「モバイルバッテリーによる火災が急増」
「長く使っていたモバイルバッテリーがなんか膨らんできた」
「古くなったリチウムイオン電池のモバイルバッテリーはどこに捨てたらいいのかな?」
このようなニュースやコメントを見かけませんか?自分が持っているモバイルバッテリーも発火や事故が起きたらどうしよう?と思ったり。
Jackery Explorer 100 Plusは、そういった不安を払拭する魅力的な製品です。
モバイルバッテリーとしては、重く大きく、厚みのある形状なので、人によってはデメリットに感じるでしょう。その部分を許容できる方にとっては良い製品。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用している点が大きな魅力です。一般的なリチウムイオンバッテリーに比べ、安全性が高く、低温環境における性能の優れている点がメリット。
31000mAh(99Wh)という容量は、スマートフォン、カメラ、無線機器、ゲーム機など、様々なデバイスを充電するにあたり、十分すぎるほどです。iPhone 15であれば7回フル充電できます。
2000サイクルの長寿命で、毎日充放電を行っても5年以上の使用が見込めるため、耐久性・コスパに優れています。
さらに、リチウムイオンバッテリーに時折見られる膨張や発火のリスクが格段に低いため、使用頻度が高まっても安心です。
もしも、不要になってもJackeryでは無償で回収を行なっているので、処分に悩む問題は起きません。
市場において、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのモバイルバッテリーが稀少な現状では、Jackery Explorer 100 Plusは非常にインパクトのある意欲的な製品だと評価しています。
画像を使って製品を解説します
Jackery Explorer 100 Plusスペック表
→ Jackery Explorer 100 Plus 取扱説明書(クリックするとPDFが開きます)
「Jackery Explorer 100 Plus(ジャクリ エクスプローラー 100 プラス)」の内蔵バッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池です。
Jackeryの場合、製品名に「Plus(プラス)」がついているものは、内蔵バッテリーがリン酸鉄になっています。
Jackeryのリン酸鉄 Plusシリーズには以下の製品があります。
全て実機レビューを書いています。モバイルバッテリーではなく、ジャクリのポータブル電源を探していた方は、ぜひチェックしてみてください。
箱から出してみましょう 本体の説明
バッテリー容量31,000mAh(99Wh)とは、スマホの充電何回分くらいでしょうか?
iPhone 15のバッテリー容量が3,877mAhなので約7回充電できます。
バッテリー容量99Whは、飛行機内持ち込みが可能な最大サイズです。移動が多い方にとって待望の安全性に優れたモバイルバッテリーでしょう。
一般的なガジェットの充電回数
製品 | 利用時間/回数 |
スマホ | 約8回 |
ワイヤレスイヤホン | 約99回 |
ゲーム機 | 約7時間 |
スマートウォッチ | 約99時間 |
タブレット | 約2.5回 |
パソコン | 約1.8回 |
正面に全ての入出力ポートが集まっています。
最大で128Wの出力性能があります。
見ての通り、ACコンセントはありません。ですので、ポータブル電源ではなくモバイルバッテリーとなります。
ポータブル電源だと当たり前ですが、モバイルバッテリーにディスプレイが搭載されているのが新鮮。インプット・アウトプット・バッテリー残量などが確認できます。
DISPLAYボタンを2回押すと、ディスプレイが常時点灯になります。
側面も背面も機能はありません。細かい部分までこだわっていて、ポータブル電源のミニチュアっぽく見えますね。
底面に製品詳細、安全基準が記載されています。モバイルバッテリーなので、本体が電気用品安全法(PSEマーク)1を通っています。
同梱品:USB-Cケーブル・DC8020 → USB-Cアダプター・説明書
同梱品は以下の通り。
「DC8020 → USB-Cアダプター」が、シガーソケットやソーラーパネルで充電するときのコネクタになります。
USB-Cを本体のUSB-Cポートに差し込み、DC8020(メス)にシガーソケットケーブルやソーラーケーブルを差し込み使用します。
ソーラーパネルでの充電。工夫をすると、他社製のソーラーパネルにも接続できます。
Jackery ポータブル電源 300Plusと大きさ比較
大きさ的には1/4くらいでしょうか。ミニサイズでかわいいですね。
文庫本と比較してみましょう。少しは大きさが掴めたでしょうか?
Jackery Explorer 100 Plusの充電スピードの検証結果
以下の表は、Jackery Explorer 100 Plusのバッテリー容量(%)、充電にかかった時間(時間:分)、そしてその時の充電W数(W)を記録したものです。
最初にバッテリーを完全に使い切り(0%)、そこからフル充電(100%)までの過程を追いました。
充電の進行状況を追跡するために、バッテリー容量が5%ずつ増えるごとに、その時点での充電に要した時間と充電時のワット数を記録しました。
フル充電には合計で2時間26分かかりました。
ただし、バッテリーを長持ちさせるためには、通常、バッテリー容量を30%から80%の範囲で使用することが推奨されます。そのため、日常的な使用では、充電に約1時間程度が必要になると考えられます。
左から、経過時間(時間:分)、蓄電されていくバッテリー容量、バッテリーに入っていくワット数となっています。
「本体への充電速度が遅い」という口コミに対する理解と分析
多くのレビューで「充電速度が遅い」や「本体への充電速度が10数ワット」という指摘がされています。
実際に、私のデータ分析でも、バッテリーの残量に応じて入力される電力量が変わることが明らかになりました。もし100Wで一定に充電できると考えて購入したら、その速度の遅さには驚くかもしれません。
この挙動は、バッテリーの健康と長寿命を保つためのものです。バッテリー残量に応じて充電速度を調整することで、過充電や過熱を避け、効率的なエネルギー利用を実現しています。
この点をより理解しやすくするため、バッテリーの残量と充電時間、さらに充電W数の関係をグラフで視覚化しました。
グラフからは、バッテリーの残量が増えるにつれて充電速度が自然に落ちる様子が見て取れます。これは、バッテリーの安全と効率を最優先に考えた設計の結果です。
バッテリーの残量と充電時間、さらに充電W数の関係をグラフで視覚
グラフを参考に、充電速度が遅いことの背後にあるメカニズムを考察していきましょう。
グラフから、以下の傾向が読み取れます。
- 充電スピードの変化
- バッテリー容量が増加するにつれて、充電スピード(%/分、赤線)に変動が見られます。
- 充電初期では比較的高速で充電されていますが、容量が増えるにつれて充電速度が落ちていく傾向があります。これは、バッテリーの保護機制や効率の最適化によるものかもしれません。
- 充電W数の変化
- 充電W数(W、青線)もバッテリー容量の増加に伴って徐々に減少しています。これは、バッテリーが満充電に近づくにつれて充電効率を最適化し、過充電を防ぐための措置と考えられます。
充電スピードが遅いことのメリット
これらの検証結果は、充電速度が遅いという特徴を次のようにメリットとして捉え直すことができます。
充電速度が遅いことは確かです。しかし、バッテリーを長持ちさせるために必要な仕組みになっています。充電スピードを優先事項にしている方には適さない製品と言えるでしょう。
製品を大事に長く使っていきたい方にとっては、充電スピードの遅さはメリットに感じられると思います。
使い方の提案
Jackery Explorer 100 Plusに適した使い方を考えてみました。
のちほど、「車の駐車監視ドライブレコーダーの電源として使用」を検証してみようと思っています。ちょうど車の入れ替えをするので、企画は待機状態。
「冷寒地でのバックアップバッテリー」に関しては、以下の記事で解説しています。
参考記事:寒い季節のスマホバッテリー対策:リン酸鉄モバイルバッテリーの優位性
よくある質問
疑問に感じそうな点をQ&A方式で解説します。もしも、ここに掲載されていない疑問点や悩み事がありましたらコメント欄でお知らせください!
シガーソケット充電できますか?
はい、シガーソケット充電できます。しかし、工夫が必要です。
Jackery Explorer 100 Plusに付属の「DC8020 → USB-Cアダプター」が工夫のポイント。このDC8020(メス)の部分にシガーソケットケーブルを差し込みます。
しかし、「シガーソケットケーブルのDC部分がDC8020である製品」はありません。つまり、市販のシガーソケット充電ケーブルは、そのままでは接続不可なのです。
では、どうするのか?
方法は2種類あります。どちらも追加出費があります。
- Jackery SolarSaga 5M延長ケーブル(2999円)を使用する
- Jackery Solar Generator 300 Plus(49,900円)に付属の「DC7909 → USB-Cアダプター」を使用する
- DC7909オス → DC8020オスへ変換アダプター(1000円くらい)を使用する
DC7909オス → DC8020オスへ変換アダプターを購入するのが最も低コストです。
Jackery SolarSaga 5M延長ケーブル(2999円)を使用する
Jackery SolarSaga 5M延長ケーブルは、DC7909(メス)とDC7909/DC8020(オス)からなります。
Jackery SolarSaga 5M延長ケーブルのDC7909(メス)に、市販のシガーソケット充電ケーブル(DC7909 オス)を差し込みます。
Jackery SolarSaga 5M延長ケーブルのDC8020(オス)を、Jackery Explorer 100 Plusに付属の「DC8020 → USB-Cアダプター」に差し込みます。
そして、USB-CコネクタをJackery Explorer 100 Plusに差し込み、充電が始まります。
画像で説明すると以下の通りです。
追加で3000円ほどかかってしまいますが、シガーソケットケーブルで走行充電ができるようになります。
ソーラーパネル充電でも使えますので、ソーラー充電をお考えの方は十分元が取れると思います。
DC7909オス → DC8020オスへ変換アダプター(1000円くらい)を使用する
「DC7909(オス)をDC8020(オス)に変換する」製品をAmazonで見つけました。
実際に使えることが確認できましたので紹介します。
DC7909オスのシガーソケットケーブルをこのパーツでDC8020に変換します。
そして、Jackery Explorer 100 Plusに付属の「DC8020 → USB-Cアダプター」に差し込みます。
ディスプレイを見ていただくとわかりますが、ちゃんと充電できています。
Jackery純正のアダプターが販売されるまでは、この製品で十分でしょう。
一番簡単に車内で充電する方法は?
Jackery Explorer 100 Plusは、Type-Cポートを通じての充電もできます。そのため、車のシガーソケットにカーチャージャーを接続し、Type-Cで充電することも一つの選択肢です。
車の停車中にいたずらなどの監視のために、ドラレコや監視カメラを動かしたい。そのような時にモバイルバッテリーを使う方がいるそうです。
そのような用途だと、このType-Cポートでの充電の方が向いています。夜間にドラレコで使ったバッテリーを、次の日に走行充電で補充するような使い方です。
シガーソケットケーブルを使用したい方が多いので、前項で説明しましたが、こちらの充電方法の方が簡単ですね。
Jackeryのソーラーパネルで充電できる?
はい、Jackeryのソーラーパネルで充電できます。
取扱説明書には以下の製品が対応すると記載されています。
他社製ソーラーパネルでの充電は可能?
はい、条件を満たせば他社製のソーラーパネルで充電できます。
充電に必要な2つのチェックポイントは以下の通りです。
- ソーラーパネルの仕様:電圧が18〜27.2V、電流が5A以内であること。
- コネクタの変換:DC7909コネクタからJackery Explorer 100 PlusのDC8020形状の入力ポートに合うように変換する必要があります。
まずは、接続方法から説明します。
Jackery Explorer 100 Plusには、DC8020形状のメス型トランスジャックが同梱されています。
DC8020のオス型コネクタを直接差し込むことになります。しかし、DC8020出力のソーラーパネルは存在しません。そのため、DC7909からDC8020への変換パーツが別途必要です。
ソーラーパネルの出力がDC7909コネクタの場合、DC8020への変換パーツのみが必要です。
私は、以下のDC変換プラグを使用しています。
もしソーラーパネルがMC4コネクタを使用している場合は、まずMC4からDC7909への変換ケーブルが必要となり、その上でDC8020への変換パーツも必要になります。
接続方法がわからない場合は、コメント欄からお声がけください。
使用するソーラーパネルは、Jackery Explorer 100 Plusの受け入れ条件である「電圧が18〜27.2V、電流が5A以内」にする必要があります。
実用的には、40W程度のソーラーパネルで十分だと思います。
パススルー充電はできますか?
はい、パススルー充電が可能です。USB-Cから充電して、USB-C、USB-Aで出力することができます。
以下の画像が、Jackery Explorer 100 Plusをパススルー充電している様子です。
Jackery ポータブル電源 300PlusからUSB-Cで充電しています。そして、Jackery Explorer 100 Plusからスマートフォンに充電しています。
充電と給電を同時に行うことができます。
Jackery Explorer 100 Plus専用の収納ケースは販売されますか?
2024年内に販売予定です。3月以降に計画が決まるとのこと。Jackeryの担当さんに聞きました。
まとめ:実際に使って感じたメリットとデメリット
数少ないリン酸鉄のモバイルバッテリー「Jackery Explorer 100 Plus」は、バッテリーの膨らみや発火を避けたい方にとって優れた選択肢です。
上記のようにメリットが多数あります。
一方で、充電スピードの遅さ、その四角い形状とコンパクトでないデザイン、そして965gという重量は、日常的な携帯性や迅速な充電を重視するユーザーにとっては大きなデメリットでしょう。
安全性と寿命を優先するか、携帯性と充電速度を優先するかによって、この製品が最適な選択肢となるかが決まります。
モバイルバッテリーを選ぶ際、あなたが最も価値を置くのはどの要素ですか?
結論:リン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーで大容量の製品は他にはないため、唯一無二の存在といってもいいでしょう。
手元にJackery Explorer 100 Plusがありますので、疑問や質問がありましたら、お気軽にコメント欄でお声がけください!
2024年現在、販売されているリン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリー
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