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寒い時期の車中泊や災害による停電時、ポータブル電源を利用して電気毛布でぬくもりを感じることは、快適な睡眠の鍵となります。しかし、どのような電源を選べば良いのか、また電気毛布の使用時間や必要なバッテリー容量はどれくらいなのか、不明確な点が多いかもしれません。
この記事では、ポータブル電源と電気毛布の最適な組み合わせに関する疑問や問題を解決します。具体的には以下の内容を解説いたします。
忙しい方やすぐに答えを知りたい方のために、電気毛布の消費電力とポータブル電源のバッテリー容量の関係を示す表をここに掲載します。これでだいたいの目安が一目でわかると思います。


記事を読み進めていただけると、この表の成り立ちがわかります。Jackeryやエコフローのポータブル電源を使用して、実際に検証していますので、ぜひ参考にしてください。何か疑問や質問があれば、コメント欄でお知らせくださいね。
使用時間・消費電力に関する質問
このセクションでは、電気毛布の消費電力や、必要なバッテリー容量を正確に知ることができます。ポータブル電源のバッテリー容量に比例した使用可能時間を実際に検証して解説します。
電気毛布の消費電力は何W?電気毛布に関する基本情報
電気毛布の消費電力はサイズやブランドによって異なるものの、100Wを超える製品は少ないです。
私が使用している製品(広電 電気毛布)は、一般的な家電量販店で販売されているもので、カタログ上の消費電力は55Wと記載されています。この数値に基づけば、一時間あたりのバッテリー消費は55Whになるはずです。
しかし、各温度設定における消費電力の実検証結果は『強:約41Wh、中:約28Wh、弱:約13Wh』となりました。
以下の表が「広電(KODEN) 電気毛布 VWK552H-D」の実測消費電力量です。
表面温度 | 強:約52℃ 中:約36℃ 弱:約20℃ |
消費電力量(1時間あたり) | 強:約41Wh 中:約18Wh 弱:約13Wh |
これは、電気毛布が間欠運転を採用しており、設定温度を下回った時のみ動作する方式を取っているためです。この結果、カタログの数値よりも実際の消費電力が低くなることがわかりました。
バッテリー容量ごとの電気毛布の稼働時間

「Jackery ポータブル電源 300 Plus」を用いて電気毛布の使用可能時間を検証しました。バッテリーが100%から0%になるまでの時間を計測しています。
この実測データを基に、より大容量の1000Whや1500Whなどに対する使用可能時間を仮想的に計算し、以下の表にまとめました。なお、検証は9月下旬に行いました。
真冬は外気温の低下により消費電力量が増加する可能性が考えられます。季節が進み、真冬になった際には、再度実際の消費電力を検証し、外気温の影響についても詳しく分析する予定です。
検証条件
バッテリー容量 | 強設定(約52℃) | 中設定(約36℃) | 弱設定(約20℃) |
300Wh | 7.3時間 | 16.6時間 | 23.0時間 |
500Wh | 12.2時間 | 27.8時間 | 38.5時間 |
1000Wh | 24.4時間 | 55.6時間 | 76.9時間 |
1200Wh | 29.3時間 | 66.7時間 | 92.3時間 |
1500Wh | 36.6時間 | 83.3時間 | 115.4時間 |
2000Wh | 48.8時間 | 111.1時間 | 153.8時間 |
3000Wh | 73.2時間 | 166.7時間 | 230.7時間 |
電気毛布の使用時間別 必要なポータブル電源のバッテリー容量
電気毛布を使用したい時間に基づき、必要なポータブル電源のバッテリー容量を示す表を作成しました。
多くの方が中設定(約36℃)で使用することを考慮すると、500Whの容量があれば電気毛布の他にスマホの充電やLEDライトの使用も問題なく対応できるでしょう。
使いたい時間 | 強設定(約52℃) | 中設定(約36℃) | 弱設定(約20℃) |
2時間 | 82Wh | 36Wh | 26Wh |
5時間 | 205Wh | 90Wh | 65Wh |
8時間 | 328Wh | 144Wh | 104Wh |
12時間 | 492Wh | 216Wh | 156Wh |
電気毛布とポータブル電源:問題解決Q&A
電気毛布をポータブル電源で使うときに起きる問題や素朴な疑問をわかりやすくQ&A形式で掲載します。何か疑問や質問があれば、コメント欄でお知らせくださいね。
ポータブル電源で電気毛布が使えない、暖かくなくなる
- 質問:夜、ポータブル電源に電気毛布を繋げて使用したところ、約2時間後に電源が切れてしまいました。確認したところ、バッテリー残量は70%以上もありました。これは不良品の可能性があるのでしょうか?
-
答え:電気毛布の多くは「間欠運転」という方式を採用しています。これは、設定温度を下回った時のみ動作し、その他の時間帯では0Wの消費電力となる特性を持っています。
このような間欠的な動作は、一部のポータブル電源において認識の問題を引き起こすことが知られています。特に、電気毛布の消費電力が0Wと認識される瞬間に、電源の節電モードが作動し、結果として自動的にオフになってしまうケースが報告されています。
解決策として、AC出力の自動オフ機能をカスタマイズできるポータブル電源の選択をおすすめします。例として、「Jackery ポータブル電源 300Plus」は、自動オフ設定を2時間、8時間、12時間、24時間、あるいはオフしないといった5段階で調整することが可能です。
このような機能を持つ製品を利用することで、テント内での使用時に夜中に突然電源が切れてしまい、寒さで目覚めるという状況を避けることができます。
電気毛布をつけっぱなしだと電気代が心配
電気毛布の継続的な使用による電気料金の詳細を考察してみましょう。例として、「広電(KODEN) 電気毛布 188×130cm」の公式サイトに記載されている電気毛布の電気料金目安を基にして計算してみます。
強設定 | 中設定 | 弱設定 | |
1時間あたり | 0.96円 | 0.56円 | 0.1円 |
24時間あたり | 23.0円 | 13.4円 | 2.4円 |
30日あたり | 691.2円 | 403.2円 | 72円 |
1時間の使用での電気料金はあまり高くないように思われますが、これを1ヶ月に換算するとかなりの額になることが予想されます。月の電気代が10,000円であった場合、強設定時にはその約7%に相当する金額が電気毛布の使用料金となります。
中設定で1日通して使用する場合、約450Whのバッテリー容量が必要です。200Wのソーラーパネルを活用すると、この電力量をカバーするために大体3時間の発電時間が必要となります。1日3時間、太陽光発電すれば1日電気毛布が使えると考えれば、わりと手軽な電気料金削減ですね。
初期投資は必要ですが、ポータブル電源を使って電気毛布を駆動する際には、ソーラーパネルとの併用をおすすめします。冬の停電時でも、天気が晴れていれば電気毛布を継続して使用できるため、災害時の備えとしても非常に役立ちます。
電気毛布を2枚同時に使いたい場合、どうすればよいですか?
電気毛布を2枚同時に使用する場合、必要なバッテリー容量は1枚の使用時の2倍になります。具体的な容量の計算には、「電気毛布の使用時間別 必要なポータブル電源のバッテリー容量」の表を参照ください。
例えば、中設定(約36℃)で8時間使用する場合、1枚あたりの消費電力が144Whだとすると、2枚同時に使用するためには合計で288Whの容量が必要となります。
ただし、2枚を同時に使用するためには、2口以上のコンセントが付いているポータブル電源を選んでください。また、コンセントが横並びに配置されているポータブル電源の方が使いやすいです。
持っているポータブル電源でどのくらい電気毛布が使えるかの計算方法
持っているポータブル電源の容量を確認して、その容量を元に電気毛布の使用可能時間を計算することができます。
DCからACへの変換には約20%のロスが生じると言われています。したがって、このロスを考慮した上で計算を行います。
具体的には、電気毛布の消費電力(W)を確認し、ポータブル電源の実質的な容量(実容量の80%)をそれで割ります。
例:消費電力が50Wの電気毛布を、500Whのポータブル電源で使用する場合、
500(Wh) × 0.8(ロス率) ÷ 50(電気毛布の消費電力) = 8(h)
となり、約8時間使用可能となります。
持っている電気毛布で必要なバッテリー容量の計算方法
電気毛布の消費電力と使用時間をもとに、必要なバッテリー容量を計算することができます。
そのときに、DCからACへの変換時のロスも考慮に入れます。計算方法は、電気毛布の消費電力(W)に使用時間(h)を掛け、その結果を1.2倍することで、変換ロスを考慮した必要容量を求めます。
例:50Wの電気毛布を5時間使用する場合、
50(電気毛布の消費電力) × 5(h) × 1.2(ロス率) = 300Wh
となり、300Wh以上のポータブル電源が必要です。
ポータブル電源のコンセントが100V出力の製品を選ぶ 110V製品との比較
ご家庭のコンセントは100Vの交流電源であり、日本で販売されているポータブル電源のACコンセントも100Vの製品が大半となっています。それにもかかわらず、110Vの製品も見受けられます。
この理由として、海外からの輸入品を日本の出力に合わせずにそのまま販売するメーカーがいることが挙げられます。
100V仕様の電気製品を110Vの電源に接続する場合、以下のリスクが考えられます。
このようなリスクを避けるためには、日本の電気製品であれば100Vのポータブル電源の利用を推奨いたします。
では、100Vのポータブル電源と110Vのもの、出力の違いを具体的に見てみましょう。先に、100Vの「PECRON E1500」をご紹介します。「強」設定で使うと、86Wの出力が確認できます。

続いて、カタログでは110Vとなっている「Anker PowerHouse Ⅱ 400」。実際には113Vで動作しているようです。

こちらも電気毛布を「強」で使った場合、113Wの出力を示しています。つまり、100Vのポータブル電源よりも、約20%多くの電力が消費されていることがわかります。

実際にポータブル電源で電気毛布が何時間使えるか検証しました
手持ちのポータブル電源で電気毛布をフル充電の状態から何時間使えるか検証しています。バッテリー容量も大事なのですが、DCからACへの変換効率も重要です。
個人的な印象では、Jackery製品は非常に性能が良く感じます。反面、エコフローはバッテリー残量20%あたりから表示がいい加減で、突然電源が切れてしまいます。
エコフロー リバー2では電気毛布が何時間使える?

検証条件
経過時間 | バッテリー残量 | バッテリー残量 |
スタート | 100% | 256Wh |
1時間 | 78% | 199.7Wh |
2時間 | 65% | 166.4Wh |
3時間 | 49% | 125.4Wh |
4時間 | 34% | 87.0Wh |
5時間 | 26% | 66.6Wh |
5時間21分 | 0% | 0Wh |
Jackery ポータブル電源 300Plusでは電気毛布が何時間使える?
検証条件
経過時間 | バッテリー残量 | バッテリー残量 |
スタート | 100% | 288Wh |
1時間 | 80% | 230Wh |
2時間 | 59% | 151Wh |
3時間 | 46% | 132.5Wh |
4時間 | 37% | 106.6Wh |
5時間 | 28% | 80.6Wh |
6時間 | 8% | 23.0Wh |
6時間42分 | 0% | 0Wh |
まとめ:300Whあれば、実用上8時間使える
Jackeryやエコフローのポータブル電源を使って、電気毛布の継続時間を検証しました。実用上、中設定(40℃程度)で使用すると、バッテリー容量300Whあれば十分です。300Whのポータブル電源は、3万円以内で購入できるため、冬季のアウトドアにも使いやすい組み合わせですね。
災害時にもとても役立つことでしょう。東日本大震災に被災し、停電の日々を過ごした時、3月にも関わらず毎日寒さに震えて過ごしていました。そんな時にポータブル電源で電気毛布が使えたら、だいぶ過ごしやすかっただろうな、と思っています。
この記事では、悩み事が解消できなかった時はお気軽にコメント欄でお知らせください。ポータブル電源で実際に試してみて回答いたします。