
EcoFlow社より新製品 「DELTA mini(EcoFlow公式サイト)」が発売されます。
名称の通り、2020年に一般発売された「EFDELTA」の進化コンパクト版といえそうです。
出力が大きくなると相関的に容量も大きくなっていくのが今までのポータブル電源でした。

家電が使える高規格ポータブル電源を手に入れやすい価格で販売できるのは技術力の優れているEcoFlow社だけでしょう。
この記事は、「EcoFlow社よりEcoFlow DELTA mini貸与の上でのレビュー」です。
「金銭授与なし、製品授与なし、忖度なしで書かせてもらう」という条件で受けています。
EFDELTA、DELTA Pro、RIVERシリーズなど個性的な製品を生み出してきたEcoFlow社の新作「DELTA mini」もとてもユニークな製品になっています。
- 家電が使えるポータブル電源としては軽い!
- 1,000Wh以下で家電をちゃんと使うには唯一の選択肢
- ACコンセントが1,400W(ほとんどの家電が使える)
- 急速充電(X-Stream)により1時間で80%まで、約1.6時間でフル充電
- 女性でも持ちやすい形状、キッチンにあっても違和感のないシンプルデザイン
1,000Wh以下でほとんどの家電を動かすパワーがあるポータブル電源は今までありませんでした。
新しい領域の製品なのでライバル他社に比較製品がありませんが、近しい製品と比較して「DELTA mini」のメリット・デメリットを浮き彫りにしたいと思っています。
また、「DELTA mini」の特徴、「DELTA mini」の写真レビュー、「DELTA mini」で使える家電の実機レビューといったことも記述しています。
目次をクリックすると各項目に移動できます
EcoFlow DELTA miniの特徴
まずはDELTA miniの特徴から見ていきます。
ハイパワーの割には軽い、PD出力が100Wあり、満充電まで約1.6時間!
女性のソロキャンパーやバンライフも一般的になってきてますので、時流にもマッチした機能を盛り込んだモデルですね。
家電が使えるポータブル電源としては軽い!
本体重量は約11kg。これだけを見るととても重く感じますね。
しかし、電子レンジやドライヤー、電気ケトルがコンセントと同じように使えるポータブル電源としては最も軽いといっても良いのです。
友人にDELTA miniを持ってもらいました(女性 160cm 平均的な体型)。
両手なら軽々、片手でも長距離でなければ運べるとのこと。


軽いといっても比較してみないとわかりませんよね。後ほど、他ブランドのポータブル電源との比較をするのでここでは軽く触れます。
他社で電子レンジなどの高出力家電が使用できるモデルを3つほど選んでみました。
Jackery ポータブル電源 1500が16kg、ALLPOWERS Monster Xが14.5kg、BLUETTI ポータブル電源 AC200が27.5kg。
DELTA miniは約11kg。だいぶ軽いですね。
家から車に積み込み、キャンプ場で車からおろしてセッティング。キャンプが終わったら車に詰め込み、家に着いたら車から家に運び込む。
文面にすると大したことなさそうですが、実際にやってみるととても面倒。

USB Type-Cポートが最大100W

他のポータブル電源にあまりないスペックとして、USB-Cの出力が「PD最大100W」に対応している点があります。
上記写真の①の部分です。
ポータブル電源にPD出力があったとしても60W・80Wであることが多いですね。
PD100Wというと、Macbook Pro 16インチも最大パワーで充電することができるスペック。
標準的なUSB-Aは5W(5V=1A)出力。PD100WはUSB-Aの約20倍の給電能力を持ちます。
給電能力が大きいということは、その分ガジェット類への充電時間が短くなります。
DELTA miniの他、同じEcoFlow社のRIVERシリーズ、AUKEY PowerStudio(レビュー)、ZENDURE SuperBase Pro(レビュー)がPD100W対応です。
充電スピードの検証
DELTA miniを充電する方法は3つです。
- コンセント(AC)
- ソーラーパネル充電
- シガー充電(車での走行充電)
DELTA miniの大きなメリットである充電スピード。
ACコンセントからの「X-Stream AC急速充電」により1時間で80%まで、約1.6時間でフル充電完了。
容量882Whが1時間ちょっとでフル充電になってしまいます。
急いでいる時や台風などで停電しそうな時にとても役に立つ機能です。

急速充電の最大入力電力は900Wです。
我が家の場合は800Wで充電されていました。
EcoFlowアプリでカスタム充電の設定ができ、充電入力電力の大きさ(200-900W)を制御できます。
ソーラーパネル充電・シガー充電(車での走行充電)については別記事で記述します。
DELTA mini外観と付属品・説明書
この項は「外観と機能説明」「付属品の説明」です。
外観よりも実際に使っている様子を見たい方は「DELTA miniで使える家電の実演レビュー(クリックすると移動します)」まで飛ばしてください。
DELTA miniの写真レビュー
写真を使いまして、外観と機能説明を行います。
パーツの素材は安っぽさがなく、全体がかっちりしていて所有欲が満たされる作りになっています。
サイズは378×184x240mm 約11kg
液晶ディスプレイ
充電/放電残り時間、バッテリー残量パーセント、現在の入出力値、警告などがはっきりとわかるようになっています
前面の入出力パネルです。
- USB-C出力ポート(PD100W)
- USB-A出力ポート(各ポート最大12W)
- USB-A急速充電出力ポート(ポート最大18W)
- IoTボタン(EcoFlowアプリと連携するときに使います)
- 電源ボタン

背面の入出力。上下に分けて説明します。
背面上部。この部分は蓋がついており保護されています。
左からXT60ポート(ソーラーチャージャー/ シガーソケットDC充電ポート)、X-Stream充電/カスタム充電切換えボタン、AC充電ポート、充電過負荷保護ユニット
背面下部。
AC出力ポート(100V)が5つ、DC5521出力ポートが2つ、シガーソケット出力ポート。
正面から見て右側面。小さなロゴと通気/放熱口。
正面から見て左側面。大きなロゴと通気/放熱口。
通気/放熱口は全部で4ヶ所あります。
電子レンジやドライヤーなどの高出力家電を使うと稼働します。
騒音は若干あり。本体に熱が籠ると事故の元なので排熱時に音がしてしまうのは仕方ないですね。何事もトレードオフ。
底面は製品表記(正式発売時は表記内容が変わっている可能性あり)としっかりした滑り止め。走行時も滑ることなく安定していました。

天板と持ち手。
付属品・説明書
同梱品の紹介です。
内容物は、AC充電ケーブル、シガー/アクセサリー ソケット充電ケーブル、ソーラーチャージャー 充電ケーブル、DC5521 to DC5525接続ケーブル、ユーザーマニュアル&保証書。



シガーソケット部分を車に、XT60部分をDELTA miniに繋ぎ、走行充電することができます。



MC4部分をソーラーパネルに、XT60部分をDELTA miniに繋ぎ、ソーラーパネル充電ができます。
MC4なので汎用性は高いですね。


DELTA miniで使える家電(実演レビュー)
EcoFlow DELTA miniは、「90%の電化製品に対応する強力な1400W AC出力」を標榜しています。
そこで、キャンプや車中泊、災害時に使えるとうれしい家電を実際に動かしてみます。
電気ケトル・電子レンジ・ドライヤーといった高出力家電、炊飯器・車載冷凍冷蔵庫などの車中泊グッズで実証実験です。

電気ケトル(ティファール)

「車中泊で熱々のコーヒーを淹れたい、停電時に温かいラーメンが食べたい」
そんなシチュエーションで電気ケトルが使えるポータブル電源は本領を発揮します。
検証のため、「DELTA mini」で電気ケトルを動かしてお湯を沸かしてみました。
使用した電気ケトルは、ティファール 電気ケトル 「ジャスティン プラス」1.2Lです。

4,000円以下で購入できる一般的な電気ケトル。
→ アマゾンで「ティファール ジャスティン プラス 1.2L」の価格と詳細を見る
この「ジャスティン プラス」の消費電力は1250Wです。
なかなかこの出力をまかなえるポータブル電源はありません。
本当にちゃんと使えているかを確認するために「DELTA mini」と壁についているコンセントで500mlのお湯を沸かす時間を比べてみました。
結果は、「DELTA mini」が2分34秒、家庭用コンセントが2分43秒でした(家の中の電圧が若干低い)。


「DELTA mini」は家庭用コンセントと同じように電気ケトルを使えます!
なかなか使い続ける場面はありませんが、時間でいうと1250Wの電気ケトルが約40分使用可能。
「DELTA mini」で500mlの水が15回くらい沸かすことができます!
電子レンジ(ハイアール)

「DELTA mini」で電子レンジを動かしてみました。
使用した電子レンジは、「ハイアール JM-V16」です。

10,000円以下で購入できる単機能な電子レンジ。
→ アマゾンで「ハイアール JM-V16」の価格と詳細を見る
この電子レンジの定格消費電力は1250W。
電子レンジが使えるポータブル電源は多くありません。
参考記事: キャンプや車中泊で家電を使いたい!ドライヤーや電気ケトル、電子レンジが使えるポータブル電源を紹介
「DELTA mini」は家庭用コンセントと同じように電子レンジを使えます!
このサイズのポータブル電源で電子レンジが使えると車中泊での食生活が劇的に変わるなぁ、と思いました。軽バンやコンパクトカーに積むことも可能ですよね。
以下の動画が実際に電子レンジを使っている動画です。
ドライヤー(サロニア)
「DELTA mini」でドライヤーを使ってみました。
使用したドライヤーは、「SALANIA(サロニア) スピーディーイオンドライヤー」です。
→ アマゾンで「SALONIA サロニア スピーディーイオンドライヤー」の価格と詳細を見る
髪が乾くのが早いので使用時間が短くすむ省エネドライヤー。
サロニアの風量調節は、TURBO(強い温風)・SET(やや強い温風)・COOL(冷風)の3段階。
TURBO(強い温風)の時に最大1200Wの電力を使用します。
結論としては、コンセントと同じようにドライヤーが使えます。
COOL(冷風)の時は90W程度の電力量
SET(やや強い温風)の時は650W程度の電力量。
管理人(女性)はセミロングですが、この設定で十分しっかり乾かすことができます。
TURBO(強い温風)の時は1350W程度の電力量
以下の動画が実際にドライヤーを使ってみた様子です。ドライヤーの音が鳴りますのでご注意ください。

参考記事: 車中泊・キャンプでドライヤーを使いたい!1000W以上のポータブル電源(Jackery・EcoFlow)
炊飯器(タケルくん)

車中泊派の方がよく使っている「直流炊飯器 タケルくん DC12V専用 JPN-JR001」。
シガーソケットポートを利用して電源を取ります。

消費電力は、炊飯時平均90W・蒸らし時は電力不要なので0W。
一回の炊飯で使用した電気容量は38Wh。

炊飯25分+蒸らし10分、合計35分でおいしいご飯が炊けました!

参考記事:炊飯器 タケルくんとポータブル電源 Anker PowerHouse II 400でご飯を炊く

他社との比較(Jackery・Anker・Max Power)
この項では、DELTA miniの容量882Whに近いモデルと比較をしてみます。
どのモデルもしっかり売れていて、レビューも高評価なものです。
800Whクラスのポータブル電源はほとんどないので比較が難しいのですが、「DELTA mini」が平均的になるようにセレクトしました。
完全なライバル製品がない700Whクラス〜1,000Whクラスの空白地帯で唯一選べるポータブル電源とも言えるでしょう。
アイテム名 | 価格 | 容量 | AC出力 | PD出力 | 重量 | 充電時間 |
DELTA mini | 115,500円 | 882Wh | 1,400W (サージ2,100W) |
100W | 約11kg | 約1.6時間 |
Anker800 | 74,800円 | 788Wh | 500W (最大1,000W) |
60W×2 | 8.3kg | 5時間 |
Jackery708 | 79,800円 | 708Wh | 500W (最大1,000W) |
60W | 6.3kg | 5時間 |
Jackery1000 | 139,800円 | 1,002Wh | 1,000W (最大2,000W) |
18W×2 | 10.6kg | 7.5時間 |
MaxPower PL1000J | 116,000円 | 1,000Wh | 1,000W | 60W | 9.9kg | 12時間 |
「DELTA mini」を他社と比較したデメリット
1番のデメリットは重量ですね。
一番容量のある「Jackery ポータブル電源 1000」よりも重くなっています。
とはいえ、EcoFlow DELTA miniの特徴 | 家電が使えるポータブル電源としては軽い!の項で記述したように、電子レンジやドライヤーなどの高出力家電が使えるポータブル電源の中では最も軽いです。
今回比較している4機種は高出力家電をちゃんと使えませんので、多少の重量増は仕方ないでしょう。
また、常に持ち歩いて使用するわけではないのでデメリットが表出するのは限定的。
「DELTA mini」を他社と比較したメリット
管理人が思う1番のメリットは「充電スピードの驚異的な速さ」。
「DELTA mini」は満充電まで約1.6時間。次点がAnker800とJackery ポータブル電源 708の5時間。
充電時間が早いメリットは使いたい時にすぐ使えること。「DELTA mini」は1時間で80%まで充電できるので予定をうっかり忘れていても間に合います。
用意周到な方は問題ないかもしれませんが、管理人のように旅の直前まで準備をしないずぼらな人には欠かせない機能。
特に台風などで停電が想定されているときは、この充電スピードが家族に安心をもたらすと思います。
充電スピードの検証は「EcoFlow DELTA miniの特徴 | 充電スピードの検証」の項で行っています。
次のメリットは1,400Wというクラス最大出力。
比較したモデルの中で、高出力家電(電子レンジ・電気ケトル・ドライヤーなど)をフルパワーで使えるのは「DELTA mini」だけです。
容量が882Whなので高出力家電を長時間使用するのには向いていませんが、ちょちょっとドライヤーなどが使えるのは本当に便利です。
EcoFlow既存製品との比較(RIVERシリーズ・EFDELTA)

EcoFlow既存製品とDELTA miniを比較してみます。
こうしてみると、バランスよく用途に合わせて製品が開発されていますね。
アイテム名 | 価格 | 容量 | AC出力 | PD出力 | 重量 | 充電時間 |
DELTA mini | 115,500円 | 882Wh | 1,400W (サージ2,100W) 一部1800Wまでの機器に対応可能(X-Boost機能) |
100W | 約11kg | 約1.6時間 |
EFDELTA | 159,500円 | 1,260Wh | 1,600W (サージ3,100W) |
60W×2 | 14kg | 約1.6時間 |
RIVER Pro | 79,800円 | 720Wh | 600W (サージ1,200W) 一部1200Wまでの機器に対応可能(X-Boost機能) |
100W | 7.2kg | 約1.6時間 |
RIVER PRO EXTRABATTERY |
128,200円 | 1,440Wh | 600W (サージ1,200W) 一部1200Wまでの機器に対応可能(X-Boost機能) |
100W | 14.2kg | 3時間 |
高出力家電を使いたいならばDELTAシリーズを
DELTA mini、EFDELTA共に出力が1,400W以上なので、コンセントと同じように家電が使えます。
RIVER ProをはじめとするRIVERシリーズは定格600Wですが、X-Boost機能で一部1,200Wまでの家電に対応。
X-Boost機能は家電側の電圧を下げる技術です。
参考記事:【EcoFlow】RIVERシリーズどれを選べばいいのかな?【他ブランドとの比較・使える家電の紹介】
容量が最重要な選択肢でなければ、DELTA miniが価格と性能からすると最もお買い得だと思います。
とにかく容量が必要な方は、RIVER Pro、またはRIVER Pro+エクストラバッテリーがおすすめ。
まとめ

開発元のEcoFlow Technologyは、ドローンのトップメーカーDJI出身の技術者によるポータブル電源のスタートアップ。
「大容量のポータブル電源を開発して人の生活を支えたい」というのが立ち上げの動機とのこと。
実際、コロナウイルスによる、切迫する医療の現場に1004台、総額22,400,000円のポータブル電源を寄付してくれました。
マーケティング、販売、アフターセールスの支店が日本にもあり、日本人スタッフによるアフターサービス体制も万全。
メーカー保証期間は2年間。
詳しい方はもちろん、初めてポータブル電源を購入する方にも安心してご紹介できるメーカーです!
Delta mini最大のメリットはこれに尽きます。
女性が片手で持てるコンパクトさでほとんどの家電がフルに使えるポータブル電源であること!
今までこのような機能のポータブル電源は市場になかったんです。
アウトドアアクティビティーから災害対策まで一台でカバーできるマルチなポータブル電源。
もしも、購入の際に不安なことがありましたらコメントをいただければお答え致します。
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以上、EcoFlow DELTA mini 実機レビュー | 女性が片手で持てるコンパクトさで家電が使える!という話題でした♪