱があっても熱暴走が少ないので安全と言われています。
「Wood Mackenzie」にリチウムイオン電池や鉛蓄電池との比較がありましたので転載いたします。
LFPがリン酸鉄リチウム、NMCが三元系リチウムです。

リチウムイオンバッテリーが発火する可能性が高まるのは、衝撃を与えたり、過充電、水に濡らすなどの行為です。しっかりしたメーカーのものを購入すれば安全機構が組み込まれているのでそこまで恐れる必要がないと思っています。また、製品を丁寧に扱うことも大事ですね。
「ポータブル電源の火災事件・爆発・危険事象のニュースをまとめています」という記事を見ていただくとわかるのですが、リチウム電池を使ったポータブル電源の発火事故は特定の機種に集中しています。モバイルバッテリーまで広げても、製品の不良(内部配線の不良)、使い方が悪いなど原因が明らかなものがほとんどです。
結論としては、充放電サイクルだけならリン酸鉄、リチウムどちらを選んでも大丈夫です。しっかりした品質管理、アフターフォロー体制を備えたメーカーの製品を選ぶことの方が重要だと思います!
参考記事:リン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブル電源を紹介します