「BLUETTI ポータブル電源 AC2A」は、優れた機能と性能を備えたコンパクトなポータブル電源です。見た目はシンプルながら、その内部には高度な技術(電力リフト機能)が詰め込まれています。
セール時には2万円弱という魅力的な価格帯で、電気ケトルも使えます。バッテリー容量は少ない(204Wh)ものの、充放電回数が3000回と多く、充電速度も速いため、モバイルバッテリーのように使えます。この小さいサイズでも、停電時に瞬間的に電力を切り替え供給するUPS機能も備えています。
検証の結果、他社製品(エコフロー リバー2・Jackery 300Plus)と比較しても、AC2Aのインバーターは電力効率が非常に優れていました。BLUETTI製品内でポジショニングが近いBLUETTI EB3Aとの比較もしています。
コンパクトなサイズを生かして、机の上に置いて普段使いしたり、非常用電源として活用したり、車内での仕事や休憩用に使ったり。活躍の場が多く、生活に変化を与えてくれるポータブル電源です。
総合的に見て、BLUETTI AC2Aは、手頃な価格で優れた性能を提供する、実用性の高いポータブル電源だと言えるでしょう。パワーバンクスの作成する「2024年のポータブル電源ランキング」でもトップクラスの評価をしています。
なかなか家電量販店などの店頭では見られない製品だと思いますので、隅々まで写真や動画で説明しています。購入しようか迷っている方、どんな質問でも大歓迎ですので、お気軽にコメント欄で教えてくださいね。
最大のメリットは電力リフト機能で電気ケトルが使えること
電力リフト機能とは、家電に供給する電力を抑えることで、本来は使えないような高い消費電力の家電も使えるようにする機能です。
電力リフト機能により、定格消費電力が600Wの家電も、300W以下で安全に稼働させることが可能になります。ただし、供給電力が減るため、通常よりもパワーは低下します。制限はあるものの、使えないものを使えるようにすることは大きなメリットと言えるでしょう。
検証に使用するのは、「Focustar 電気ケトル ポータブル 0.8L」です。一般的な家庭用電気ケトルの消費電力は約1200Wですが、このケトルは約490Wで動作します。
それでは、AC2Aの電力リフト機能を使って、250mlのお湯を沸かしてみましょう。まず、電力リフトを使わない状態で電気ケトルの電源を入れると、すぐにエラーが表示されました。定格出力300Wに対し、突入電力490Wが流れたため、安全のために自動で電源がオフになったのです。
次に、電力リフト機能をオンにして再度試してみます。電力リフト機能を使用することで、正常に動作しました。ディスプレイには出力230W程度が表示され、490Wの消費電力が抑えられていることがわかります。7分53秒後、お湯が沸騰しました。
250mlのお湯を沸かすのにかかる時間の比較
一般的な電気ケトルを使ってお湯を沸かす場合、約1分50秒かかります。一方、Focustar電気ケトルをコンセントに直接接続して使用すると、お湯を沸かすのに2分42秒を要しました。
さらに、AC2Aの電力リフト機能を使ってFocustar電気ケトルでお湯を沸かしたところ、7分53秒かかりました。これは、一般的な電気ケトルと比べると約4倍の時間です。
この結果は、AC2Aの出力と沸騰時間のトレードオフを示していると言えるでしょう。電力リフト機能を使えば、コンセントがない場所でも電気ケトルを使用できるという利点があります。
旅行中や仕事の外回り、車内での休憩、さらには停電や災害時など、様々な場面で温かい飲み物や食事を手軽に準備できる点は、このポータブル電源の大きな魅力ですね。セール価格にはなりますが、1万円台で電気ケトルが使えるポータブル電源はAC2Aのみです。
BLUETTI公式サイトはこちら【動画】BLUETTI AC2Aと電気ケトルでお湯を沸かす
実際に電力リフト機能を使って電気ケトルを動かしている様子を動画で撮影しました。興味のある方は、ぜひご覧ください。動画の長さは約5分です。
BLUETTI AC2Aのコンパクトさがもたらす5つのメリット
BLUETTI AC2Aは、わずか3.6kgの軽量・コンパクトなポータブル電源です。このコンパクトさは、アウトドアでの使用や自宅での備えとして、たくさんの良い点があります。
- 軽量&コンパクト:女性でも片手で楽々運べる、わずか3.6kgの小型ボディ
- 収納上手:限られたスペースにもすっきり収まる、スリムなサイズ感
- 機動力抜群:必要な場所にいつでもサッと持ち運べる
- 簡単セッティング:誰でも迷わず使える、シンプル操作
- 安心の備え:いざという時に、すぐに取り出せる頼れる存在
まず、AC2Aは持ち運びに便利です。重さは3.6kgなので、女性でも楽に運べます。サイズは250 x 250 x 180 mmと、キャンプや車中泊の荷物にも収納しやすいです。さらに、ハンドルが付いているから、どこにでも手軽に移動できます。
AC2Aは限られたスペースでも設置や収納ができます。自宅の棚や押入れ、クローゼットにも収まるサイズです。災害時の備えとして玄関やリビングに置いておいても、邪魔になりません。狭い作業スペースでも、場所を取らずに使えます。
それに加えて、AC2Aは必要な場所にすぐ運べる機動力があります。停電時にすぐに必要な部屋に運んで使えますし、リュックに入れて避難所へ向かうことも可能です。車内で使うために毎日積み下ろしをするにしても、軽量なので楽ちん。
AC2Aの使用例 生活に役立つ家電を使ってみよう!
AC2Aで様々な家電を使って、どのように生活やアウトドア、災害時に役立つかを見ていきましょう。記事前半で、「電気ケトルが使えること」についてご紹介しましたが、次に電気毛布での検証を行いました。
今後は、ドライヤーやサーキュレーター、IHクッキングヒーターなどでも検証を行い、結果が出次第、この記事に追記していく予定です。
電気毛布は何時間使えるかな?【結果】5時間11分でした
バッテリーが満充電の状態から完全に放電するまで、電気毛布を連続して使用できる時間を検証しました。テストは3月下旬の雨の日に、風速約6m/sという比較的強い風が吹く中で行いました。この日は、3月下旬だというのに北日本では雪が降ったところもありました。
電気毛布は最も高い設定(メーカー公称80W)で使用しました。
検証条件
【検証】経過時間とバッテリー残量の記録
継続時間 | 残バッテリー容量 |
0:00 | 100% |
30分 | 82% |
1時間 | 74% |
1時間30分 | 60% |
2時間 | 49% |
2時間30分 | 40% |
3時間 | 33% |
3時間30分 | 24% |
4時間 | 16% |
4時間30分 | 10% |
5時間 | 4% |
5時間11分 | 0% 終了 |
その結果、電気毛布は5時間11分間、継続して使用することができました。
ただし、最も温度設定が高い状態では毛布が非常に熱くなるため、実際の使用では中間の設定が選ばれることが多いでしょう。そのことを考慮すると、AC2Aで一晩であれば、電気毛布を使い続けることができるでしょう。
しかし、これだけでは本製品の電力効率が優れているのかどうかを判断することはできません。そこで、競合他社の類似製品と比較してみることにしましょう。
BLUETTI AC2A、エコフロー リバー2、Jackery 300Plusで電気毛布を使える時間を比較
比較対象は、「エコフロー リバー2」と「Jackery ポータブル電源 300Plus」です。コンパクトクラスのポータブル電源の売れ筋商品。バッテリー容量と定格出力は以下の表の通りです。
AC2A、エコフロー リバー2、Jackery 300Plusのバッテリー容量
AC2A | エコフロー | Jackery | |
容量 | 204.8Wh | 256Wh | 288Wh |
定格出力 | 300W | 300W | 300W |
上記3つの製品について、ACコンセントの出力効率を比較するために、実際に電気毛布を連続使用して消費された電力を計算しました。
AC2Aは204Whのバッテリー容量で5時間11分、エコフロー リバー2は256Whのバッテリー容量で5時間ちょうど、Jackery 300Plusは288Whのバッテリー容量で6時間33分、それぞれ電気毛布を動かすことができました。
これらのデータから、それぞれのポータブル電源が1時間あたりに消費した電力(W)を計算することができます。計算には以下の公式を使用します。
『電力消費率(W) = バッテリー容量(Wh) ÷ 使用時間(h)』
この公式に従って計算すると、AC2Aの電力消費率は約39.4W、エコフロー リバー2の電力消費率は51.2W、Jackery 300Plusの電力消費率は約43.9Wとなりました。
BLUETTI AC2A,エコフロー リバー2,Jackery 300Plusの電力効率
1Whあたりの仕事量(分)が大きいほど、同じ容量のバッテリーでより長く使えることを意味します。今回の比較では、AC2Aが最も効率が良く、1Whのバッテリー容量で最も長い時間使用できることがわかりました。
- BLUETTI AC2A:約1.52分/Wh
- Jackery 300Plus:約1.36分/Wh
- エコフロー リバー2:約1.17分/Wh
ポータブル電源を選ぶ際、バッテリー容量だけではなく効率性も重要な考慮ポイントであることがわかりますね。
BLUETTI公式サイトはこちら製品スペック 同梱物・取扱説明書
アイテム名 | BLUETTI ポータブル電源 AC2A |
型番 | AC2A |
メーカー | BLUETTI |
価格 | 希望小売価格:29,800円 |
容量(Wh) | 204.8Wh |
出力(W) | 2口 300W(電力リフト600W) |
ソーラー入電 | 電圧12~28V / 電流8.2A / 最大200W |
AC入力 | 270W |
温度対応 | 充電温度:-20~40 ℃ | 動作温度:-20~40 ℃ |
サイズ | 横250×高さ174.5×奥行き156.5mm 約3.6kg |
バッテリー | リン酸鉄リチウムイオン |
費用対容量(1Whあたり単価) | 145.5円 |
出力(AC出力・DC出力・USB) | AC出力:2口 300W(電力リフト600W) DC/シガーソケット:1口 12V/10A USB-A:2口 12W Type-C:1口 100W |
前面に出力ポートが集まっています
AC2Aの外観を見ながら、その機能について説明していきましょう。まず、出力ポートは全て前面に集約されているため、非常に使いやすくなっています。
左上には、ソーラー入力とシガーソケットポートが配置されています。
ディスプレイを挟んで右側にはACコンセントがあり、定格出力は300W、電力リフト機能を使えば最大600Wまで出力可能です。
ディスプレイの下には電源ボタンが並んでいます。主電源、DC、ACのボタンが独立しているので、機械が苦手な方にもわかりやすい設計になっています。
さらにその下にはUSBポートがあります。USB-A(12W)が2口、USB-C(100W)が1口備わっています。ただし、USB-Cポートが1口しかないのは少し不便に感じるかもしれません。
シガーソケットポートにカーチャージャーを挿入してUSB-Cポートを増やすことで問題解決できます。
ディスプレイは野外でも明瞭くっきりしています。情報量は過不足ない感じです。
天板・持ち手・背面・側面の画像
右側面には、AC充電ポートとファン、拡張バッテリーとの接続ポートがあります。
向かって左側面は吸気口のみ。
300WのAC出力と600Wの瞬間最大出力で幅広い機器に対応
定格出力300W、電力リフト機能で600Wまでの家電を使うことができます。AC2Aの可能性を大きく広げる目玉機能でしょう。簡単に説明すると以下の通りです。
- 電力リフト機能とは?
- 電化製品の出力と定格電圧を抑制する機能。
- 幅広い家電をポータブル電源で使えるようにする。
- どのように役立つか?
- 定格消費電力600Wの家電を、300W以下で安全に使用可能。
- 本来、ポータブル電源では使えない高消費電力の家電も使えるようになる。
- 利点
- 家電に供給する電力が減ることで、通常よりもパワーが落ちるが、使える範囲が広がる。
どのような使い勝手かについては「最大のメリットは電力リフト機能で電気ケトルが使えること」の項で解説しています。
3000回の充放電サイクルに耐えるリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
AC2Aのバッテリーには、安全性が高く、寿命が長いリン酸鉄リチウムイオン電池が使用されています。このバッテリーは、毎日のように充電と放電を繰り返しても、10年間は使用することができるとされています。
ただし、10年を過ぎたからといって、突然使えなくなるわけではありません。バッテリーの容量が徐々に減少していくだけで、使える部分は残っています。しかし、バッテリー以外の部分が故障する可能性もあるため、実際に10年間使用できるかどうかは断言できません。
とはいえ、AC2Aのバッテリーは非常に耐久性が高いため、たとえハードな使用条件下でも、少なくとも5年以上は問題なく使用できることは確かです。この点は、AC2Aの大きな強みの一つと言えるでしょう。
45分で80%、100分でフル充電できる急速充電
AC2Aは最大270Wの高速充電に対応しており、わずか45分で80%まで、そして100分でフル充電することができます。
さらに、コンセントとソーラーパネルを同時に使用して充電することも可能です。その際は、ソーラーパネルからの充電が優先され、コンセントからの給電量が自動的に調整されます。この併用充電の上限は270Wですが、ソーラーパネルからの充電分だけコンセントからの給電量が減るため、電気代の削減にもつながります。
メーカーのカタログには「100分でフル充電」と記載されていますが、実際に測定したところ、わずか62分でフル充電が完了しました。
また、AC2Aには3つの充電スピード設定があります。静音モードは78W、標準モードは128W、高速モードは273Wです。高速充電時以外は、ほとんど音がしないので、就寝中や仕事中の充電にも適しています。
ソーラーインプットが200Wとコンパクトクラスでは優秀
AC2Aは、バッテリー容量が204Whながら、200Wの高い入力能力を備えています。これは、200Wのソーラーパネルを使用すれば、わずか1時間でフル充電できることを意味します。
競合他社の製品では、ソーラー入力は通常100W程度が一般的なので、この点はAC2Aの大きな強みと言えるでしょう。
実際にソーラーパネルとAC2Aを接続して発電している様子は、「BLUETTI AC2Aを他社のソーラーパネルと簡単に接続する方法」の項で詳しく紹介しています。
バッテリーの寿命を考慮し、残量を30%から80%の範囲で使用するとしても、100Wのソーラーパネルであれば1時間で充電が完了します。
例えば、お昼休みの1時間をソーラー充電に充てるだけで、その日の仕事に必要な電力を賄える可能性があります。
走行充電の方法:シガーソケット充電ケーブルは別売り
車のアクセサリーソケットを使えば、走行中に電子機器を充電することができます。この機能を活用するには、別売りの「シガーソケット充電ケーブル(2000円程度)」が必要になります。最近は、どのメーカーも別売りになってきていますね。
シガーソケット充電ケーブルが別売りになっているのには、いくつかの利点があります。走行充電を必要としない人にとっては、このパーツは不要です。別売りにすることで、製品全体の価格を抑えることができます。
走行充電を必要とする人だけが、追加でケーブルを購入すればよいため、ニーズに合わせて柔軟に対応できます。
では、BLUETTI シガーソケットケーブルを購入しましたので、実際に走行充電を行ってみましょう。
メーカー純正なので品質はしっかりしています。ケーブルの長さは100cm程度なので、車内での配置には工夫が必要です。長さが足りない場合は、以下のオプションを検討しましょう。
- XT60延長ケーブルを使う
- 最初から長いシガーソケットケーブルを選ぶ
充電スピードは充電モードによって調節可能で、静音モードで約80W、標準・高速モードで約100Wの充電が可能です。
AC2AのDC入力の仕様は以下の通りです。
- 電圧:12~28V
- 電流:最大8.2A
普通車のシガーソケットでは、電圧が12Vのため、100Wが充電の上限(12V × 8.2A=98.4W)になります。
静音充電モード:80W程度
標準・高速モード:100W程度
100W充電でも2時間でフル充電なので十分実用的だと思います。バッテリー容量が少ない場合は走行充電は有効ですね。
【動画あり】UPS機能は20msと非常に優秀
UPS機能(無停電電源装置)とは、停電時にも電源供給を継続できる機能です。
ポータブル電源のUPS機能は、以下のような仕組みで動作します。
- 通常時は、コンセントからポータブル電源を通過して家電へ電力が供給されます。
- 停電が発生すると、ポータブル電源内蔵のバッテリーから電力が供給されるようになります。
- 停電時でも接続した家電への電源供給を継続することができます。
ポータブル電源のUPS機能は、停電時の電源確保に役立つ便利な機能です。この機能を活用することで、さまざまな場面で停電による影響を最小限に抑えることができます。
実際のUPSの動きは以下の動画で解説しています。
冷蔵庫の電源維持
ポータブル電源をコンセントと冷蔵庫の間に設置すれば、停電時でも冷蔵庫内の食品の鮮度を保つことができます。不在時の停電にも対応できるため、食品ロスの防止に役立ちます。
PCの電源維持
ポータブル電源をコンセントとPCの間に設置すれば、急な停電でもPCの電源が落ちるのを防ぐことができます。作業の継続や、データの保護に役立ちます。
監視カメラの電源維持
ポータブル電源をコンセントと監視カメラの間に設置すれば、留守中の家族やペットの様子を停電時でも見守り続けることができます。防犯面でも安心できます。
たとえば、停電によってエアコンが停止してしまうと、室温の上昇により愛犬の体調が心配になるかもしれません。そのような状況でも、ポータブル電源のUPS機能を活用して監視カメラを稼働させていれば、愛犬の様子を確認することができます。
監視カメラが動き続けていれば、愛犬の様子を把握できるため、少し冷静に対応することができます。停電時のパニックを避け、適切な対応を取ることが可能になります。
SwitchBotなどネットワークシステムの電源維持
最近は、SwitchBotやアレクサなど、インターネットに接続して家の中を管理することが増えてきました。しかし、停電でインターネットが切れてしまうと、全て動かなくなります。ポータブル電源をコンセントとルーターの間に設置すれば、停電時でもネットワークシステムを維持することができます。
水槽の電源維持
ポータブル電源をコンセントと水槽の間に設置すれば、停電時でも魚の住みやすい環境を守ることができます。ヒーターやエアーポンプなどがあれば、家族(魚)を守れますね。魚だけでなく、鳥さんも温度管理が必要な種類があると聞きました。
アプリでの遠隔操作が可能
BLUETTIのアプリには、以下のような機能が搭載されています。
アプリを使えば、ポータブル電源の状態を簡単に把握できます。とはいえ、この中で頻繁に使うのは「充電スピードの変更」くらいでしょうか。
一方で、現状のアプリには改善の余地もあります。例えば、以下のような機能があると便利でしょう。
これらの機能を追加することで、アプリの使い勝手がさらに向上すると考えられます。アプリで色々と制御したい方にとっては、BLUETTIはあまり向いていないと思います。
容量が物足りないときは拡張バッテリーで増量できます
BLUETTI AC2Aの特徴の一つとして、バッテリー容量が204Whと少ないことが挙げられます。
しかし、「BLUETTI ポータブル電源 B80拡張バッテリー」を接続することで、バッテリー容量を806Wh増設し、合計1010Whにすることができます。ただし、この拡張バッテリーはAC出力を増設するものではなく、あくまでもバッテリー容量のみを増やすためのオプションです。
したがって、最初からより大きなバッテリー容量が必要だと分かっている場合は、他のポータブル電源を購入することをおすすめします。一方で、AC2Aの機能が使い方に適していて、バッテリー容量だけを増やしたいという場合には、この拡張バッテリーは有効なオプションとなるでしょう。
同梱物・取扱説明書
AC2Aの取扱説明書は以下のリンクから確認できます。
→ BLUETTI ポータブル電源 AC2A取扱説明書(クリックするとPDFが開きます)
BLUETTI AC2Aを他社のソーラーパネルと簡単に接続する方法
AC2Aのソーラーパネル入力ポートには、XT60コネクタが採用されています。
同梱品の「MC4-XT60ソーラー充電ケーブル」を使えば、MC4コネクタを持つソーラーパネルと接続することができます。
ただし、接続するソーラーパネルの仕様にも注意が必要です。AC2Aが受け入れられる電圧は12~28V、電流は8.2A、最大出力は200Wとなっています。これらの範囲内であれば、安全に接続して充電できます。
もちろん、XT60コネクタを直接持つソーラーパネルなら、同梱品のケーブルを使わずに直接接続することも可能です。
AC2Aはコンパクトなポータブル電源ながら、200Wもの入力に対応しているので、ソーラー充電はとても有効な手段と言えるでしょう。
ここからは、他社製ソーラーパネルとの接続例をいくつかご紹介します。
MC4コネクタの200Wソーラーパネルと接続:BougeRV Yuma CIGS ソーラパネル
「BougeRV Yuma CIGS ソーラーパネル」とAC2Aを接続してみました。このソーラーパネルの接続コネクタはMC4規格に対応しており、AC2Aに同梱されている充電ケーブルを使って発電を行うことができます。
「BougeRV Yuma CIGS ソーラーパネル」は、その優れた耐久性から、北米で話題を集めています。なんと、このソーラーパネルは銃で穴を開けても発電量が落ちないのだとか。そのため、「BougeRV Yuma CIGS “Bulletproof” 200w Solar Panel」などと呼ばれることもあるようです。
上記の画像の通り、私の「BougeRV Yuma CIGS ソーラーパネル」にも、かなりの傷がついています。しかし、発電性能に全く問題はありません。この製品の頑丈さは、実際に使ってみてびっくりします。
電圧と電流の確認
項目 | AC2A | BougeRV Yuma CIGS ソーラパネル |
電圧 | 12~28V | 24V |
電流 | 8.2A | 8.52A |
次に、電圧と電流が許容範囲内にあるかを確認しました。電圧は問題ありませんでしたが、電流は規定値を0.3A程度超えていました。ただ、AC2Aには過電流保護機能が搭載されているため、この程度の超過は問題ないと判断しました。
実際の充電性能
BLUETTI AC2Aにソーラーパネルを接続してみたところ、約190Wの電力で充電できることが確認されました。この発電量であれば、バッテリーが空の状態からでも、わずか1時間程度でフル充電が可能です。1時間のソーラー充電で得られる電力量は、iPhone 14 Proを16回程度充電できる量に相当します。
常に高速でソーラー充電を行いたい方には、200Wのソーラーパネルが適しているかもしれません。しかし、2~3時間かけてゆっくりと充電できれば十分だと考える方にとっては、200Wのソーラーパネルは少しオーバースペックですね。50~100W程度の小型で手頃な価格のソーラーパネルを選ぶことで、無駄なく効率的にソーラー充電を行うことができるでしょう。
「BougeRV Yuma CIGS ソーラーパネル」に興味をお持ちの方は、実機レビューが参考になるかもしれません。当サイトでは、このソーラーパネルを実際に使ってみた感想や、性能評価などを詳しくレビューしています。
参考記事:BougeRV CIGS系フレキシブルソーラーパネル 200W実機レビュー:驚異の軽量・高効率発電を徹底検証!
MC4コネクタの100Wソーラーパネルと接続:ALLPOWERS 100W フレキシブルソーラーパネルSF100
「ALLPOWERS 100W フレキシブルソーラーパネルSF100」とAC2Aを接続しました。このソーラーパネルの接続コネクタはMC4規格に対応しており、AC2Aに同梱されている充電ケーブルを使って発電を行うことができます。
電圧と電流の確認
項目 | AC2A | ALLPOWERS 100W ソーラパネル |
電圧 | 12~28V | 25.5V |
電流 | 8.2A | 4.17A |
電圧と電流の両方が、BLUETTI AC2Aの仕様に適合しているソーラーパネルです。
実際の発電性能
約90Wの発電量を記録しました。BLUETTI AC2Aのバッテリー容量は204Whであるため、このソーラーパネルを使用して空の状態から充電を行った場合、約2時間でフル充電に到達することができます。
この充電時間は、ポータブル電源の容量とソーラーパネルの発電量のバランスが良く、実用的な組み合わせであると言えるでしょう。
XT60コネクタの100Wソーラーパネルと接続:UGREEN ソーラーパネル 100W SC100
「UGREEN ソーラーパネル 100W SC100」は、ソーラーパネルの出力と接続コネクタの両方にXT60を採用している珍しい製品です。
このソーラーパネルの接続端子は、BLUETTI AC2Aのソーラー入力ポートと同じXT60規格なので、差し込むだけで簡単に発電を開始することができます。接続の手間を省きたい方には、XT60コネクタを採用したソーラーパネルを選ぶのも一つの選択肢です。
電圧と電流の確認
項目 | AC2A | UGREEN 100Wソーラーパネル |
電圧 | 12~28V | 19V |
電流 | 8.2A | 5.27A |
電圧と電流の両方が、BLUETTI AC2Aの仕様に適合しているソーラーパネルです。
実際の発電性能
UGREEN ソーラーパネル 100W SC100の発電量は、約80W程度でした。
先に紹介したALLPOWERSのフレキシブルソーラーパネルと同じ100Wの製品ですが、発電量を比較すると若干下回る結果となりました。
ALLPOWERSが特に優れた性能を示しているだけで、UGREENのソーラーパネルの発電量は平均的な水準です。UGREENのソーラーパネルの大きな利点は、折りたたんで収納できること。持ち運びや限られたスペースでの保管に適しています。発電量だけでなく、使用目的や利便性を考慮してソーラーパネルを選ぶことも重要ですね。
DCコネクタのソーラーパネルと接続:Jackery 40W ミニソーラーパネル
次に、DCコネクタで出力するソーラーパネルとの接続を試してみましょう。今回は「Jackery 40W ミニソーラーパネル」を使用しました。
このソーラーパネルをBLUETTI AC2Aに接続するには、DCコネクタをXT60コネクタに変換する必要があります。
DCコネクタにはいくつかのサイズがあり、主なものとしてDC5521、DC5525、DC7909、DC8020などが挙げられます。
「Jackery 40W ミニソーラーパネル」とBLUETTI AC2Aの接続には、DC7909またはDC8020をXT60に変換するケーブルが必要となります。私が使用しているのは「Echainstar DC7909 ソーラーパネルコネクタソケット」です。
BLUETTI EB3Aとの違いは?:後継機でも競合でもない
BLUETTIには、「BLUETTI EB3A」というコンパクトなポータブル電源があります。AC2Aとどちらが良いか悩んでいる方もいらっしゃると思いますので、簡単に比較したいと思います。
私はEB3Aも発売日に購入しましたが、令和6年能登半島地震の被災地に送ってしまったため、実機での比較はできません。
EB3Aは発売当初は39,800円でしたが、現在はAC2Aと同額になっています。こうなるとスペックの高いEB3Aの方がお得に感じますね。
スペックで大きく異なるのが電力リフトで使える出力の上限で、AC2Aは600Wまで、EB3Aは1200Wまでとなっています。また、EB3Aにはワイヤレス充電機能があり、AC充電のスピードも上です。
参考記事:実機レビュー BLUETTI EB3Aの実力と使い勝手を徹底解説
どんな方がAC2Aを選ぶといいのでしょうか?
まず、質感はAC2Aの方が上です。EB3Aは少しプラスチックが安っぽい印象ですが、AC2Aは上位機種と同じデザインで剛性も高くなっています。
また、AC2Aが優れているのは静音性です。EB3Aは充電時やコンセントを使用しているときにファンがうるさいですが、AC2Aはファン音が軽減されています。
スマホの充電など、出力の高さが必要ない方にはAC2Aの方がコンパクトな分、向いているでしょう。
個人的には、EB3AよりはAC2Aの方が気に入っています。コンパクトサイズのポータブル電源に求めているのは、出力の高さではなく、軽さや省スペース性だからです。
BLUETTI AC2AとEB3Aのスペック・特徴比較表
バッテリー容量200〜300Wh程度で、出力1200W使えても、あっという間にバッテリーが空っぽになってしまいます。高出力の家電は上位モデルに任せてコンパクトさを生かした使い方をした方がいいと思います。
BLUETTI公式サイトはこちら同クラスの他社製品との比較:エコフロー リバー2・Jackery 300Plus
BLUETTI AC2A、エコフロー リバー2、Jackery ポータブル電源 300Plusは、人気のポータブル電源です。
BLUETTI AC2Aは、ハイパワーな電力リフトとソーラーパネル入力値の大きさが特徴ですが、容量が少ないのがデメリットです。
Jackery 300Plusは、高品質な作りとJackeryソーラーパネルとの相性の良さが魅力ですが、価格が高いのが難点です。
参考記事:Jackery Solar Generator 300 Plus 40Wミニ コンパクトクラスで最高評価!
エコフロー リバー2は、頑丈な作りとアプリの使いやすさが優れていますが、プラスチックっぽい作りとファンの音が気になります。
参考記事:エコフロー リバー 2 車内でのシガーソケット充電検証 溶ける等注意点も
【結論】電気ケトルが使いたい場合は「BLUETTI AC2A」一択。とにかく質の高い製品が欲しい場合は「Jackery ポータブル電源 300Plus」。アプリで使い方を工夫したい方は「エコフロー リバー2」。
各製品のメリット・デメリット
BLUETTI AC2Aの特徴
Jackery ポータブル電源 300Plusの特徴
エコフロー リバー2の特徴
バッテリー効率を検証しました
ACコンセントの電源とディスプレイをonにした状態で、バッテリーの減少具合を検証してみます。
左から ・エコフロー リバー2 ・Jackery 300Plus ・BLUETTI AC2A の3製品。バッテリー容量100%からスタート!
結果として、「エコフロー リバー2」は23時間でバッテリー残量0%になりました。
次いで「Jackery 300Plus」が27時間でバッテリー残量0%になりました。
そして「BLUETTI AC2A」が29時間で0%に達しました。30分ごとに放電率を計測したデータを折れ線グラフにしました。
バッテリー効率検証データ:エコフロー リバー2・Jackery 300Plus・BLUETTI AC2A
驚くべきことに、容量が最も少ない「BLUETTI AC2A」が最も長く持続しました。
これは、「BLUETTI AC2A」がエネルギーをより効率的に使用しているか、電力管理システムが優れていることを示唆しています。
また、定格容量と実際に使えるエネルギー量には違いがあり、これも「BLUETTI AC2A」が他の製品より長持ちする理由の一つかもしれません。内部の電力管理や安全マージンによって、実際の使用可能エネルギーが変わるためです。
この検証から、バッテリー選択時には単に容量を見るだけでなく、実際の使用状況での効率や電力管理の質も重要であることがわかります。特に「BLUETTI AC2A」のように、少ない容量でも長持ちする製品は、効率の良い電力利用が可能です。
BLUETTI公式サイトはこちら結論とBLUETTI社について
BLUETTI AC2Aは、コンパクトさと高い基本性能を兼ね備えたポータブル電源です。お手頃価格で手軽に導入でき、電気ケトルを使用したい方にとって最適な選択肢と言えるでしょう。
容量は少ないものの、高い回転率で使用することで、そのデメリットを補うことができます。また、AC2Aは3000回の充放電サイクルに対応しており、毎日充電しても10年近くはバッテリー性能が維持されます。
また、保証期間も5年ありますので、日々ハードに使っても安心。「長期保証あり!」といっても、会社がなくなってしまっては意味がありません。私はポータブル電源業界を8年ほどみていますが、消えていったメーカーは数知れず。
では、BLUETTIはどうなのか?安全なメーカーなのか?
BLUETTIは、ポータブル電源メーカーの中でも安定度は最高レベル。Jackery、EcoFlow、Ankerと並んで、日本市場で信頼できるポータブル電源メーカーの一つです。BLUETTI社に関しては「BLUETTI 株式公開!会社概要、信頼性、将来性について詳しく解説」で深く掘り下げています。
BLUETTI AC2Aは、スマートフォンやガジェットの充電、そして時折電気ケトルを使用するといった用途に最適なポータブル電源と言えるでしょう。初めてポータブル電源を購入する方にも、その簡単な操作性、頑丈さ、高いスペックから、自信を持っておすすめできる製品です。
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