Jackeryから新製品「Jackery 3000 Pro」の発売が開始されました(2023/4)。ただし、現時点では北米地域のみの展開となります。

Jackeryは、3,000Wの出力と1,400Wのソーラーサポートを備えた、ブランド史上最大のポータブル電源であるJackery 3000 Proを発売しました。

この製品は、3,024WhのNMCリチウムイオンバッテリー、20Aの出力を4つ、30AのRV出力を備えています。

ACコンセント充電、ソーラーパネル充電、または12V充電ケーブルで充電することができます。

また、リモートアクセス用の新しいモバイルアプリも付属しています。Jackery 3000 Proの小売価格は2,799ドルです。

長所
短所
  • 最大3,000Wの出力
  • ソーラーパネル入力最大1,400W
  • (他社ライバル製品に比べて)軽量で可搬性が高い
  • モバイルアプリによるリモートアクセスが可能
  • 寒さに強い(動作温度-20℃)
  • 拡張性がない
  • UPS機能が限定的
  • ソーラーパネル接続ケーブルが付属しない
  • 高額

参考ページ:Jackery 3000 Pro(Jackery公式サイトUS)

なぜJackeryはリチウムイオンバッテリーからリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに切り替えないのか?

「Jackery 3000 Pro」に関してCES2023で発表された情報によると、バッテリーの種類については公開されていませんでした。

「いつになったらJackeryからリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載モデルが発売されるのでしょうか?」と思っていましたが、フラッグシップモデルも三元系リチウムイオンバッテリー搭載製品でした。

これにより、JackeryがLiFePO4を使用するつもりはないことがわかりました。

Jackeryは、自社のBMSなどの安全システムに非常に自信を持っています。また、軽量で携帯性が高く、使いやすいデザインを重視しています。

北米では、「Jackery 3000 Pro」に関して、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとNMCリチウムイオンバッテリーのどちらが優れているかで論争が巻き起こっています。意見は賛否両論です。

日本市場でも苦戦しそうですね。リン酸鉄でなければ、選択肢に入らない状況になっています。

24時間UPSやホームバックアップとして使うのであれば、論外ですが、Jackeryはアウトドアアクティビティが主要市場なので、軽さと携帯性、そしてアプリでの操作性を最優先したのでしょう。

Jackeryが競合他社よりも製品を軽量に保つという経営上の決定をしただけなんだと思います。とはいえ、何となく競争力を失っているように感じますが、気のせいでしょうか。

Jackery 3000 Proの製品スペックと特徴

ここでは、北米で販売されている製品のスペックについて記載しています。

日本でのローカライズ時には、スペックに変更が加えられることがあります。たとえば、電圧が100Vになるなどです。

アイテム名Jackery 3000 Pro
型番3000 Pro
メーカーJackery
価格2,799ドル(1ドル130円換算で36.4万円)
容量(Wh)3,024Wh
出力(W)3,000W(サージ6,000W)
サイズ横472×高さ373×奥行き358mm
約29kg
バッテリーリチウムイオンバッテリー
費用対容量(1Whあたり単価)
電気の波形正弦波
出力(AC出力・DC出力・USB)AC:5口
DC/シガーソケット:1口
USB:2口
Type-C:2口
Jackery 3000 Pro リチウムイオンバッテリー搭載 軽量であることを最優先
画像参照:Jackery 3000 Pro(Jackery公式サイトUS)

性能

Jackery 3000 Proは、最大3,000Wの出力を誇りますが、容量3,000Wで拡張性もないため、実際には長時間の使用には向いていません。

バッテリー寿命は、2,000サイクル後に元の容量の70%以上を持つと推定されています。リチウムイオンバッテリーとしては、充放電サイクルが多いですね。

完全にアップグレードされたBMSのおかげで、ポータブル電源の安全性が次のレベルに引き上げられました。

12種類の保護機能、30%改善された放熱効率、組み込みセキュリティチップを備え、より信頼性の高い多目的な充電体験を提供します。

9つの温度センサーにより、多数のシミュレーション実験に基づいてピーク温度位置を決定します。

主な加熱生成部品(セルとインバーター)には、独立した空気ダクト設計、正確な温度監視と可変速ファンが装備されており、温度変動に応じてリアルタイムで調整され、静音性と放熱効率を最大化します。

UPSモードには限定的な機能しかありません。

現在日本で販売されているJackeryの商品には、UPS機能は搭載されていません。

つまり、UPS用途には開発されていないということです。

参考記事:ポータブル電源におけるUPS機能の違いと対応製品の紹介

一方、ソーラーパネル入力が最大1,400Wという点は、非常に魅力的です。

Solar Generatorとして売り出していることからソーラーパネルでの充電にはこだわりがあるようですね。

デザインと使いやすさ

Jackery 3000 Proは、軽量で携帯性が高く、持ち運びがしやすいデザインです。

また、モバイルアプリによるリモートアクセスが可能で、使いやすさに優れています。

価格

2,799ドルという価格は、1Wあたりの価格としては、Jackery製品の中でも最も低い水準です。

ただし、ソーラーパネルとのバンドルパッケージ(Solar Generator)は非常に高価であり、他社製の低コストなソーラーパネルを使用する方が良いかもしれません。

Jackery 3000 Proの長所と短所

長所
  • 最大3,000ワットの出力
  • ソーラーサポート最大1,400W
  • 軽量で携帯性が高い
  • モバイルアプリによるリモートアクセスが可能
短所
  • 拡張性がない
  • UPS機能が限定的
  • ソーラーパネル接続ケーブルが付属しない
  • 高額

よくある質問

製品寿命はどれくらいですか?

2,000サイクル後に元の容量の70%以上を持つと推定されていますが、その後は徐々に減少します。(注:バッテリーが2,000サイクルしか持たないことを意味するわけではありません。最大のパフォーマンスを維持できるのは、2,000サイクルまでですが、バッテリーの劣化のため、2,000サイクルを超えると徐々に性能が低下します。)

バッテリーをコントロールするために使用できるモバイルアプリはありますか?

はい、Google PlayまたはApp Storeで「Jackery」を検索して、アプリをインストールしてください。その後、登録・ログインしてください。

パススルー充電に対応していますか?

はい、Jackery 3000 Proは、バッテリーを傷めずに充電できるパススルー充電に対応しています。

MPPTコントローラーはありますか?

はい、Explorer 3000 ProはMPPTコントローラーを内蔵しています。

防水機能はありますか?

防水仕様ではありません。必ず雨よけをしてください。

耐火性ですか?

外装ケースは、防火材料UL94-V0を使用しています。

Jackery 60W/ 80W/ 100W/200W のソーラーパネルでJackery 3000 Proを充電することはできますか?

Jackery 60W/ 80W/ 100W/200W ソーラーパネルで3000 Proを充電することができます。

3000Proを充電するために、6x200Wのソーラーパネルを接続することはできますか?

ソーラーパネルコネクターが2個あれば、Explorer 3000 Proを充電するために6枚のソーラーパネルを接続することができます

3000 Proを充電するために、他のブランドのソーラーパネルを使用できますか?

はい、Jackery 3000 Proは、他のブランドのソーラーパネルで充電することができます。

Jackery 3000 Proに関する参考資料