
家電量販店での販売も拡大され、普及していくにあたり「ポータブル電源の廃棄方法が不透明」という問題が上がっています。
今回、ご紹介するポータブル電源はあらかじめ捨てる方法を製造段階で考えて作られています。
現在お持ちのポータブル電源の捨て方や廃棄方法の問題解決には関係ありませんが、これから購入する場合には選択肢の一つにはなるかもしれません。
2016年ごろからAmazonなどショッピングモールでお手頃に買えるようになり、初期に購入された方の製品は寿命が近づいていると思います。
実際、管理人も3台ほど使えないポータブル電源が倉庫に眠っています。
メーカーに問い合わせして引き取ってもらえたものもあります。ELECAENTA(エレカンタ)は着払いで引き取ってくれました!
だいたいは「自治体のルールに則ってお捨てください」というお返事が来て終了。
そんなポータブル電源のデメリットを製造段階で問題解決した製品が発売されました。
マクセル ポータブル電源「Energy Station(エナジーステーション) MES-TR1000」です。
日本企業の電池メーカーが作るポータブル電源。
具体的には、内臓バッテリーパックが取り出し可能な形になっています。
このバッテリーパックが「資源有効利用促進法」における小型充電式電池として、回収できるサイズに作られています。
参考:小型二次電池のリサイクル(資源有効利用促進法)/ 経済産業省
「不要になった小型二次電池からは、カドミウムやコバルト、ニッケルといった金属が取り出され再利用されます」とのこと。
廃棄方法まで考えられたポータブル電源は今まで存在しなかったのでアイデア商品だと思いました。
バッテリーがリン酸鉄リチウムイオン電池、UPSとして利用可能など基本的な性能もしっかりしています。
マクセル ポータブル電源 Energy Station MES-TR1000の特徴


マクセル公式サイトより特徴をリストにしてみます。
参考ページ:マクセル ポータブル電源 Energy Station MES-TR1000(公式サイト)
- 本体から取り外せるバッテリーパックが、回収・リサイクル可能
- リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載し安全性高く長寿命
- 充放電サイクル3,000回
- 容量1,000Wh、最大出力1,000W
- UPS(無停電電源装置)とパススルー機能あり
- 本体充電中に停電が起きると自動でLEDライトが点灯
容量1,000Wh、最大出力1,000Wなのでエアコン、電子レンジ、電気ケトルなどの高出力家電の使用には向いてませんね。
PC周りでUPSとして使うのが最適でしょうか。UPSの切り替え時間は記載なしです。
なんといっても最大の特徴は「本体から取り外せるバッテリーパックが、回収・リサイクル可能」であること。
リン酸鉄リチウムイオン電池なので、廃棄処分を考えるのは10年後くらいになります。
その頃にはどうなっているかわかりませんが、捨て方に悩まずに済みます。
マクセル ポータブル電源 Energy Station MES-TR1000のスペック
アイテム名 | Energy Station(エナジーステーション) |
型番 | MES-TR1000 |
メーカー | マクセル株式会社 |
価格 | 218,000円 |
容量(Wh) | 1,075Wh |
出力(W) | 1,000W |
サイズ | 横210×高さ320×奥行き358mm 約16kg |
バッテリー | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
費用対容量(1Whあたり単価) | 202.8円 |
電気の波形 | 正弦波 |
出力(AC出力・DC出力・USB) | AC:2口 DC/シガーソケット:0口 USB:6口 Type-C:1口 |
他社製品との簡易比較
容量1,000Wh、最大出力1,000W程度でリン酸鉄リチウムイオン電池、三元系リチウムイオン電池の製品と簡単に比較してみましょう。
ブランド | 価格 | 容量(Wh) | 出力(W) | バッテリー | 1Whあたり単価 | 充電時間 |
---|---|---|---|---|---|---|
マクセル | 218,000円 | 1,075 | 1,000 | リン酸 | 202.8円 | 5時間 |
Jackery | 149,800円 | 1,002 | 1,000 | 三元系 | 139.5円 | 1.8時間 |
EcoFlow | 143,000円 | 1,024 | 1,500 | リン酸 | 139.6円 | 1.2時間 |
どうしても目立ってしまうのがマクセルの価格設定が高いこと。希望価格なので、実際に流通したらもう少し安くなる可能性もありますが。
168,000円くらいなら競争力がありそうですね。
まとめ:価格が少し高いがアイデアの詰まった良品
マクセル株式会社は1960年に大阪府で創業。元々は日立グループで乾電池が主力事業でした。
現在はさまざまな事業を行なっているようです。Twitterがとても活発で企業コラボや企画がいっぱい。
日本製のポータブル電源をお探しの方が多いですがほとんどありません。
日本企業の電池メーカーが作るポータブル電源であれば、日本製ではなくても少し安心と思う方もいらっしゃると思います。
確認中ですが日本製かもしれません。
廃棄方法まで考えて製造するのはさすが日本企業。
性能的には容量1,000Wh、出力1,000Wと価格を考えると少し物足りない感じ。
取り出せるバッテリーパックが別売りで販売されると、予備バッテリーを持てるので防災用としても高く評価できるようになります。
実際、エレカンタやスマートタップからはバッテリー入れ替え式のポータブル電源がリリースされていて好評。
バッテリーの処分が簡単、UPSとして使える、日本企業の製品、カスタマーサービスの質といったところを評価するなら候補に入りそうです。
ポータブル電源の廃棄問題に一つのヒントを与えてくれた製品として、個人的にとても興味を持ちました。
もう少し価格がこなれてくるとヒットしそうですね。