
「ZENDURE SuperBase V」は2022年7月24日発表されたZENDUREの新作ポータブル電源。
世界初の半固体電池を使用したポータブル電源となる予定。
2022年9月にKickstarterで販売開始し、8億円を突破!
EcoFlowのパワーシステムのような家一件を丸ごとカバーするようなシステムになるようです。
ZENDUREでは、the industry's first semi-solid state battery for home power stationsと言っています。
ZENDURE SuperBase Vの特徴


- 半固体電池版(60kg)とリン酸鉄リチウム電池版(55kg)が予定されている
- 半固体電池版の名称はSuperBase V6400。充電容量6,438Wh
- リン酸鉄リチウム電池版の名称はSuper Base V4600。充電容量4,608Wh
- 半固体状態電池は従来のリチウムイオン電池よりも安全で、より多くのエネルギーを少ないスペースに詰め込めます
- 内蔵 120V/240V デュアル電圧
- 1時間で6.6kWh最大入力
- サイズ:730 x 346 x 442 mm
- 出力:6 x ACポート、4 x USB-Cポート、2 x US B-Aポート、シガレットライターDC出力、30Aアンダーソンポート
- 1本のケーブルで複数台のエクストラバッテリーを繋ぐことができる
- スマートホームパネルに接続すると、PV利回りを最大化するエネルギー使用を管理することが可能
- BluetoothとWi-Fiの両方をサポート
- SuperBase Vのインバータは120Vで30A出力を、240Vで16A、最大3,800W
- エクストラバッテリーからXT90入力ポートを使用してSuperBase Proを充電することが可能(600W)
- エクストラバッテリーは、30Aアンダーソン、XT-90、12Vシガーライターポートを保有
ZENDUREによると「セミソリッドステートバッテリーはLiFePO4バッテリーより安全」とのこと。
参考記事:ZENDURE SuperBase Pro実機レビュー 無駄を削ぎ落とした禅を感じさせる美しいデザイン
半固体電池でポータブル電源の安全性は向上するのか?

半固体電池でポータブル電源の安全性にどう変化があるでしょうか。
自動車メーカーTOYOTAが2020年代前半に全固体電池の量産、車体への搭載を視野に入れていると発表しました。
リチウムイオン電池の安全性が低いと考えられていることから全固体電池・半固体電池の研究が盛んになっています。
半固体電池は現存のリチウムイオン電池量産設備で製造できるため、低コストで導入できます。
コストは変わらず、安全性が高まることから一般的なリチウムイオン電池に取って代わることを期待されています。

半固体電池とは?

半固体電池には「ゲルポリマー型」「クレイ型」「液添加型」の3つがありますが、ここではゲルポリマー型を取り上げます。
電池は正極と負極の間をキャリア(リチウムイオンなど)が行ったり来たりすることで充放電をします。
このイオンがナトリウムならナトリウムイオン電池、リチウムならばリチウムイオン電池と呼ばれます。
このイオンの通り道となるのが電解質。
一般的なリチウムイオン電池は電解質を液体に溶かして、電解液という状態で中に入っています。
この電解質を溶かしている液体が燃えやすい液体(有機溶媒)なのが危険性の元。
そういった点からリチウムイオン電池は安全面に懸念があるとされています。
燃えやすい液体を使わずに、固体のまま詰め込んだものが全固体電池、ゲル化した電解液を詰め込んだものが半固体電池。
電解質を液体のままではなく、全固体・半固体にすることで安全性の向上が見込まれます。
電解液を特殊ポリエーテルに吸わせることによりゲル化した電解液にします。
特殊ポリエーテルの特徴は「保液力が高い」「高いイオン伝道性」の二つ。
半固体電池のメリット
一般的なリチウムイオン電池と比べた場合の半固体電池のメリットを列挙します。
- 安全性向上(酸素を放出しずらい・液漏れしにくい)
- 低コスト(現在の量産設備のまま製造できる)
- 寿命が長くなる(電解液が蒸発しずらいため寿命が2倍近くなる)
- 急速充電能力の向上(イオンの行き来が安定するため)
- 容量の向上も将来見込まれる(正極・負極をより攻めた素材に変更できる可能性から)
