地震や台風、大雨、大雪といった自然災害によって電力供給がストップした場合でも、スマホの充電や家電製品の使用が可能となるポータブル電源が、急速に売り上げを伸ばしています。
私がこのサイトを作成し始めた背景には、東日本大震災で家族を失うという痛ましい経験があります。
便利なポータブル電源ですが、本質的には大容量のバッテリーを積んでいる、危険も内在する製品であることを忘れてはなりません。
その利便性と引き換えに、発火事故などのリスクが潜んでいます。
実際、ポータブル電源の購入を検討している方の中には、その安全性について不安を感じている方も少なくありません。
しかし、ポータブル電源の普及が進んでいるにもかかわらず、どうしてこのような状況が続いているのでしょうか。
その原因として、いくつかの点が挙げられますが、中でも注目すべきことにポータブル電源は「電気用品安全法」の規制対象となっていないという事実があります。
つまり、現時点では、安全性に問題のあるポータブル電源が市場に流通するのを事前に阻止するメカニズムが存在しないのです。
このページでは、その対策法ではなく、実際に起きた火災や発火事故の事例を集約していきます。
その事例から何かしらの共通点や原因が見つかるのではないかと考えています。
ある程度の事例が集まれば、「ポータブル電源を扱う際に避けるべき行為」が明らかになることでしょう。
「電気用品安全法」の規制対象となっていないという点、PSEマークについては別記事「ポータブル電源の安全性や規制について」で解説をしています。
消費者庁の担当者は「ポータブル電源は、災害時の備えなどのために広く販売されている製品で一概に危険というわけではない」と話しています[2]。
危険性も喚起しつつ、しっかりしたメーカーから購入し、定められた使い方をすれば安全であることを伝えていきたい、と思ってます。
ポータブル電源の事故情報(2023/05/25更新)
工業製品の事故情報は、「独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)公式サイト」で確認することができます。
以下の表はNITE公式サイト内の事故情報(2023/05/25現在)をまとめたものです。
登録されている事故は6年間(2017年〜2023年)で28件でした。
そのうちの6件が「PS5B」という同一品番。
→ メイヤンパワー新エネルギー有限公司「ポータブル電源「PS5B」用ACアダプター」使用中止(消費者庁)
製造・輸入・販売業者が不明なものが多いです。アリババなどで適当にOEM製品を作り、製造ロット分を売り払ったら会社を解散してしまうのでしょう。
こういった会社には当然是正勧告も懲罰も何もありません(連絡先がないから)。
つまり、得体の知れない会社の製品に2年保証や故障品の交換がついていても無駄ということです。
事故件数が1件のELECTRO 500もリコールになっています。Freeman500へ無償交換になってますね。会社がしっかりしていれば、こういった対応をしてくれます。
→ アイパー・ジャパン 「ELECTRO 500」無料交換(リコール)のお知らせ
製品寿命が終わるまで会社が存続しそうなブランドから購入するというのも危険回避の一つかもしれませんね。
ポータブル電源の事故ニュース記事のスクラップ
最終更新日:2023年6月5日
ネットニュースで見つけたポータブル電源関連の事故をスクラップしていきます。
日々、事故が起こるわけではないので月に1回くらいの頻度で更新します。
- Jackery ポータブル電源 700 当該製品を焼損する火災が発生した。(経産省/2022年5月10日追加)
- 「アマゾン」で購入した中国製バッテリーから出火 事業者はどこまで責任負うべきか(産経新聞/2022年5月8日)
- リチウムイオン電池を充電中「ボンという音」…2階建て全焼、車いすの男性がやけど(読売新聞/2022年4月1日)
- ポータブル電源の異常発熱に注意、横浜市では火事3件 注意点は?(朝日新聞デジタル/2022年2月13日)
- 製品の使い方を誤った火災が発生!(滋賀県高島市/2022年1月28日)
ポータブル電源の事故回避のため参考になる記事のスクラップ
ポータブル電源を安全に扱うための参考になれば。
- リチウムイオン電池で発熱や発火が起きる要因を整理しよう(MONOist)
- 防災にも便利なポータブル電源で事故続出!いい製品の見分け方は?(TBS RADIO)
- 不要になったモバイルバッテリやポータブル電源、どうやって処分する?(PC Watch)
- リチウムイオンバッテリーが「爆発」する5つの理由(WIRED)
- 「ポータブル電源」の疑問&危険性。車に乗せっぱなしでいい?廃棄方法は?専門機関に聞く(GetNavi)
- 助手席で火が出て車全焼も…モバイルバッテリー発火 どうすると危険性高まるのか 気を付けるべき4つのコト(東海テレビ)
- 【閲覧注意】爆発したバッテリーが原因で車両火災が発生!リチウムサブバッテリーの発火リスク(YouTube/クロワークス KUROWORKS)
- 携帯発電機やポータブル電源の事故に注意!(消費者庁)
- モバイルバッテリーの事故はなぜ起こる?(cheero公式サイト)
- 盛り上がるブームの陰に潜む車両火災の恐怖! あらためて見直したい車中泊での防火対策
- リチウムイオン電池の特徴と仕組み(電気設備の知識と技術)
まとめ
今後も随時更新していきます。
リチウムイオン電池よりは安全性が高いとされるリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源ランキングを作成しました。
→ 2023年最新版!信頼のブランド×安全性!リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載ポータブル電源おすすめランキング
脚注
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↑2 ポータブル電源の異常発熱に注意、横浜市では火事3件 注意点は?
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