ペットを守る!停電時にエアコンを動かすポータブル電源ガイド

ペットを守る!停電時にエアコンを動かすポータブル電源ガイド ポータブル電源の使い方
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停電は頻繁に起こるわけではないものの、人間や動物の生活を脅かすことがあります。エアコンに依存している暑い夏の時季は特に深刻です。冬場には灯油などの代替エネルギー源を活用したり、重ね着や寝袋を利用することで対応できます。しかし、夏季は電気がなければ適切な暑さ対策が難しいです。

ペットや子供、高齢者など、特に暑さに対する耐性が低い人々(動物)にとっては、適切な暑さ対策が取れないことは生命に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、今回はポータブル電源を利用したエアコン運用について考察します。

コンセントとエアコンの間に「ポータブル電源」という蓄電装置を挟むことで、予期せぬ停電や台風・地震による長期的な停電に対する備えが可能となります。ブレーカーが落ちてしまうと、エアコンの自動復帰機能も遠隔操作による復帰も困難となります。この記事では、そういった緊急事態に対する対策方法を解説します。

停電とお留守番ペット
我が家のわんこ

私も15歳のわんこと暮らしています。夏のお留守番中に落雷などが発生すると、「停電したらどうしよう」と仕事が手につかなくなることが多々ありました。同じように悩んでいる方々に有用な情報を提供できればと考えています。

各ポイントについては、図解や写真を添えて、より視覚的に理解を深めていただけるよう心掛けています。 それでも解決策が見つからない場合は、どんな質問でも大歓迎ですので、お気軽にコメント欄で教えてくださいね。

日本における停電の現状

日本の年間停電時間の推移
停電件数と継続時間 画像参照:経済産業省資源エネルギー庁

近年、気候変動の影響で突然の大雨や台風、地震などの災害が頻発しています。これらの自然災害は、生活に大きな影響を及ぼします。さらに突然の停電という形で我々の生活を脅かす可能性もあります。

このセクションでは、実際に停電はどの程度起きているのか?起きるとどのくらい継続するのか?どんな原因で停電が起きるのか?といったことを見ていきます。そして、停電によってペットの身に起こるリスクを考えてみます。

近年の停電の発生回数と平均持続時間のデータを紹介

近年の停電の発生回数と平均持続時間のデータを紹介
参照:電気事業のデータベース(INFOBASE)/電気事業連合会

大規模な停電が発生する大雨、台風、地震は頻繁にニュースに取り上げられ、多くの人々が目にしていることでしょう。しかし、災害以外の日常でも、5分程度の停電は毎日どこかで発生しています。

実際、電力会社が公開している「停電履歴検索[1]」を確認すると、停電がまったく発生しない日などほとんどないと言っても過言ではありません。「さっきの停電」と検索すると直近の停電情報を見ることができます。

「電気事業のデータベース(INFOBASE)[2]」によれば、2021年度の停電平均発生回数は0.13回、停電平均持続時間は10分でした。しかし、大規模災害が発生すると、これらの数値は著しく増大します。

以下はその代表的な例です。

  • 2011年3月 東日本大震災
  • 2018年9月 北海道胆振東部地震/平成30年台風第24号(チャーミー)
  • 2019年9月 台風第15号(ファクサイ)による千葉県の停電
年度発生回数平均持続時間
2011年0.94回514分
2018年0.31回225分
2019年0.23回85分
近年の停電発生が増大した年度

特に台風15号による千葉県の停電は顕著でした。

台風15号は、2019年9月9日関東地方に上陸。特に千葉県に大きな被害をもたらしました。鉄塔や電柱の倒壊により、最大で64万戸が停電に見舞われ、全てが復旧するまでには19日間を要しました

この間、残暑が厳しい中、多くの人々はエアコンを使用できませんでした。千葉大学[3]によれば、長期間にわたる停電の影響で熱中症などの原因で2名が死亡するなど、深刻な影響が確認されました。

台風15号に伴う停電復旧プロセス等に係る
検証について
参照:台風15号に伴う停電復旧プロセス等に係る検証について(経済産業省)

経験則から見て、一般的な停電は10分以内、台風や大雨などの原因による停電は48時間以内には解消されると考えられてきました。

しかし、経済産業省の調査[4]によれば、数年に一度の地震や台風などの大規模災害に見舞われた際には、100時間以上に及ぶ停電が発生する可能性があるという事実を忘れてはなりません。

このような状況を鑑みると、予期せぬ停電に備え、ポータブル電源を常備することが一層重要性を増しています。

台風15号で被害にあったが、
太陽光蓄電池システムを導入していた世帯の声
参照:台風15号に伴う停電復旧プロセス等に係る検証について(経済産業省)

停電が起こりやすい時期や原因について

停電が起こりやすい時期や原因について
参照:電気事業のデータベース(INFOBASE)/電気事業連合会

停電の主な原因としては、接触事故・設備の故障・風雨・水害・雷・地震・大雪などがあります。

これらの中で、大雨・台風・落雷・大雪といった特定の時期に発生しやすい現象に対しては事前に対策を講じることが可能です。今後は電力供給と需要のバランスが逼迫する可能性による計画停電への備えも必要となります。

特に大雨・台風・落雷・計画停電は6~9月、大雪・計画停電は12~2月に注意が必要となります。計画停電は現在は行われていませんが、電力供給と需要の逼迫度が年々増しているため、早めに対策を考えておくことをおすすめします。

以下の動画は2022年夏の電力不足に関するウェザーニューズ社の報道です。本当に電力需給が綱渡りであることがわかります。この時は、計画停電は回避されましたが、今後電力供給と需要のバランスが改善する兆しは見られないため、常に警戒が必要となります。

電力需給とは?~今夏の電力需給について~

電力供給と需要が逼迫している理由の一つとして、近年の冷房による夏の電力消費量の増加があります。特に真夏の午後2時頃にピークを迎え、年間を通じて見ると、電力消費の最大値と最小値の差は大きくなり続けています。

これらのピーク消費期には電力供給が追いつかず、供給と需要のバランスを保つために、電力会社は時折、計画停電を行う可能性があるのです。

電気の使用量は、1日の時間帯や季節によって大きな差があります
画像参照:エネ百科/JAERO(日本原子力文化財団)

ペットに対する停電時のリスク

ペットに対する停電時のリスク
我が家の愛犬(15歳)

私自身も15歳のかわいいわんこと共に暮らしています。留守にする時、特に夏場はエアコンをつけています。しかし、夏場に懸念されるのは、突然の落雷による停電です。

ウェブカメラで観察をしていて、エアコンが停止したら家に帰っていました。理解のある職場でないと、このような行動は難しいでしょう。

最近では、エアコンが停止した後にアレクサなどの音声コントロールで遠隔操作して再起動させることが可能です。また、自動復帰機能の搭載したエアコンもあります。

しかし、ブレーカーが落ちてしまった場合、自分が家に戻るまでエアコンを再起動させることはできません

そうなると、ペットは継続的に高温にさらされます。こういった停電時のリスクを適切に予防することが、ペットを守るためには絶対に必要です。

「突然の復旧できない停電」と「災害による長期にわたる停電」に備えることが家族を守るためには重要です。ポータブル電源を使用すると、ブレーカーが落ちてもエアコンを使い続けることができます

次章で、停電時にエアコンを使い続けることのできるポータブル電源の条件についてみていきましょう。

ポータブル電源の役割

エコフロー デルタ2とDEENO ポータブル電源 X1500
エコフロー デルタ2とDEENO ポータブル電源 X1500

停電時に直面する問題を解決する手段として、家庭用蓄電池や電気自動車(EV・PHV・FCV)、ポータブル電源などがあります。

当サイトは、「ポータブル電源・ソーラーパネル活用の専門サイト」なので、ここではポータブル電源を使用して問題を解決する方法について具体的に探っていきたいと思います。

ポータブル電源の基本的な説明

ASAGAO AS2000-JPの優れたデザイン ACコンセント
ASAGAO AS2000-JP

ポータブル電源とは、内蔵型のコンセントを備えた携帯可能な電源装置を指します。AC出力を提供することで、コンセントが利用できない場所や停電が発生した際でも電力供給が可能です。

その容量や出力は製品によってさまざまで、無停電電源装置(UPS)や次世代パススルー、拡張バッテリー接続可能タイプなど、多彩な機能を持つ製品が存在します。

大容量でエアコンに対応したポータブル蓄電池や、スマートフォンなどの充電に適した小型の製品まで、使用目的に合わせて最適なものを選ぶことが可能です。

ポータブル電源を常に準備しておく重要性(災害の予測不可能性を考慮)

災害の予測は不可能であり、実際に遭遇しないとポータブル電源の重要性を理解することは難しいでしょう。私自身、東日本大震災に遭遇し、5日以上ライフラインが途絶した状態で生活を余儀なくされました。

その後も計画停電の対象地域に居住しており、常に不自由な生活を送らざるを得ませんでした。冬季であったため耐えられましたが、もし夏であったらどうなっていたかを想像すると恐ろしくなります。

ポータブル電源を常に準備をしておく重要性(災害の予測不可能性を考慮)
参照:台風15号に伴う停電復旧プロセス等に係る検証について(経済産業省)

上記画像で示すのは、「2019年台風15号による千葉県での停電時の復旧プロセス」についての経済産業省[5]の情報です。

家庭用蓄電池とソーラーパネルを組み合わせた場合、停電が発生しても数時間から最大5日間まで家電を使用することができました。ここでの参照はポータブル電源ではなく、テスラ パワーウォールや東京電力エネカリのような、家の屋根にソーラーパネルを設置し、その電力を蓄電して家庭内に供給するシステムです。

この例からわかるように、ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせると停電に対応できます。もしコストや環境が許すのであれば、テスラ パワーウォールのような家庭用太陽光蓄電池システムの導入をおすすめします。

ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせて停電に対応
参照:令和 3 年度 家庭部門の CO2排出実態統計調査 資料編(確報値)

しかしながら、賃貸住宅やマンションなど、屋根にソーラーパネルを設置できない状況も考えられます。そのような場合は、ポータブル電源と折りたたみソーラーパネルを用いて類似のシステムを構築することが可能です。

ポータブル電源を使ってエアコンを動かすことの利点

UPS オフライン方式
オフライン方式のUPS

電源がない状態でエアコンを使い続ける能力はポータブル電源の重要なメリットです。特にエアコンをつけっぱなしにしていて停電が起きた場合に真価を発揮します。

さらに重要なのは、無停電電源装置(UPS)を搭載したポータブル電源の存在です。このタイプのポータブル電源は、ブレーカーが落ちた瞬間にバッテリーからの電力供給に切り替わり、エアコンが稼働し続けることを可能にします。

つまり、エアコンをつけっぱなしにしていて、停電が発生したとしてもエアコンは動き続けます。これは、エアコンが自動復帰機能を持っていない場合でも有効です。この機能はエアコンの種類に関わらず試すことができます。キーポイントは、UPS機能を備えたポータブル電源を選ぶことです。

停電時のエアコン運用:ポータブル電源の容量計算の準備

Enernova ETA,エコフロー リバー2,BLUETTI EB3A,ALLPOWERS R600の比較

停電が発生した際、エアコンを稼働させることは特に重要な課題です。エアコンは一般的には大きな電力を消費しますが、適切な容量のポータブル電源を用意することで、停電時でもエアコンを稼働させることができます。

エアコンが消費する電力についての一般的な解説

RAS-AJ28L
画像参照:日立グローバルライフソリューションズ株式会社

エアコンの電力消費は、使用するエアコンのモデルと運用環境によって大きく異なります。

電力消費量を正確に把握する最良の方法は、電力計を使用して直接測定することです。

私自身は「エルパ (ELPA) エコキーパー 電力計 チェッカー 100V EC-05EB」を使用し、運転メニュー、外気温と設定温度の差などによる消費電力の変化を定期的に確認しています。

BougeRV 車載冷蔵庫 Large 29L 【CRPRO30】の消費電力
白い機器が電力計(エコキーパー)です

検証に使用している事務所のエアコンを例に、消費電力の一般的な範囲を示します。

  • 使用しているエアコン:日立製作所 白くまくん ルームエアコン10畳用(RAS-AJ28L)[6]
  • 運用環境:窓ガラスが二面に設置されている部屋(10畳)で、機密性は低く、部屋は南向きですが、直接的な太陽光は入りません。

冷却時の消費電力は以下の通りです。

  • 外気温と設定温度の差が10度以上ある場合、エアコン(除湿機能)は約550Wの電力消費
  • 外気温と設定温度の差が5度程度の場合は、エアコン(除湿機能)は約350Wの電力消費
  • 一度室温が安定すると、消費電力は約300Wに落ち着きます

部屋を素早く冷やす必要がある初期段階では、冷房機能が最適ですが、その場合消費電力は1,000Wを超える可能性があります。

ご自宅のエアコンの電力消費パターンを理解することは、ポータブル電源や蓄電池のバッテリー容量を選定する際の重要な情報になります。

次のセクションでは、具体的な計算方法を詳しく解説します。

出力と容量についての一般的な解説

ポータブル電源を選ぶ際には、その「出力」(W)と「容量」(Wh)を理解することが重要です。

「出力」はバッテリーが一度に供給できる電力の最大値を示し、「容量」はバッテリーが保持できる電力量を示します。この二つの違いを把握しておくことは、エアコンの消費電力に対応するポータブル電源を選ぶ上で必要となります。

  1. 「出力」(W)は、タンクから水(エネルギー)を一度にどれだけ出すことができるか、つまり蛇口の大きさに相当します。蛇口が大きければ大きいほど、一度に多くの水(電力)を供給することができます。
  2. バッテリーを水のタンクに見立てて考えてみましょう。「容量」(Wh)はタンクがどれだけの水(エネルギー)をためることができるか、すなわちタンクのサイズに相当します。タンクが大きければ大きいほど、より多くの水(エネルギー)を保持することができます。

停電時間に対応できるバッテリー容量の概算方法

まず最初に決定することは、ポータブル電源導入の目的が「突然の短時間停電」に対処するためのものか、「災害による長期停電」に備えるためのものかです。

これにより、必要なポータブル電源への投資額が大幅に変わります。「突然の短時間停電」に対処する場合、バッテリー容量は少なくても、UPS(無停電電源装置)機能は必須です。

一方、「災害による長期停電」に備える場合、バッテリー容量の大きさ、拡張機能の有無が重要性を持ちます。

停電時のエアコン運用:ポータブル電源の容量計算の準備
参照:令和 3 年度 家庭部門の CO2排出実態統計調査 資料編(確報値)

環境省によると、太陽光発電システムの蓄電池容量は70%の方が6kWh(6,000Wh)未満となっています。バッテリー容量選択の一つの目安にはなるかと思います。

基本的な要件として、エアコンを稼働させるためには十分な出力(W)が必要です。通常の家庭用コンセ