
ミドルレンジ(1,500Wh〜3,000Wh)のポータブル電源市場は非常に競争が激しくなっています。
Jackery、EcoFlow、BLUETTI、Ankerなどなど。
本記事ではこのクラスで主役になりうるポテンシャルを持つ美しく革新的な製品をご紹介します。
Zendure社はカリフォルニアのシリコンバレーと中国のグレーターベイエリアに拠点を置いています。
Zendure社の製品は日本を含め、世界100か国以上で販売され、何百万人もの人々に使用されています。
管理人が実際に使ってみて感じた、他社にはないユニークな特徴を3つ取り上げてレビューを綴っていきたいと思います。
充電時間は最速レベルであり、AC出力もほぼ全ての家電が使えるハイパワー。デザインは高級感があり、美しく、所有欲が満たされる。
また、炭素削減を追跡し、世界中に本物の木を植えるため使用できるクレジットを獲得できる最初のIoTデバイスとなります。
Zendure社は、アウトドアブランド PATAGONIAのような製品性能だけでなく、世界を良くするための行動にも積極的な企業という印象です。
「ZENDURE SuperBase Pro」には、2000と1500の2モデルがあります。
「ZENDURE SuperBase Pro 1500」はリン酸鉄リチウム電池搭載です。
この記事では「ZENDURE SuperBase Pro 2000」の実機を用いてレビューしていきます。

特徴1 Apple製品のようなシンプルデザイン

製品を見たときにひときわ目につくのが高級感あるデザインです。
一般的なポータブル電源にありがちなプラッキーな印象が全くありません。
外装はSuperBase Pro 2000/1500共に軽くて頑丈なPC/ABSを採用し、UL94-V0規格準拠の難燃性仕様。
一つ一つのパーツに妥協が見えず、細部まで作り込まれています。
「伝統的なアウトドアのイメージのデザインではない、洗練された外観もお客様が所持する高い満足をいただけるものと考えております(ZENDURE社)」とのこと。
その証左かSuperBase Proは2021年度のグッドデザイン賞獲得。
参考記事:Award-winning item portable power station [ZENDURE SuperBase Pro]
次に6.1インチの大型ディスプレイ。太陽の下でも見やすい表示です。
パフォーマンス、システム情報、バッテリーの状態などに関するリアルタイムのデータを得ることができます。
ディスプレイの情報はアプリでも同じように見ることができます。

付属の頑丈な工業用ホイールと強力な折りたたみ式ハンドルにより、頻繁にフィールドへ持ち出す方にとって素晴らしい選択肢になります。

キャンプや車中泊、バンライフのために、頑丈に作られたポータブル電源を誰でもどこにでも簡単に持ち運ぶことができます。
管理人(女性)でも楽々移動させることができます。
21.2kgあるので長時間持つことはできませんが、ホイールがあることである程度の距離(駐車スペースからキャンプスペースまでとか)は持ち運ぶことができます。
ZENDURE社が想定している使い方はアウトドアギアとしてのポータブル電源です。
アウトドアと一言に言っても様々なニーズがあります。車中泊という楽しみ方や広い場所でドローンを飛ばしたり、動画の撮影や編集をしたり、アウトドアで映画を楽しんだり。
新しいライフスタイルを提案できるように、利用したい時にすぐ使える高速の充電機能や、高いポータブル性能を備えています。
デザインと利便性や最先端機能がしっかり構築され、無駄のない研ぎ澄まされた製品が作り出されました。
特徴2 最速レベルのAC充電スピード

容量2,096Whが家庭用AC1500W壁コンセントからわずか1時間で70%、そして2時間でフル充電に。
例えば、SuperBase Proより容量の少ない1,534Whの「Jackery ポータブル電源 1500」はフル充電に7.5時間かかります。
ミドルレンジクラス最速と言われている容量2,016Whの「EcoFlow DELTA Max2000」が最大1,500W、2時間でフル充電なのでほぼ同等。
SuperBase Proは容量2,000Wh帯では最速クラスと言えるでしょう。
充電環境や状況に応じて充電スピードをアプリで変えることができます。
実際にアプリで充電スピードを制御した様子を動画にしました。アプリ操作音やファンの音がなりますのでご注意ください。
家庭用のACコンセントからの充電は1,500Wです。
ソーラーパネル発電 実証実験
ソーラーパネルなら最大AC1,800Wでの充電も可能。

ソーラーパネル3枚まではMC4/XT60ケーブルを、3枚以上最大9枚まではMC4/ACケーブルを使用して本体に充電します。

ソーラーパネルでの充電スピード実証実験は2021年12月19日に行いました。

場所は茨城県かすみがうら市(キャンプ用の土地を借りています)。天気は晴れ。気温2度。時間は8:00〜11;00の間。

ソーラーパネルは今回共にクラウドファンディングに出品されている「Zendure ソーラーパネル200W」です。
発電量やその発電量でフル充電になるまでの時間がアプリで確認できます。

この日の最大発電値は230Wでした。
今までに使ってきたソーラーパネル(エコフローやエレカンタなど)で最も発電能力が高く感じました。
SuperBase Pro内蔵のMPPT回路の性能が他社よりも優れているのかもしれませんね。
特徴3 組み込み4G loTを用いてアップデートやGPS、盗難防止をアプリ操作で行える
SuperBase Proには、コンパニオンアプリと通信するためのWi-Fiおよび4G接続が組み込まれており、リモート構成、位置追跡、カーボンオフセット監視などの機能を備えています。
この章ではCo2削減チェックと盗難防止についてご紹介します。
アプリによるCo2削減チェック機能について
環境への影響が定量化され、クリーンエネルギークレジットにより、ユーザーは自分の名前で本物の木を植えることができます。
一般的な燃料発電機で発生したであろうCo2排出量を「SuperBasePro」に置き換えたCo2削減分をアプリ上で”可視化”し、その分をZENDUREが植樹をするという施策を実施します。
ZENDUREは、意識的にエコロジーへ目を向けている事がわかりますね。
詳しくは以下の記述を参考にしてください。
Zendure’s commitment to environmentalism shines through in another feature on the app, called ZenForest. As the user takes advantage of green energy, ZenForest tracks the effective carbon reduction, awarding points along the way. With these points, Zendure plants real trees around the world in the user’s name, through a partnership with One Tree Planted. Zendure’s ambitious goal is to plant 10 million trees by 2025.
引用:CISION PR Newswire
管理人意訳:Zendure社の環境保護への取り組みは、ZenForestと呼ばれるアプリ機能で際立っています。
ユーザーがグリーンエネルギーを利用すると、ZenForestは効果的な炭素削減を追跡し、その過程でポイントを獲得します。
このポイントにより、Zendure社は「One Tree Planted」とのパートナーシップを通じて、ユーザーの名前で世界中に本物の木を植えています。
Zendure社の野心的な目標は、2025年までに1,000万本の植樹を行うことです。
ZenForestをアプリ上で動かしている動画です。よろしければご覧ください。
ZENDURE社は環境のことを考え、ソーラー発電の機能性に重点を置いています。
エコフロー社などが扱っているような「本体への充電可能な発電機」の販売をする予定ないとのこと。
あくまでも地球環境のことを考えながら、持続可能な電力供給システムを作り上げようとしているようですね。
LBS位置情報サービスによる盗難防止機能
この項についてはコメントをいただきましたので、Zendure社に問い合わせをした上での回答になっています。
news様より以下のような質問をいただきました。
リポート、興味深く拝見しました。
盗難防止・位置情報機能がどんな風に働くのかに興味があります。避難所なんかで施設が用意したタップで大人数が充電する様な場合、携帯電話の盗難という事例を聞くことがあります。その場に数時間じっとしているわけにもいきませんから、位置をずらすと大音量が鳴るといった仕組みでもいいのですが、何がしかあると安心できそうです。
LBS位置情報サービスの概要についてZendure社に質問をいたしました。
まず、Zendure社としては4Gを用いたIoT(Internet of Things)が他社との差別化要素と考えているそうです。
確かにアプリで制御できるポータブル電源(Bluetti・EcoFlowなど)は多々あります。しかし、容量のチェックやLEDの点灯などリモコン的な機能でしかありません。
4Gを用いてアップデートや位置情報を確認できるのは唯一無二かもしれません。
「ZENDURE SuperBase Pro」4G IoTで可能なことは以下の4つ
- 遠隔操作ができる
- 離れたSBPの充電状況がリアルタイムでわかる
- アプリより充電が少なくなったら通知などできる(今後実装予定)
- 位置情報アプリで、災害時に電力がどこにあるか確認でき、盗難防止として使用可能
位置情報を用いた盗難防止や災害時の電源確保情報提供などは、今の所は「ZENDURE SuperBase Pro」の独擅場です。
さて、news様の質問への回答に参ります。
盗難防止機能はどのようなものかというと、
「ZENDURE SuperBase Pro」の4Gネットワーク(GPS測位機能付き)をオンにすると、ユーザーはアプリを通じて「SuperBase Pro」の位置を確認でき、「SuperBase Pro」のホストをリモートロックして出力不可にできます。
このような間接的な方法で盗難防止機能を実現します。
アラート音が鳴る仕組みはありませんが、出力できないようロックできます。
LBS位置情報サービスの日本での課題もあります。
LBS位置情報サービスでどこに「SuperBase Pro」が置いてあるのかわかります。
盗難防止にはいいですが日常的にオンになっていると日本向けのサービスとして向かないかもしれません。
キャンプ場での使用(盗難も多々あるので)や災害時にどこに電力があるかを教えたりするところから始めるのがいいのかな。
ユーザー同士が繋がる機能ON/OFFがあればとても実用的な技術だと思います。
ということで回答としては、「盗難防止のブザーはならないが出力をロックすることで使用を不可能にできる」です。
ここからは私見。盗難されたことにはアプリをリアルタイムで見ていないと気づきませんが、使用不可にできれば盗んだ意味をなくせます。
盗難防止というより盗難無効かな。「盗んでも遠隔ロックできます」って張り紙をしておけば盗難抑止になるかもしれません。
どちらにせよ、今までのポータブル電源と違い、盗まれた後に悔しい思いをするだけではない機能が付帯しているのは大きなメリットだと考えます。
ドライヤーを使ってみよう
SuperBase Pro2000でドライヤーを使ってみました。なお、SuperBase Pro1500も2000と同じ出力パワーなので同じようにドライヤーが使えます。
使用したドライヤーは、「SALANIA(サロニア) スピーディーイオンドライヤー」です。
参考:SALONIA サロニア スピーディーイオンドライヤー(amazon))
髪が乾くのが早いので使用時間が短くすむ省エネドライヤー。
サロニアの風量調節は、TURBO(強い温風)・SET(やや強い温風)・COOL(冷風)の3段階。
TURBO(強い温風)の時に最大1200W(カタログ値)の電力を使用します。
結論としては、ご家庭のコンセントと同じようにドライヤーが使えます。
COOL(冷風)の時は75W程度の電力量
SET(やや強い温風)の時は600W程度の電力量。
管理人(女性)はセミロングですが、この設定で十分しっかり乾かすことができます。
TURBO(強い温風)の時は1,350W程度の電力量
「出力数」や「この出力であとどれくらいの時間使えるか」といった情報はアプリも確認ができます。
以下の動画が実際にドライヤーを使ってみた様子です。ドライヤーの音が鳴りますのでご注意ください。
参照:ZENDURE SuperBase Pro キャンプでドライヤー(サロニア)が使えるポータブル電源
SuperBase Pro フォトレビュー

写真を使って機能説明を行います。
基本性能はZendure SuperBase Pro 2000と1500で共通です。
バッテリーが異なりますが「Zendure SuperBase Pro 2000と1500の違い」の項で説明します。
サンプルはZendure SuperBase Pro 2000。
正面はディスプレイ・Type-Cポート・DCポート・Ambient Light


前面ロゴマークの下にDC出力ポートが並んでいます。
Type-C100Wポート2口、Type-C20Wポート2口、DCポート3口という構成。
「あれ、よく見るタイプのUSBがないなぁ」と思いませんか?
SuperBase ProにはUSB Type-Aポートは搭載されていません。
気になりましたのでZENDURE社に質問をしました。
- Type-Aポートを捨てた理由を教えてください。ポータブル電源に不慣れな方にはマイナス要因に感じます。
-
当社のモバイルバッテリーSuperTank ProもType-Cのみで提供することに、大きな反響をいただきました。配置するポート数には物理上制限が生じます。モバイルバッテリーにおいてPowerDelivery高出力に強みを持っている。またユーザーに様々な製品をUSB経由で充電できるようになった事を知っていただき、より高い利便性をご享受いただきたいと日頃より願っていますので、全てのUSBポートをType-Cと致しました。ただし、Aポートの方が便利なケースもありますので、付属品としてC-Aのアダプタを同梱しております。
今後Type-C充電方式がメインになっていくと思われますので英断と言えるでしょう。また互換アダプターも付属しますので誰もが困らないようになっています。実際、管理人はUSB-Aを全く使わなくなりましたね。

Type-Cポートに差し込まれているのがアダプターです。
こんな小さなパーツもデザイン性を損なわない美しさ。

最下部にはアンビエントライトが搭載されています。
カラーは9色あり、アプリで簡単に変えることができます。
キャンプ場で夜間に使うとサイトが綺麗に見えそうですね。
左側面・右側面はACコンセントやinputポート
左側面は上部がファン、下部がACコンセント6口・シガーソケット
右側面は入力に関するものが集まっています。
主に使うのはXT60とACですね。
背面・持ち手・キャリーハンドル
背面はポートがありません。
全体的な作りや持ち手がしっかりしていることがわかると思います。




同梱物
同梱物はユーザーマニュアル・製品保証書・アクセサリーポーチです。
アクセサリーポーチの中にMC4ケーブル(ACタイプとXT60タイプの2本)、AC充電ケーブル、USB C/A変換アダプターが入っています。
アクセサリーポーチはIP34相当レベルの防水防塵性能があるそうです。




200Wソーラーパネル3枚まではXT60を利用します。
ソーラーパネルへの接続端子がMC4なので他社製品でも繋ぐことができます。

200Wソーラーパネルを3枚以上最大9枚まではACケーブルを使います。
こういったケーブルが付属されているのは初めて見ました。


AC充電ケーブルなのですがスッキリしていますね。
そう、ケーブルの真ん中についているACアダプターがないのです。
充電中に「ACアダプターが熱を持ってこわい」という声がよくありますが、その心配はありません。

上の図解のようにSuperBase Pro内部で交流を直流に変換しています。
SuperBase Pro内部にはファンがありますので熱がこもることなく充電ができます。
なぜ、こんな変換が必要なのかについては「ポータブル電源のDCとは」で記述しています。
アプリで日中と夜間で充電システムを変えるスケジュールを組むことは可能か?
地震雷火事名無し様から質問をいただきました。ありがとうございます!
イメージ的にはテスラのPowerwallみたいな感じですかね。
- スケジュールを組む事が出来るでしょうか。普段、日中は本体からの給電で、深夜電力帯の時は充電+パススルーと日常的に使おうと考えています。手動で切り替えずともスケジュールを組めるのか気になります。
-
アプリ等でスケジュールを組むことは現状できません。アプリでタイムスケジュールは組めず、あくまでバッテリーの%に依存しているとのことです。
「日中は本体から家電に通電し、夜間電力で100%にまでもっていきパススルー」というのが現実的な使い方になると思います。全自動ではないので面倒ではありますね。
バッテリーが100%未満の場合、充放電を同時に行います。もしフル充電の場合、バッテリーを介さず放電する、とのことでした。
アプリから、「電力が**%を下回ったときに充電、電力が**%に達したら充電を停止する」と設定することができます。このやり方でも擬似的にスケジュール的なものができます。
「現状はできない」と書きましたが、SBPの大きな特徴に4G組込があります。ファームウェアをアップデートすることで新しい機能を追加することが容易です。
必要性は本社でも理解しているようなので将来的にスケジュールが組めるようになるかもしれません。
オプションの防塵カバーについて

オプションで販売されている防塵カバーもこちらで紹介します。
本体とセットになっても良いほど必須のアイテムで出来も素晴らしいものです。
折り畳んだ状態はコンパクト
すっぽりと被せてみるとこんな感じ
ほんとよくできていてハンドルの部分にはチャックがあります
ハンドルを使うときはこのようにして開閉できます
ファンがある部分は象の耳のように開くことができます。熱もこもらず安心。
ダストカバーの2つのファン部分(AC側と入力側)を常に開くことで、ダストカバーを外さずにSBPを長期間使用・作業できます。
素材は厚みがあり少しは防水もしそうです。
一応、防塵がメインとしてお考えください。
キャンプ場ですと土埃や焚き火の煙などが待っていますのでカバーがあった方がポートにゴミが入らず安心。
ソーラーパネル ZD200SPについて

ZENDURE SuperBase Pro純正ソーラーパネルZD200SP。
純正なのでSuperBase Proと組み合わせるのであればZD200SPがぴったり!
実証実験は「ソーラーパネル発電 実証実験」の項にあります。
200Wソーラーパネルで最も売れているであろう「Jackery SolarSaga 200」と比較をしてみますね。
ZENDURE | Jackery | |
---|---|---|
価格 | 80,900円 | 55,000円 |
展開時サイズ(cm) | 高さ57 横231 厚み3 | 高さ54 横235 厚み2.5 |
重量 | 7.5kg | 8kg |
電圧(Vmp) | 18V | 19V |
電流(Imp) | 11A | 10.8A |
開回路電圧(Voc) | 25V | 24.2V |
コネクター | MC4 | DC7909 |
防塵防水 | IP67 | IP67 |
ほぼ同性能ですね。カタログ値は参考でしかないので、実際に同じ条件で使ってみないとわからない部分もあります。
SuperBase Pro純正ソーラーパネルZD200SPだとMC4コネクターなので大体のポータブル電源(EcoFlowなど)に繋ぐことができます。
しかし、定価が高いですね。MC4形式の200Wソーラーパネルは他社からも出てますので純正に拘らなくてもいいと思います。
Q&A:AC入力でソーラー充電しながらの給電が可能か?またその時にUPSが機能するのか?

メリットの一つに「ソーラー充電でも入力1800Wを受けられる(ソーラーパネル据え置きの方などにおすすめ)」があります。
メリットではあるのですが、それがどのように使えるのか?という疑問もありますよね。
anさまより質問を頂きましたのでお答えしていきます。
ソーラー充電での運用をメインに考えてるんですが、AC入力でソーラー充電しながらの給電は出来るのでしょうか、その時UPS機能が働くのかどうかを検証してもらいたいです。
MAKUAKEの仕様にはAC入力時のみパススルー可能との記述があったのでパススルーはできるとは思うのですが、UPSの仕様や条件については言及がないので検証してもらえるとありがたいです。
まずUPSが作動しない条件を聞いてみました。
UPSが作動しない条件はソーラーからACケーブルで充電している時との回答でした。
残念!かなり重要な機能のような。
AC入力がソーラーパネル充電の場合、AC出力はできませんがDCから給電することができます。
ACコンセントからの出力はできませんが、DCポートからの出力はできます。DCやUSB-Cは使えるということです。
同梱品の項でも説明していますがケーブルの使い分けを再掲
- XT60ケーブルでの充電:ソーラーパネル1枚から3枚まで(最大600W)
- ACケーブルでの充電:ソーラーパネル4枚から9枚まで(最大1,800W)
ACケーブルからの充電はダメだとするとXT60ケーブルだとどうでしょう?
「ソーラーAC充電中はパススルーができませんが、XT60からの入力でしたら可能」とのこと。600Wまでの入力であればパススルーが可能です。
例えばJackery1500でもソーラーからの最大入力値は400Wなので、600Wでも他社に見劣りするものではありません。
今は使えない機能があってもファームウェアアップデートで使えるようになることもあります。
実際、実機を受け取ってから4Gでアップデートをしましたが、機能がたくさん増えていました。「今からアプデしまーす」って連絡が来て、SuperBase Proが4Gでどこかと交信をする。そうすると機能が増えている、ちょっとびっくり!
既存製品のように購入した時点で性能が固定されるわけではなく、今よりも良くなる可能性のある製品と考えていただくと面白いのではないでしょうか。
Zendure SuperBase Pro1500と2000の違い
電力の出力値や入力値、プロセッサや4G接続、同梱物は共通です。
しかし、使用されているバッテリーが異なります。
とても差が出る部分ですので大きく異なる点を表にしました。
SuperBase Pro 2000のバッテリーは三元系リチウム(NMC)。
SuperBase Pro 1500のバッテリーはリン酸鉄リチウム(LiFePO4)。
重量・充放電サイクル・安全性に違いが出てきます。
比較要素 | SBP2000 | SBP1500 |
---|---|---|
価格 | 289,000円 | 249,000円 |
サイズ | 横446mm 高さ276mm 奥行き352mm 21.2kg | 左に同じ 21.8kg |
容量 | 2,096Wh | 1,456Wh |
バッテリー種別 | 三元系リチウム(NMC) | リン酸鉄リチウム |
充放電サイクル | 3,000回 | 6,000回 |
容量重視の方なら2,096Wh&充放電サイクル1,500回以上の「SuperBase Pro 2000」、バッテリー寿命重視の方なら1,456Wh&充放電サイクル3,000回以上の「SuperBase Pro 1500」がおすすめです。
災害対策を重視するなら「SuperBase Pro 1500」の熱安定性が高いリン酸鉄リチウム電池を選んだ方がより安心できます。
リン酸鉄リチウム電池搭載ポータブル電源の中でのポジショニングについては以下の記事でご紹介しています。
参考記事:リン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブル電源を紹介します
Jackery1500との比較

容量が近くて、1,500Whクラスで最も売れている「Jackery ポータブル電源 1500 PTB152」と比較してみます。
最も売れている製品をベンチマークにしてSuperBase Pro1500がどのような製品なのか分かりやすくなることが狙いです。
SBP | Jackery | |
正規価格 | 249,000円 | 179,800円 |
容量 | 1,500Wh | 1,534Wh |
AC出力 | 2,000W AmpUpで3,000W | 1,800W |
AC数 | 6口 | 3口 |
USB出力 | PD60W 2口・PD100W 2口 | USB-A 1口・QC3.0 1口・PD60W 1口 |
重量 | 21.8kg | 約16kg |
電池種別 | リン酸鉄 | 三元系 |
ソーラー接続in | 1,800W | 400W |
最速充電時間 | 2時間 | 7.5時間 |
容量と出力は大きな違いはありません。一応、SuperBase ProにはAmpUpモードといって最大3,000W出力までのデバイスを稼働可能にする機能があります。価格はJackeryの方がだいぶ安いですね。
大きく変わるのは入出力性能と充電時間です。
ACコンセントの数はSuperBase Proには6口あるのでJackeryの2倍。USBはSuperBase ProはType-Cのみ4口(60W・100W)、JackeryはUSB-A 1口・QC3.0 1口・PD60W 1口の計3口。
Type-Aの方が便利!という方もいらっしゃると思うので、どちらが良いではなく利便性が良い方が(その人にとって)評価が高いということで。
充電速度は大きく差があります。2時間と7.5時間だと利便性にかなりの差が出ます。
Jackeryは別売りのACアダプターを1本増やせば、Twin Turbo(ツインターボ)システムにより4時間まで充電時間を短縮できます。
使われているバッテリーはJackeryが三元系リチウム電池、SuperBase Pro1500はリン酸鉄リチウム電池。充放電サイクルはリン酸鉄リチウム電池が三元系リチウム電池の2倍と言われています。また、安全性もリン酸鉄リチウム電池の方が高いと言われることが多いです。
アプリで本体を制御できるのはSuperBase Pro1500だけ。
製品の方向性が違うので単純に比較はできません。
SuperBase Pro1500は、市場で最も売れているJackery1500の競合に十分なりうるなぁ、というのが感想です。
まとめ:Zendure社について
ZENDURE社(ゼンデュア)は、「“Make power available everywhere(あらゆる場所でパワー=電力を利用できるように)”」をミッションに2013年アメリカ シリコンバレーで設立された充電関連製品のテクノロジー企業。
モバイルバッテリー、ポータブル電源、およびその他の充電技術の注目すべきブランドです。
参考:ZENDURE公式サイト
ポータブル電源はメンテナンスやアフターフォローが重要な製品。そこで気になるのがカスタマーサービス体制ですね。いくら安かったり、性能が良くても販売会社が数年後に消滅しているのでは安心して使うことはできません。
ではZENDURE社はどのように日本展開を考えているのでしょう?
ということでZENDURE社に質問をしてみました。当サイトとしてもしっかりしたブランドのポータブル電源を読者の方におすすめしたいので見逃せないポイントです。
- 日本でのカスタマーサービスの体制を教えてください。また、今後5年でどのように拡張・拡充していきますか?
-
日本では2019年に日本法人を設立し、国内にサポートセンターを設け、大手の家電量販店や雑貨店、また企業や大学様などに製品を提供して安心してご利用いただいております。
コールセンター対応やZENDUREジャパンのホームページのお問い合わせフォームなど、当社カスタマーサクセス部門へのコンタクトは非常に容易となっております。
ZENDUREはSuperBase Proシリーズを代表とするポータブル電源の事業の将来性を見込まれ、グローバルで大きな出資を受けました。SuperBase ProおよびSuperBaseシリーズはライフスタイル毎に容量や出力、機能の異なるラインナップを揃えるロードマップを既に用意しております。また、4G回線とAppからなるIoT機能は後からも拡張するサービスを提供し、ユーザーの利便性を向上し続けてまいります。
これらの製品に対して、利用方法についてのお問い合わせ等はもちろん、国内での修理にも対応し、ユーザーにより寄り添った体制を拡張してまいります。
今後、様々なタイプの製品を日本市場に投入、カスタマーサービスも拡充していくとのこと。高額な製品を購入しても安心なブランドだと思います♪
SuperBase Proはライフスタイルに合わせて2モデルから選ぶことができます。
容量重視の方なら2,096Wh&充放電サイクル1,500回以上の「SuperBase Pro 2000」、バッテリー寿命重視の方なら1,456Wh&充放電サイクル3,000回以上の「SuperBase Pro 1500」がおすすめ。
AC出力2,000Wなのでほぼ全ての家電を使うことができます(AmpUpテクノロジーで最大3,000W出力)。
SuperBase Proは、ホームグレードのUPS機能を備えています。停電時に家庭の電源を維持するもの。予期しない停電があなたの生活に影響を与えることはありません。
SuperBase Proはポータブル電源市場で最も頑強と言えるでしょう。
高品質の素材で作られたスーツケースのようなポータブル電源は、強力な伸縮式アルミニウムハンドル、頑丈なホイールが備わっているため公道もキャンプ場も、あらゆる地形を簡単に誰でも移動できます。
純正ソーラーパネルを用いれば最大22.5%の変換が可能です。調整可能なキックスタンドを付属しているため、どこにでも簡単に配置して太陽光の恩恵を得ることができます。
SuperBase Proを最大限生かすためにソーラーパネルとの一緒に購入されることを提案します。様々なメーカーの製品を使ってきましたが、ソーラーパネルとポータブル電源の組み合わせではSuperBase Proが最も強力でした。

リポート、興味深く拝見しました。
盗難防止・位置情報機能がどんな風に働くのかに興味があります。避難所なんかで施設が用意したタップで大人数が充電する様な場合、携帯電話の盗難という事例を聞くことがあります。その場に数時間じっとしているわけにもいきませんから、位置をずらすと大音量が鳴るといった仕組みでもいいのですが、何がしかあると安心できそうです。
news様
記事を読んでいただきありがとうございます。またコメントも嬉しいです!
盗難防止・位置情報機能についてはZendure社に質問をするとともに実証もしてみます。この製品が普及すれば、災害時にGoogleマップに落とし込んだりして充電難民の方を減らすことができるかもしれませんね。
お返事まで少々お時間をください。
お待たせいたしました。追記を致しましたのでお時間がある時にご覧ください!
LBS位置情報サービスによる盗難防止機能
(アンサー遅くなってすみません)
なるほど、こう言う仕組みなのですね。機能拡張にも期待です。
はじめまして。
1500とソーラーのセットで決断しました。
実機があると言う事でいくつかお聞きしてみたい事があります、よろしくお願いします。
まず持ち手ですがキャリー用のハンドル部分も持ち手に数えても良い様な物でしょうか。
移動は屋内外問わず大部分キャリーで何とかなるでしょうが、必要に応じて持ち上げる必要は少なからずあると思います。中央の持ち手だけでなくハンドルも持ち上げに使える様なら良いなと思います。
次に、スケジュールを組む事が出来るでしょうか。
普段、日中は本体からの給電で、深夜電力帯の時は充電+パススルーと日常的に使おうと考えています。
手動で切り替えずともスケジュールを組めるのか気になります。
最後に、本体の通気口は吸気口と排気口で別れていますか。上記のように日常的に使う事を想定してますので、おそらく決まった場所に設置すると思います。その為埃とかが溜まりやすいかな、内部に入らないかなと懸念してます。吸気口にフィルターを貼って定期的に掃除機をかけても問題ないか気になります。
リン酸鉄リチウムは熱安定性が良いみたいな記述を目にした事がありますが、これは三元系(SBP2000)よりも発熱しにくい物と捉えても良いのでしょうか。
地震雷火事名無しさま、コメントありがとうございます!
ご質問の要旨としては以下の4つと考えました。
1.キャリー用のハンドル部分も持ち手に数えても良い強度なのか?
2.アプリで日中と夜間で使い方を変えるスケジュールを組むことは可能か?
3.本体の通気は吸気口と排気口でわかれているか?埃や汚れ対策に関すること。
4.リン酸鉄リチウムと三元系における発熱の違い
質問2と3は確実性のためにアメリカ本社へ問い合わせをしています。購入における重要事項ですものね。
1の質問について。キャリーハンドル部分は持ち手とは考えない方が良いです。本体の重みで折りたたみ部分のロックが外れてしまうと思います。
管理人(20代女性)でも中央の持ち手だけで、家と駐車場(30mくらい)の移動が可能です。あまり心配なさらないでも平気かと思われます。
4の質問について。ZEDUREさんもMakueke内で電池の違いを説明していますのでリンクを貼っておきますね。
SuperBase Proのバッテリーの秘密をご紹介!
当サイト「ナトリウムイオン電池のデメリット」に電池別の特性レーダーチャートが貼ってあります。
世界的にも安全性・ライフサイクルの長さではリン酸鉄リチウム、単位あたりの電力容量や電力効率では三元系と考えられています。
発熱量が少ないと考えられているのは三元系です。リン酸鉄リチウムは発熱があっても熱暴走が少ないので安全と言われています。
安全を担保する仕組みが違う感じですね。
ZENDURE社から回答がありましたら、お返事を追記いたします。
回答ありがとうございます。
1については、まぁそうだろうなと予想通りでした。持ち手と同時に使えればより持ちやすくなって良いのですけどね、しょうが無いです。
発熱量自体も三元系のが少ないのですね。何となく発熱量も少ない物と思ってました。
発熱はしにくいけど熱に強靭ではない三元系と、発熱はするけど熱に強靭というリン酸鉄て感じですか。
回答の追加です!
皆様にも参考になるかと思いましたので記事内にてお答えしました。
アプリで日中と夜間で充電システムを変えるスケジュールを組むことは可能か?
通気口と埃の問題に関してはこちらで。
SuperBase Proには両サイドに2つの吸気ファンポートがあり、2つとも排気口です。通気口と排気口は分かれておらず排気口が通気口にもなっているようですね。
別売り(5,900円)にはなってしまいますが、防塵カバーの2つのファン部分(AC側と入力側)を常に開くことで、防塵カバーを外さずに長期間使用・作業できます。想定されている使用環境では防塵カバーが効果的だと感じました。
また、質問がありましたらお待ちしています!高額な商品なので疑問点を払拭してから購入していただきたいと思っています♪
すみません。
1番下にコメントしたつもりが返信と言う形になってしいました…。
ソーラー充電での運用をメインに考えてるんですが、AC入力でソーラー充電しながらの給電は出来るのでしょうか、その時UPS機能が働くのかどうかを検証してもらいたいです。
MAKUAKEの仕様にはAC入力時のみパススルー可能との記述があったのでパススルーはできるとは思うのですが、UPSの仕様や条件については言及がないので検証してもらえるとありがたいです。
anさま
コメントありがとうございます!
・ソーラー充電をAC入力で行った際に給電できるのか?またUPS機能が動くか?
・UPSの仕様や条件について詳しく
ということでよろしいでしょうか。
米国本社へ質問をしていますので少々お時間をください!
UPS機能の検証もその後行います。
示唆に富んだコメントをありがとうございました。相当お詳しい方だと思いますので変な回答はできないと気を引き締めております。
お待たせいたしました。追記を致しましたのでお時間がある時にご覧ください!
Q&A:AC入力でソーラー充電しながらの給電が可能か?またその時にUPSが機能するのか?
ZENDURE社がポータブル電源の廃棄処理や回収リサイクルをどう考えているのかを聞きたい
bnrさま、コメントありがとうございます!
ZENDURE社に聞いたところ以下のような回答でした。
「ZENDURE ブランドのモバイルバッテリー、ポータブル電源の廃棄は全てメーカー回収いたします(有償)」
ポータブル電源の捨て方は自治体によって異なっていて分かりにくいので、有償とはいえメーカーが回収してくれるのはありがたいですね。
回収価格は質問をしています。
現在、独立電源として太陽光パネル発電し自動車鉛バッテリーにて蓄電を行っているシステムをzendure superbase Proに置き換えればと考えております。
雨天や曇りの際に太陽光パネルで発電量が減少し、指定のバッテリー蓄電圧まで降下した際は自動的に商用電源でバッテリーを充電し補う仕組みになっているのですが、zendure superbase Proで同じような動きが可能でしょうか。
よろしくお願い致します。
しゅう様、コメントありがとうございます!
本国のエンジニアに質問をしていますので少々お時間をください。
しゅう様、返信が遅くなりました。
以下がエンジニアからの回答です。
「太陽光パネルでの発電量が減少した場合、手動で商用電源に切り替える必要があります。従いまして雨天や曇りの際は商用電源での充電をお勧めします。
また、太陽光パネルと商用電源のいずれかを優先した充電を設定できず両方からSuperBase Proをフル充電します。」
現状では全自動でのシステム構築はできないということですね。4Gでのファームウェアアップデートができるので今後機能が追加される可能性はありますが。
確認して頂きありがとうございます。
ファームのバージョンアップで機能が追加されたら購入したいなと思います。
またよろしくお願いします。