Bluettiが世界初のナトリウムイオン電池使用のポータブル電源を発表!ナトリウムイオン電池とは?

Bluettiが世界初のナトリウムイオン電池使用のポータブル電源を発表!ナトリウムイオン電池とは? ポータブル電源に関する考察

日本でもお馴染みBluetti(Bluetti Power Inc)がナトリウムイオン電池を使用したポータブル電源「Bluetti NA300」を発表しました。

CES 2022 (2022年1月5日 ラスベガス)でお披露目。

NA300 & B480 World’s First Sodium-ion Battery Power Station

一般的なポータブル電源では、リチウムイオン電池やリン酸鉄リチウムイオン電池が主に用いられています。特に、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載したポータブル電源は、市場売り上げの半分以上を占めるほどの人気を集めています。

今回の話題はナトリウムイオン電池。ナトリウムは、リチウムに最も近い金属の1つです。

ナトリウムは通常はソーダ灰(炭酸ナトリウム)から得られる一般的な元素であり、地球の地殻にはリチウムの1000倍以上のナトリウムが含まれています。

したがって、ナトリウムイオン電池はリチウムイオンの最適な代替品と見なされています。

リチウムイオン・リン酸鉄リチウムイオン・ナトリウムイオン・半固体電池の性能比較
リチウムイオン・リン酸鉄リチウムイオン・ナトリウムイオン・半固体電池の性能比較

世界最大規模のリチウム電池のメーカー 寧徳時代新能源科技(CATL)も電気自動車(EV)の未来にナトリウムが重要な役割を果たすと発表しています(2021年7月29日)。

参照:The First-generation Sodium-ion Battery Launch Event

背景には材料供給の制限があります。

コバルトやニッケルほどではありませんが、リチウムの鉱床は採掘困難な場所に集中しています。

世界でも限られた採掘地域への環境破壊の懸念もあり、論争に巻き込まれるかたちで採掘が進まない地域も。

ナトリウムイオンバッテリーとは?

ナトリウムイオンバッテリーとは、充電と放電時にナトリウムイオンを利用する再充電可能なバッテリーです。

地球上に豊富なナトリウムを使うため、リチウムイオンバッテリーよりも持続可能かつコストパフォーマンスが高いとされています。しかし、エネルギー密度の問題や技術開発の難しさから、まだ商用化には至っていません。

ナトリウムイオンバッテリーの特徴

ナトリウムイオンバッテリーは以下のようなメリットを持っています:

  1. 資源の豊富さ:ナトリウムは地球上に豊富に存在するため、リチウムイオンバッテリーに比べて短期的な供給不足や価格の変動のリスクが低いです。
  2. コスト効率:ナトリウムはリチウムと比べて価格が安いため、ナトリウムイオンバッテリーは一般的にコストパフォーマンスが高いとされています。
  3. 環境への配慮:リチウム採掘は環境負荷が高いですが、ナトリウムは海水から取得することも可能で、環境に優しいと言えます。
  4. 安全性:ナトリウムイオンバッテリーはリチウムイオンバッテリーに比べて熱暴走しにくいとされており、安全性が高いというメリットがあります。

ただし、これらのメリットは技術的な課題が解決され、ナトリウムイオンバッテリーが実用化されることを前提としたものです。現在では、エネルギー密度の低さやサイクル寿命の短さなど、まだ克服すべき課題が残っています。

ナトリウムイオンバッテリーは一部の課題を抱えており、以下のデメリットが挙げられます:

  1. エネルギー密度の低さ:ナトリウムイオンバッテリーのエネルギー密度はリチウムイオンバッテリーと比べて低いです。これは、同じ容積・重量のバッテリーであれば、リチウムイオンバッテリーの方が多くのエネルギーを蓄えることができるということを意味します。
  2. 充電サイクル寿命:一部の研究では、ナトリウムイオンバッテリーの充電・放電のサイクル寿命がリチウムイオンバッテリーに比べて短いとされています。
  3. 技術的な課題:ナトリウムイオンはリチウムイオンよりも大きく、それが電極材料との相互作用に影響を及ぼすと考えられています。これはバッテリーのパフォーマンスと耐久性に影響を与え、その解決は技術的な挑戦となっています。
  4. 開発段階:ナトリウムイオンバッテリーはまだ開発段階にあり、大規模な商用化はまだ実現していません。そのため、現在のところ一般的な消費者が利用することは難しい状況です。

これらの課題が解決されれば、ナトリウムイオンバッテリーはその豊富な供給源と低コストから、将来的にはリチウムイオンバッテリーの代替として注目されています。

ナトリウムイオン電池のメリット

  • ナトリウムイオン電池のほうがリチウムイオン電池よりも材料が安く、寒冷地での性能が高い(-20°Cの低温環境で85%以上の容量保持率を持つ)
  • 基本構造が似ているため、リチウムイオン電池の製造装置の大部分をナトリウムイオン電池の生産に流用可能
  • 普及が進めばリン酸鉄リチウムイオン電池より製造コストが40%少なくて済む可能性がある

ナトリウムイオン電池のデメリット

  • エネルギー密度が(三元系など高性能の)リチウムイオン電池より低く、寿命も短い
  • ナトリウムイオンはリチウムイオンよりもやや重く大きい

Wood Mackenzie」にリチウムイオン電池やリン酸鉄との比較がありましたので転載いたします。

参照:https://www.woodmac.com/news/opinion/will-sodium-ion-battery-cells-be-a-game-changer-for-electric-vehicle-and-energy-storage-markets/

いまのところ充放電サイクルやエネルギー密度が低いと考えられているようですね。

Bluetti NA300およびB480について

Bluetti NA300がメインのポータブル電源でB480はバッテリーパックのよう。Bluetti NA300の基本性能は、容量3,000Wh・ソーラーパネルでの入力が3,000W・トータルで6,000W入力・IoTアプリのリモートコントロール。

Bluetti B480は4,800WhのバッテリーでBluetti NA300に2台まで接続可能。合計すると12,600Whになります。

販売はまだ先になりそうですがとても興味深いプロダクトです。

今回はナトリウムイオン電池の勉強も兼ねて記事を書いてみました。

もう少し勉強をして深い記事にしていきたいと思っています。

2023年に入ってもBLUETTIはポータブル電源業界で最も先進的な製品を次々発表しています。

以下の記事で、BLUETTIの会社概要や信頼性を解説しております。

BLUETTI 株式公開!会社概要、信頼性、将来性について詳しく解説

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